『かそけきサンカヨウ』(2021)★★★★☆

★★★★☆

窪美澄による連作短編集『水やりはいつも深夜だけど』の中の1編「かそけきサンカヨウ」が原作。
親子、恋愛、友情、様々な関係性が描かれているが、どれも日常のちょっとした心の振れみたいなものを描いていて登場人物みんなが素直で優しくて透明感があるように感じられた。タイトルにもあるサンカヨウという花みたいだ。

自分が見えていることだけがすべてではないのだよな、と思った。陽を置いて出て行ったお母さん。でも可愛くなくて出ていったわけではない。陸のお母さんは義理のお母さんに強く言われたりしている。でも義理のお母さんの支えのお陰でここまで頑張れたのだという。
それらの感情ってわりと曖昧でぼんやりとしていて白黒はっきりさせる必要はないんだろうな、ということをじんわりと感じさせてくれる作品だった。

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