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TAMRON 20-40mm F2.8 A062 レビュー&広角レンズ解説

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2022年10月に発売されたTAMRON 20-40mm F/2.8 Di III VXD A062を購入したのでレビュー兼子供写真における広角レンズ解説をしたいと思います。

とはいえ、すでに発売から約3か月が経っているので、各焦点距離での画質などはすでに本業の方たちが詳細に分析してくれています。そこで、このブログでは【パパママカメラマンにとって買いなのか?】というポイントでレビューしたいと思います。

20‐40mmのスペックと購入した理由

まずは20‐40mm F2.8 A062のスペック

焦点距離20‐40mm
明るさF2.8(最小絞りF22)
最短撮影距離(広角)0.17m/(望遠)0.29m
フィルター径67mm
長さ×直径86.5mm×74.4mm
重さ365g
レンズ11群12枚
マウントEマウント
価格定価118,800円(実売:約87,000円)

TAMRONの28-75F2.8G2、20-40F2.8、20F2.8の大きさを比較した写真

U-ma
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28-75F2.8G2よりも小型軽量なので、日ごろ持ち歩くときは20-40F2.8を付ける機会が増えました。

焦点距離が20mmから40mmのズームレンズということで、一般的な標準ズームとしては望遠側が短く、広角側が広いレンズです。TAMRONのF値2.8の大三元シリーズだと広角ズームが17-28mm、標準ズームが28-75mmですので、広角ズームと標準ズームの中間の焦点距離範囲のレンズとなります。

大きさと重量はTAMRONの17-28mm、28-75mmよりも小さく軽量で、クラス最小最軽量のレンズです。

広角側に重点を置いたあまり見かけない焦点距離のズームレンズですが、家族写真をメインにしている私が購入した理由と使用感をお話ししたいと思います。

私がこれまで所有していた広角撮影が可能なレンズは以下の3本です。

  • TAMRON 28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (A063)
  • TAMRON 20mm F/2.8 Di III OSD M1:2 (F050)
  • Tokina AT-X 107 DX Fisheye (10-17mm、CANON EFマウント、APS-C用、SIGMA MC11で使用)

元々、CANONのカメラを使用していたころはよく夜空の撮影をしていたのでTokina 10-17mm(35mm換算15-25.5mm)を使用していました。しかし、このレンズは魚眼レンズで癖が強いため普通の広角写真用としてはなかなか使いにくいレンズです。

そこで、子供写真などで超広角の写真と動画を撮影するためにTAMRON 20mm(F050)を購入したのですが、子供写真に使用するにはAFが少し遅い&迷うためちょっと使いにくいなと感じていました。

U-ma
U-ma

TAMRON 20mm(F050)は動画撮影時にAF駆動音がマイクに入ってしまうのも

かなり大きなデメリットでした。

なにより、子供と一緒にいるときに20mm単焦点と標準ズームを付け替えるのは大変で・・・。できれば広角ズームレンズに買い換えたいと思っていました。

最初はフルサイズ用のTAMRON 17-28mmやSIGMA 16-28mm、α7Ⅳの4K60pの撮影(1.5倍クロップ)も考えてSONY E PZ 10-20mm F4 Gあたりを検討していたのですが、TAMRONから20‐40mmという広角から標準域のズームレンズが発表され「これだ!」と決めました。

広角20mmを使える上に標準域の40mmまでカバーでき、APS-Cクロップモードを使えば60mmまでカバーすることができます。これであれば超広角での撮影中にとっさに標準域で撮影に切り替えることができます。

重量も365gと非常に小型・軽量でズーム操作による全長の変化も小さく、AFが高速・静粛なので動画撮影にも適したレンズです。

『これ1本で超広角から標準域の写真と動画までカバーできる』つまり『レンズ交換の回数を減らせる』というのが子供写真を撮影するうえで非常に使える広角レンズだと判断しました。

広角レンズとは?

本来、焦点距離が35mm以下のレンズが広角、24mm以下のレンズが超広角と呼ばれます。

しかし、一般的な標準ズームレンズは広角側を24~28mm程度までカバーしていることが多いため、「広角レンズを購入する」という場合は24mm以下の超広角レンズを指す場合が多いかと思います。

画角が非常に広いため自撮り撮影などもやりやすいのですが、外周部が歪みやすいという欠点もあります。

カメラ勉強中のパパママカメラマンの方にとって、広角レンズの購入で迷うポイントは『そもそも広角レンズって必要なの?』『広角レンズの焦点距離ってどのくらいの画角なの?』『自分の用途だったらどのくらいの焦点距離がいいの?』という点ではないでしょうか。

U-ma
U-ma

画質のレビューはよく見かけるけど、そもそも画角がどのくらいなのか実感しにくいですよね。

以下のレビューでも、なかなか実感しにくいと思うのでレビューを見て少しでも気になったらぜひ店頭で実際に確認してみてください。

結局、直接手に取ってカメラ越しに覗いてみるのが一番なので!

子供写真に広角レンズって必要?

大三元標準ズーム(例えば28-75mm,F2.8あたり)をお持ちでしたら広角レンズは必須ではありません

しかし、広角レンズ(特に広角ズーム)があると子供との距離が近い室内での撮影の自由度が上がります

車、バス、電車など乗り物の中だったり、食事中や室内レジャーで撮影するときに被写体との距離が確保できず、「もう少し広角側が使えたら・・・」と感じたことがあれば広角レンズの購入を検討しましょう。

また、子供写真ではないですが、動画撮影では広角レンズが活躍します。はやりのVlog撮影や自撮り撮影では20mm前後の広角レンズは必須です。

広角レンズの画角ってどのくらいなの?

そもそも広角レンズの各焦点距離の画角がどのくらいあるのかって、作例やレビューを見てもなかなかわからないですよね。

私の持っているTAMRONの28‐75mmF2.8G2(A063)と今回レビューする20‐40mmF2.8(A062)を使って各画角を見比べてみましょう。

撮影は以下のように三脚を使用して同じ位置から撮影しています。

まずは28-75mmの望遠75mmから広角28mmまで(※画角の比較が目的なので画質は低め)

以上が75mmから28mmの画角です。大三元標準ズームが1本あれば通常の撮影はほとんどカバーできそうなのが伝わるでしょうか。

ちなみに私の場合はこの28-75mmの各焦点距離の使用頻度は28mmが3割、50mm前後が2割、75mmが2割です。広角28mm~標準50mmの使用頻度の合計は6割以上になります。どうしても子供との距離が近くなるので広角側の使用頻度がやや高めとなっています。

広角側28mmに注目すると、上の写真ではかなり広角に撮れているように見えますが、場合によっては画角が不足します。

例えばテーブルをはさんで向かい側の人を撮影する場合、大人のバストアップの写真を撮るのにちょうどいい画角です。新幹線で隣の席に座る家族を撮る場合や、2人以上で自撮りをする場合にはかなり窮屈な画角となります。

次に20‐40mmを使って24mmと20mmを

望遠側と比べて広角側では1mmの焦点距離の違いで大きく画角が変わるため、35mmと28mmの違いに比べて24mm、20mmで一気に画角が広くなったのがわかるでしょうか。

普段みなさんもよく使っているスマホのカメラはだいたい24mm前後の画角なので、24mmで撮影するとスマホのカメラ感覚での撮影が可能です。

また、24mmで手持ちの自撮りをする場合には手を伸ばしてカメラを持つ必要がありますが、スマホと違ってレンズ込みで1kg前後のカメラを支えるのはかなり疲れるので、自動り動画撮影には少し厳しいです。

20mmの場合、腕を少し曲げた状態でも自撮り動画撮影が可能な画角になるため自撮り動画撮影やVlogには最低でも20mmが使えた方が良いでしょう。

ちなみに、20mmでも夜空の撮影ができますが、迫力のある夜空を撮影するためには17mm以下をおすすめします。

用途に合わせた広角側の焦点距離

すでに画角の話しで用途に合わせた焦点距離について話してしまいましたが、子供写真のシーンを補足しつつ焦点距離と用途を以下の様にまとめます。

  • 28mm:テーブル越しの大人のバストアップ、子供の全身を撮るなら1m以上離れる
  • 24mm:スマホと同程度の画角、集合写真、1~2人の自撮り写真
  • 20mm:1~2人の自撮り動画(Vlog)、隣に座る子供の全身、隣で子供を抱っこするお母さんと子供の二人のバストアップ
  • 17mm以下:ダイナミックな夜空写真、山などでのダイナミックな風景写真

子供写真での使用感

結局、子供写真での使用感はどうなのか?このレンズは買いなのか?

ずばり、パパママカメラマンさんにおすすめの1本です。

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U-ma

子供との距離って近くなることが多いので、広角レンズは想像以上に使いやすいです。

特に室内ではとても快適に撮影できます。

TAMRON28-75mmF2.8G2もパパママカメラマンさんの最初の1本におすすめのレンズなのですが、2本目のレンズとしてはもちろん、この20‐40mmを最初の1本に選んでも良いと思います。

広角20mmから標準40mm、APS-Cクロップも使えば60mmまでカバーできるため、隣で遊ぶ子供の全身からバストアップまで自由に撮影できます。基本的には子供に近づけないシチュエーションというのも少ないので、望遠側が物足りない時も自分の足で近寄ればカバーできます。

また、スマホ感覚で動画撮影できるため、これまでよりも動画モードを使用する機会がぐっと増えました。特に、これまでは動画撮影中に子供が駆け寄ってくると逃げるように後ろに下がらないと行けなかった様なシーンでも、そのまま子供と触れ合いながら撮影を続けられるのがとてもいい!

私の場合、日ごろから標準ズーム(28-75mm)を使用する中で、自分の子供を撮影するときには広角~標準域(28~50mm)を多用し、さらにもう少し広角側が欲しい、とずっと感じていました。そのため、この20‐40mm(クロップ時60mm)という焦点距離はベストな選択でした。

28-75より軽量・コンパクトでカメラを気軽に持ち歩けるのもメリットです。

屋外では28‐75mm、室内では20‐40mmという使い分けで大活躍の1本になりました。

ちなみに、画質は20mm側ではかなり評価の高い画質です。40mm側に行くにしたがって少し画質が低下すると評価されていますが、それでも十分以上の画質です。α7Rシリーズのような超高画素機であれば望遠側の画質低下がわかるかもしれませんが、α7Ⅳ(3300万画素)ではほぼわからないレベルです。

1/17追記:SONYFE20‐70mmF4G

SONYから正式にFE20-70mmF4Gが発表されました。

大きさはφ78.7×99mmで重さ488gなのでTAMRON20-40mmF2.8よりは少し大きく(長さ+13mm)重く(+123g)なり、最小F値も4になってしまいますが、望遠側の焦点距離が70mm(APS-Cクロップで105mm)まで使えて、絞りリングやフォーカスホールドボタン×2が搭載されています。

最短撮影距離も0.25mでなかなか寄れます。

そしてSONY純正レンズなのでAF、手振れ補正などカメラ側の機能がフルに発揮されるものと期待できます。

自撮り動画撮影や子供写真(家族写真)用途なら、これ一本でほぼ対応可能な万能標準レンズとしてTAMRON20-40mmよりもかなり魅力的ですね。

予想実売価格が約18万5千円なのでTAMRON20‐40mmの2倍以上の価格となってしまうので、予算さえ許すなら・・・欲しい。

TAMRON20‐40mmと28‐75mm2本買うくらいなら、この1本一択なのですが。

1本だけ買うなら、小型軽量でF2.8で何より10万円以下で買えるTAMRONもまだまだ魅力的。

いや~、Eマウントレンズのラインナップはどのレンズも魅力的で、非常に悩ましいラインナップをそろえてきますね。

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