帯状疱疹が多くなっているのはなぜ | 森の里草

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帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルスといわれるウイルスが原因で発症する病気です。

小さい頃に水ぼうそう(水痘)にかかったことのある方は、すでに水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫を獲得しています。

それと同時に、症状のない今もウイルスは脊髄に近い神経節で実は眠っています。

『私たちがストレスや疲れなどによって免疫力の低下した時に、ウイルスが再び活性化して皮膚の発赤や痛みなどの症状として出現します。年齢を重ねるにつれて水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫力は低下するため、ワクチンを打つことによって低下した免疫力を高めることができます。』

とか言われています。 コロナ禍でストレスが溜まっているからという人もいますが、最も免疫を下げている(抑制している)のはコロナワクチンです。スペインの論文では新型コロナウイルスのワクチンを接種した人のうち10%程度が帯状疱疹の原因となるウイルスが再活性化したという報告がありました。もちろん他のステロイドと免疫抑制剤の影響もあるかもしれません。

 

最近テレビCMで帯状疱疹ワクチンの宣伝が多いですが、

『成人の水ぼうそうと帯状疱疹にかかるリスクを減少させる効果があります。
また、ワクチンを接種することで、帯状疱疹を発症しても症状が軽くなったり、病状期間は短くなったりすることが期待されます。』とありますが、最も大切なのは自分の免疫を低下させないことです。

 

帯状疱疹ワクチンには実は2種類あります。

1回接種ワクチン(弱毒生水痘ワクチン 商品名:「ビケン」)
2回接種ワクチン(サブユニットワクチン 商品名:「シングリックス」)
 

ビケンは生ワクチンといって弱毒化されてはいるものの病原性をわずかに残すため、免疫不全状態の方やステロイドなどの薬を内服中の方は接種していただくことができません。予防効果はビケンは5年程度と言われています。一回の接種で5000~7000円ほどが相場です。組成に「カナマイシン」「エリスロマイシン」という抗生物質が含まれるため、過去にこれらへのアレルギー反応を起こした方や、妊娠している方やその疑いのある方は接種することはできません。

 

シングリックスは『不活化ワクチン』で2回の接種が必要ですが、接種費用は1回21,000円、(2回接種で42,000円)かかります。1回目と2回目の接種間隔は2ヶ月で、遅くとも6ヶ月以内に接種する必要があります。シングリックスの効果は9年以上持続すると報告されていますが、ビケンに比べて注射部位の痛み・発赤・腫れや、全身の筋肉痛・倦怠感などの副反応が多く出ます。

 

明らかに免疫機能に異常のある疾患を有する、および免疫力抑制をきたす治療を受けている方はワクチンは接種できません。

 

帯状疱疹の症状は、最初はズキンとした痛みやヒリヒリした痛み、チクチクした痛みを感じます。かゆみを伴う場合もあります。
放っておくと痛みが後遺症として残り、帯状疱疹後神経痛(PHN)長いケースだと半年や1年以上続くことがありますので早めの治療が大切です。
重症化した場合にはウイルスが脳まで広がり、まれにウイルス性の髄膜炎や脳炎を引き起こすこともあります。

 

ワクチンを接種することで、帯状疱疹を発症しても症状が軽くなることがありますが、放置すると帯状疱疹後神経痛(PHN)で苦労することになるかもしれません。

なお、帯状疱疹ワクチンでは単純ヘルペスや性器ヘルペスを予防することはできません。

 


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