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第1章 戦国時代編
第4話 日ノ本到着 ④
儂の名は、大城賢雄だ・・・・以前は、日ノ本に西南にある島々からなる『琉球王国』の武官であり琉球髄一の豪傑と謳われ、儂の兄貴分である内間金丸と言う、新たな琉球王国の初代王なった男に、王朝転覆の時に、『青い彼岸花』の毒薬を盛られて暗殺されたが、予想外に『鬼』になってしまったのである
いま現在、大陸の国・明帝国で、その国軍の1つ『錦衣衛』の部隊長、儂と同じ『鬼の始祖』・劉月譚と戦っている
そろそろ、『鬼滅の刃』の登場人物・『鬼舞辻無惨』を登場させろと、“天の声”が聞こえて来るが、もう少し待って欲しい・・・・
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儂が、本気を見せた劉月譚の“闘鬼法・複首万里赫龍”を喰らい、もう死ぬのかと思ったが、土壇場に、両腕から“琉球の護り聖獣『シーサー』の閃光”が現れ
“その拳”で“万里赫龍”の複数の頭を次々に撃ち落としていき、それに派生した“大爆発”によって
劉月譚は、儂を滅殺したのだと勘違いしたのだろう、儂がまだ生きていた事に、驚きを隠せなかった
「「そんな馬鹿な!!!!この闘鬼法で、貴様と同じ強さを持った“2体の『鬼の始祖』”を倒したのだぞ!!!」」
と、儂を睨み歯軋りしながら、ほざいていた
「こうなったら、『鬼神将』を倒すために編み出した“闘鬼法”を使うしかない」
と、言った途端、深呼吸しながら『日輪刀』の槍の刃先を地面に叩き付け
「「阿吽!!!闘鬼法・崋山炸裂赫刃」」
“赤き溶岩で出来た巨大な山脈の形をした衝撃波”が、劉月譚を中心に、まるで水面に水滴が落ちると円が複数出来るが如く拡がってきた
儂の残りの肉人形が、その衝撃波に当たり次々に消滅していった
本体である儂は、身体中に『シーサー』の胴体、両腕には2つ『シーサー』の頭の閃光を纏いながら
「「覇ァーーーーー」」
と、雄たけびをあげながら、“牙を剥いた『シーサー』の拳”を連撃し、迫りくる“衝撃波”をぶち破りながら、衝撃波の中心にいる劉月譚に向かっていった
「「な、何だと~~~」」
と、劉月譚が叫んだと同時に、儂はその懐に入り、腰に力を入れ『シーサー』の拳を振り上げた
「「なにくそーーーー」」
と、劉月譚、全身に“溶岩の閃光”を纏い『日輪刀』の槍を盾に、儂の拳を受け止めたが、わしの拳が強力だったのか、“溶岩の閃光”を纏った『日輪刀』の槍の柄が折れ
「が・・がはっ・・・・」
ついでに、劉月譚と上半身と下半身まで分かれてしまい、上半身の方は“空中”に舞い上がった
「「そ、そんな馬鹿な!!!!夏居数の奴、一体どうしたら急激に強くなるんだ!!!!」」
と、“空中”に飛ばされた、上半身だけの劉月譚が驚愕したと同時に
「「これで、倒すしかない!!!!」」
と、叫びながら、折れた『日輪刀』の槍を“天”に向けて振り上げ
「「阿吽!!!闘気法・泰山天曝流岩弾」」
と、最大限の力を振り絞ると
上空に浮かぶ、劉月譚を包むように、”中華の聖山と言われる『泰山』の模った閃光”が出現、その泰山の山肌から大量の”溶岩石の衝撃波”が広範囲に撒かれ、儂に向かって強襲してきた
儂は、『シーサー』を纏った身体で、劉月譚に向かって跳躍し、強襲する“溶岩石の衝撃波”を“拳”と”蹴り”で次々に叩き潰しながら近づき、”泰山の閃光”で囲まれている劉月譚の側までに着くと、『シーサー』の頭の拳を構え、腰にめい一杯と力を溜め込み
「「咆えろ!!!シーサー!!!!」」
拳の『シーサー』の口から”咆哮の衝撃波”を撃ち、あの”闘鬼法・赤壁関”より遥かに硬い”泰山の閃光”をぶち破り
もう片方の拳で、”泰山の閃光”を失った劉月譚の首を掴み、”ほのかに輝く閃光”を浴びせ“麻痺”させ一緒に着地した
そして、地に転がっていた“下半身”の近くに、“上半身”の劉月譚を置いた
「な、何故、私を滅殺しようとしない」
と、悔しさの滲んだ表情で呟いてきた・・・まあ、直ぐにでも劉月譚が持っていた『日輪刀』で首を斬れば滅殺出来るが
儂は、まだ聞きたいことがあったので
「『鬼』について、色んな事を聞きたいのでな」
と、言うと
劉月譚、唖然とした後、ふっと笑い出し
「なるほどな・・・私の負けだ、良いだろう、まず何処から聞きたい?」
と、聞かれたが
儂は、“誰の鬼”やら“鬼の始祖”やら・・・そして、『鬼神将』事など色んな事を聞きたかったが、つい頭がこんがらがって
「じゃ~~劉月譚・・・あんたが『鬼』になった経緯を教えてくれないか?」
と、的外れな質問をしてしまった
儂の質問を聞いた劉月譚、眼を丸くさせながら
「この私の経歴を聞いて何になるんだ?」
と、質問を返されたので
儂は、気恥ずかしくなり
「強いあんたの事を知ったら、もっと強くなる方法が分かるだろ」
と、訳の分からない事を言って、何処から聞いたらいいのか分からない事を隠して誤魔化した
そんな儂を観た劉月譚、笑みを浮かべながら
「まあ・・・そういう事にするよ」
と、言った後、何かを思い出した遠い目で、自分が『鬼』になった経緯を話してくれた
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時は、明帝国が建立する直前の合戦の時、初代皇帝・洪武帝こと朱元璋を危機から救う為に“殿”を務め、敵軍と交戦していた
何とか、朱元璋を危機から救う事が出来たが、大量の敵軍を相手に、自分の部下たちは次々に討たれ、最後には、劉月譚、ただ一人で“大量の敵”を討ってきた
だが、多勢に無勢・・・流石の劉月譚も精魂尽き果て、敵軍に討たれる直前に
『よくぞ、1人で大量の敵を討ったな・・・ここで死なすのは惜しい』
と、謎の声が聞こえたかと思ったら、一瞬で、周りの敵全てが討たれていた
全滅した敵軍を観た、劉月譚、驚きを隠せず、謎の声の主・“『方天戟』を持った、全身黒ずくめの巨躯の男”に
「貴方が、ここの敵軍全員を討ってくれたのですか・・・感謝いたします」
と、掌と拳を合わせて謝辞を述べようとした時、その“黒ずくめの男”に顎を掴まれ
“竹筒”を口に無理やり入れられ、“苦く”妙な液体を呑まされた・・・その直後、身体が燃えるような痛みを感じたと思ってたら気を失い、気づいた時には、夜の民家の軒先で寝かされていた
そして、上体を起こし辺りを見渡すと、そこには“黒ずくめの男”が立っていて、その横には、家族らしき、男・女・子供の3人が蹲って震えていた
『腹が減っただろ・・・この3人の家族を喰えばよい』
と、言った途端、いつの間にかその“家族”を食い散らかしていた
『我の名は、“鬼神将・貔貅”・・・お前の強さを認め“青い彼岸花”を呑ませ”鬼“にしたのだ・・・もっと強くなり、我を倒して見せろ』
と、一方的に事付けをした後、瞬時の消えて行った
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儂は、劉月譚が『鬼』になった途端に、ある家族を躊躇なく喰った処は引いてしまったが・・・それ以外は、神妙になりながら聞いていた
「その貔貅って言う『鬼神将』って何者なんだ?」
と、問い質したら
「さあな・・・良くわからないが、その貔貅って『鬼神将』は、強さを認められたら『青い彼岸花』で『鬼』にしていき・・・そして、強くなった『鬼』にした者に、対戦を申し込んでくるのだろう」
と、答えてくれた
「たしか、あんたの経緯に『方天戟』って言う槍の事言ってたな・・・あの貔貅って言う『鬼』の正体ってまさか・・・」
と、儂は、“あの英雄”の事を思い出し推測したが
「あ~~多分・・・あの“三国時代の英雄”かも知れないな・・・そいつも“どうやって”『鬼』になったかは不明だがな」
と、劉月譚も、儂と同じ意見だった
その後、劉月譚は、神妙な表情で
『鬼の始祖』は、自分の血液を、人に与えると『鬼』にすることが出来て、その鬼の思考や居場所を読み取る事が出来る事
これは、自身が2体の『鬼の始祖』を食べて分かった事だが、他の『鬼の始祖』を食べると、強大な力を得て、ある程度の日中の活動も出来るようになる事も教えてくれた
「それでは、人肉の他に“穀物や野菜などの食べ物”も食べれるようになるのか?」
と、淡い期待を寄せて聞いてみたが
劉月譚、残念そうな表情で
「それは、無理だったな・・・まあ~~人肉を食べたい欲求は減った気がするがな」
と、答えてくれ、儂は“がっかり”と肩を落とした
「夏居数よ、もうすぐ日が明ける・・・早く私を食せ」
と、言って来たので
「あんたを食すつもりはない・・・あんたこそ、早く“下半身”と結合して撤退したらどうなんだ」
と、言い返したら
劉月譚、急に笑い出し
「ガハハハ・・・出来たら“そうしている”・・・・いくら頑張っても“再生”しないのだよ・・・もう、精魂尽き果てた」
と、次は真剣な顔になって
「貴様の様な強い『鬼』と対戦して本当に良かった・・・感謝している、だが、このまま日を浴びて“野垂れ死”はしたくない・・・頼む!!!私を食べて、貴様の血と肉として“生かせてくれ”」
と、眼に涙を浮かべ懇願された
その懇願に、儂も“劉月譚”の立場なら、同じことをするだろうと思い
「分かった・・・そうしよう」
と、頷き、儂は、その劉月譚の懇願に従い、その『鬼の始祖の肉』を食したのであった
この後、大陸の沿岸部に行き、集落を襲っていた“倭寇”を捕まえ、その“倭寇”を使って、日ノ本へと向かった
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そして今、日ノ本の博多港に着き
「間違って大陸に行ってしまったが・・・日ノ本には、一体何があるのだろうか・・・各地巡って愉しもうぞ」
と、儂は、胸を躍らせながら、内陸の方へと足を運んで行ったのであった
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