インフルエンザとコロナにより、厳しい冬になるイギリス

昨日のブログではポンド安により株式市場も世間も政府も大混乱だと書きましたが、今朝もまたトップ記事はポンド安問題でした。

減税対策を23日のミニ予算で発表したとき、家を購入する際のスタンプ デューティー(印紙税・不動産税)を今までは最初の£250,000 (約3,850万円)まで無税だったのを£450,000(約6,900万円)までに引き上げました。そこで20万人ほどの購入者が恩恵を受けるはずだったのが、ポンドの急落により毎月支払うローンの額がここ数日で急激に値上がりしてしまい、結局少しも楽にはならないという結果になってしまったそうです。おまけに国際通貨基金からはお叱りを受けてしまう始末。

そんな中、今朝のBBCでは「インフルエンザとコロナにより、厳しい冬になる可能性のイギリス」という見出しの記事がありました。これ以上厳しくなるなんて、次から次へと我慢大会か何か?と思ってしまいます。

その記事によると、すでに冬を迎えた南半球の状況から判断・予測し、今年の冬はインフルエンザの到来が早くスケールも大きいとか。主な原因はパンデミック中に人との交流がなかったためインフルエンザが流行しなかったので免疫がなくなっていること、それに輪をかけコロナが収まり人々が再び交流することになったためインフルエンザ菌も繁殖しやすくなることだそうです。

しかも続きがまだあり、コロナもまた秋になりじわじわと増えてきたとか。

そうなると「今年の冬は初めてのツインデミックの影響を見ることになるかもしれない」とNHSの予防接種担当ダイレクターのスティーブ ラッセル氏が述べていました。ツインデミックとはツイン(双子、2組)という言葉からも想像できますが、コロナとインフルエンザの両方が同時に流行するという意味で、ピンデミックと同様の造語でした(ピンデミックという言葉を聞いたことがない方は過去のブログをお読みください:ピンデミック)。

今年の冬に大流行すると予想されているインフルエンザの種類はH3N2で、それはイギリスでも2017〜18年にかけて流行し、イングランドとウェールズだけでも22,000人の方が亡くなったと言われています。

このインフルエンザには予防注射が効くそうなので、ラッセル氏は早めの接種を呼びかけています。

その予防接種ですが、イギリスではNHSが約3,300万人に無料で提供することにしています。また約2,600万人はコロナ ブースターの4回目を無料で受けることができます。今回のワクチンはオリジナルとオミクロンの両方に対応しているそうです。そしてこのコロナとインフルエンザのワクチンは同時(右腕と左腕)に受けることも可能だそうです。

対象者は以下の「病気のリスクが高い人」になります。

  • 50歳以上のすべての人
  • 妊婦さん
  • 特定の基礎疾患を持っている人
  • 介護施設居住者
  • 第一線で働く医療・社会福祉従事者

また一方、すべての小学生と一部の中学生、および2〜3歳の幼児も無料で鼻腔スプレー式のインフルエンザのワクチンを接種することができます。パンデミックが2年以上続いたため、ほとんどの幼児はインフルエンザにかかっていません。つまりウイルスに対する自然な免疫ができていないため、今年は特に彼らには予防接種が重要であると専門家が述べていました。

日本はまだ冷房が必要なくらい蒸し暑い日もあり、長い夏がまだ終わっていませんが、イギリスはここ最近めっきり寒くなり、暖房を入れ始めた家庭もあるようです。光熱費がいくら値上がりしようと、寒い時は暖房を入れて暖まり、予防接種も受け、この厳しい冬を乗り越えれば明るい春が到来するでしょうか。

作成日:9月28日

参考先URL:https://www.bbc.co.uk/news/health-63045190https://www.bbc.co.uk/news/business-62920969https://www.bbc.co.uk/news/business-63051702

アイキャッチ画像:Photo by Robert Bye on Unsplash

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