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岡本太郎をも魅了した、長野県の諏訪大社近くに鎮座する万治の石仏

石仏。臼杵磨崖仏、アジャンター石窟、エローラ石窟、中国の雲岡石窟、龍門石窟…。

石に彫られた石仏は人々の信仰の対象として、日本はもちろん古今東西、様々な場面で作られ続けてきました。

それは様々なバリエーションに富んでいて、なかには一見変わっておもしろい外観を呈しているものもあり、一種の珍スポットと思われるところがあります。

そこで今回はそんな石仏の1つとして、長野県諏訪大社に鎮座する小顔で巨体な万治の石仏について紹介します。

諏訪大社って言うと、大勢の人が大木を担いで移動する御柱祭が有名だよね。

諏訪大社には御柱の奇祭以外にも、一見変わっておもしろい石仏があるの。今回はそれを紹介するそうよ。

目次

諏訪大社 下社春宮

今回紹介する珍スポットは、長野県南部諏訪市の諏訪大社近くにあります。

筆者の自宅のある浜松と長野の間に地図上では直線状の国道が存在しておりますが、この道は俗に”酷道152号”と言われるほど道の状態が悪く、片側一車線も多くて、何回か道が寸断されているため迂回をしなければならないという状況です。

そこで今回そのようなルートは避けることとし、オートバイで浜松を出発、東名高速道路から清水JCTで中部縦断自動車道に乗り換えて山梨県を経由し、最後は中央自動車道で目的地の諏訪大社へ着きました。

ひとえに諏訪大社といっても、諏訪湖周辺には4つの境内があります。

南東部の上社前宮と上社本宮、北西部の下社春宮と下社秋宮で、今回の珍スポットはそのうちの下社春宮の近くに存在しています

せっかくなので、万治の石仏を見る前に諏訪大社の4つの境内すべてに行ってみました。

全国25,000社存在する諏訪神社の総本社ということで、鳥居や本堂は荘厳な外観を呈していました。

日本最古の神社のうちの一つに数えられるということです。

境内地は静かな森林に囲われた場所に位置しているため、喧騒な日常からは隔絶された神秘的な雰囲気の中にあるようです。

4つのすべての境内において、四隅に御柱祭で建てられた御神木があり、初めて見たときはその外観と巨大さに度肝を抜かれました。

御神木の大きさは、木によって異なりますが、おおよそ長さ約17メートル、直径1メートル余り、重さ約10トンということです。

起源を平安時代以前までに遡れるとされる御柱祭は、7年に1度開催される天下の奇祭。

お祭りの際は諏訪の各地の氏子が御神木を曳行して各境内の四隅に建てるそうです。

CHECK

御柱祭などの伝統ある諏訪大社の4つの境内のうち、石仏があるのは諏訪湖北西の下社春宮。

せっかくなので、万治の石仏と併せて参詣してみるのもよい。

万治の石仏を見る前に、ぜひ諏訪大社を参詣して御神木も見ないとなあ

万治の石仏

さて、そんな諏訪大社下社春宮のすぐ近くにあるとされるのが、珍スポット・万治の石仏

案内図において、下社春宮のすぐ左上にあるのがわかります。

距離は春宮から徒歩で300m、参詣を終えてから目的地へ向かうと、なにやら大きな物体が見えてきました。

∑(๑ºдº๑)!!

なにやら奥の方に巨大な石があるようですが、その石には人の姿形が彫られていて、上にはまた人の顔をした別の石がのっています。

この巨大な岩々こそ、今回の珍スポット、万治の石仏になります。

巨大な身体の石と小さな顔の石がなんともアンバランスでユーモラスも雰囲気があり、一度見たら忘れられない独特な外観を呈しています

高さ2.6m、幅3.8m、奥行き3.7mと、一人の人間の大きさよりもはるかに巨大です。

毎度のこと、いろいろな角度から眺めようとして、まずは横から見てみます。

正面から見たときはわからなかったですが、石仏は後ろにもかなり体の比重があることがわかりますね。

また彫られている体も、横からだと石から少し浮かび上がって見えているようです。

続いて後ろ。こちらも正面や横から見たときはわかりませんでしたが、背中が平面になっていて、欠けた断面のようになっています。

少し見えづらくなっていますが、石仏ということもあり、隅のほうに南無阿弥陀仏というお経が彫られていました。

ただの好奇な目で見るだけのものではなく、れっきとした信仰の対象であることがわかります。

信仰の対象ということで、すぐ近くにはお参りの仕方も貼ってありました。

正面で一礼してから手を合わせて「よろずおさまりますように」と念じて、願い事を唱えながら石仏の周りを時計回りに三周し、正面に戻り「よろずおさまりました」と唱えて一礼するそうです。

近くの観光客で早速実践している人もいました。

近くの立札によると、この万治の石仏は江戸時代の1660年に建立されました。

諏訪高島藩高島が石の鳥居を諏訪大社に寄進するため、石工が請け負ってこの地にあった大きな石にノミをいれたところ、石から血が流れだしたということ。

驚いた石工は鳥居を作ることをやめ、石に阿弥陀如来仏を刻み建立したということです。

「万(よろず)のことが治まる」ということで「万治」を「ばんじ」と読み、願いを聞いてくれるありがたい石として、人々の信仰を集めているそうです

CHECK

万治の大仏は、諏訪大社下社春宮の近くにあり、江戸時代に建立されて信仰を集めてきた。

小さな顔に巨大な体と、アンバランスかつユーモラスな外観と呈している。

鑑賞するだけでなく、お参りも忘れないようにね

岡本太郎との関係

先ほどの説明板にもありましたが、太陽の塔でも有名な日本を代表する大芸術家の岡本太郎も、この万治の石仏を愛してやまず、なんども下諏訪の地を訪れたそうです。

岡本太郎は石仏と対面したとき、「世界中歩いているが、こんなに面白いものは見たことがない」と絶賛したそうです。

近くには岡本太郎揮毫の「万治の石仏」の石碑も立っていました。

万治の石仏の独特な外観は、偉大な芸術家にインスピレーションを与えてしまうほどの影響力もあるようです。

CHECK

万治の石仏は、大芸術家の岡本太郎が何度も訪れてしまうほどの魅力をもっている。

まとめ

今回紹介する珍スポットは、諏訪大社に近いということもあり、割と一般的な観光地に近いとも言えるかもしれません。

珍スポット好きでなくても、人の好みが分かれるような癖はなく、きっとみんなが楽しめるところだと思います。

またせっかくなので諏訪大社を初めとして、近くの諏訪の観光地と併せて行くのもオススメです。

独特な外観をした石仏から感じるロマン、興味がある方はぜひ万治の石仏へ!

まとめ
  • 万治の石仏があるのは、4つの境内をもつ諏訪大社のうち下社春宮にある。
  • 小さな石の顔に巨大な石の身体で、その外観はアンバランスかつユーモラス
  • 大芸術家の岡本太郎もその外観に感動し、何度も見物に訪れた。

訪問日:2021月5月1日

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