大奥3話 感想 お二人の演技は素晴らしかった!けど原作の大事なエピソードが・・家光・有功編

この家光・有功編の一番肝となる場面は、
有功(福士蒼汰)が、自分の着ていた女物の着物を家光(堀田真由)に羽織らせる所だと思うのね

その前後の流れも入れて
『二人の恋が始まった』っていう点で見たら、
原作よりドラマの方がより腑に落ちる感じで納得できた

原作でのこのシーンは、ドラマと違って、
家光は、女装させた男たちの踊りを見ながら
ただ「あっははははははっ」と狂ったように笑ってるのよ

そしてそれを聞いている有功は、
『なんという悲しい声や』
『私が救わなければならないお方は、ずっと目の前におられたんや、私の目の前で、こないに私にすがって、もがき苦しんではる方がたった一人おられるやないか』と気づいて

家光の前に跪いて、
「ほら、上様の方が私よりずっとお似合いですよ」
と自分の打掛を脱いで家光に羽織らせるの

すると家光が子供のように、うわあ~って泣き出して
有功にしがみついて、有功と抱き合うの

素晴らしく高尚だし感動したんだけど、有功が家康にしてるようにあまり感じなかったのよね

でも今回ドラマでは、家光が男たちの踊りを見て囃し立てながら
有功の事を思い返し、泣き笑いになっていたじゃない

もう、あのせつなくも激しい泣き笑いを見てると、こっちももらい泣きで、
家光の人間味と、女性としての悲しみが滲んでて、
そりゃあ有功もこの家光を好きになるわって思った

その後、ドラマでは、原作のように有功の家光への恋に気付く長い独白はなかったけど、
有功が家光を愛しく思う気持ちは十分伝わったし、
原作にあった『私だけの上様』っていう有功の心の声も聞こえる気がしたわ

本当に福士さんも堀田さんも本当に素晴らしい演技だったよね!

ただただね、これだけ感動させてもらったドラマに
こんなことを言うのもあれなんだけど、
原作通りにしてほしかったエピソードもいくつかあったのよ

家光が通りすがりの武士に狼藉された後、子を孕み、生みとうないと抵抗し、でも生んだ我が子は可愛くて、なのに生まれた直後に子供が亡くなってしまうという原作のくだり

そこは家光の心が壊れてしまった一番の原因だし、
家光の笑い泣きの重みにもかかわってくる大事な事柄だと思うんだけど、
無かったことになってたよね

原作のその回想シーンでね
家光が狼藉された時や、子供を亡くした時、春日局が自然に袖でを拭っているのよ
家光が泣きながら訴える相手もいつも春日局でね

家光にとって春日局は、母親を死なせたで、自分に過酷な人生を歩ませた人だけど、
江戸城の中では、唯一甘えられる相手でもあって、愛憎半ばする存在なのよね

だからね、今回のドラマの最後に家光が言った
「春日局を恨んできたのじゃが、今となってはがいいたくなる」
って言う原作にはないセリフは、軽すぎて私的は違うのよ笑

あと、そうだ
原作で二人が出会って間もない頃、
有功が家光に向かって猫の若紫の事を
「可愛らしゅうございましょう」と言ったら、
家光が「可愛らしいから嫌なのじゃ、小さくてあたたかくて赤子のようであろう、娘を思い出す
「十五の時の子よ、生まれてすぐに死んだ」
「ふふん、生娘でのうてがっかりしたか?」
って言う場面があるの

その言葉に対して有功が、
「母が子を失うは、この世で最も深い悲しみの一つでございます
よう耐えてこられました」と答えるの

それを無表情で聞いてる家光なんだけど、
(ドラマの家光は「私は人として何かがけている気がする」
って言ってたけど、原作の家光はその自覚もないほど危うい感じでね)

でもその日以来、家光は有功の部屋に頻繁に訪れる様になるの

ここも省かないで欲しかった
ドラマの有功にも、このセリフを言って欲しかった
きっと福士さんなら慈愛こもったセリフにしてくれたはず

時間的に省かないといけない所が多いのは分かるんだけど、
だとしたら原作にないあの源氏物語のくだり、
いらなかったんじゃ?って思ったり笑

あれ?もしかして来年の大河ドラマ
「光る君」を匂わせてるの?

主演も堀田さんの事務所の先輩の吉高由里子さんだし

堀田さんが出演されるという伏線なの?!

京のお公家様、万里小路有功がよく似合う福士さんの出演もあり得る?!

うん、だったら仕方ないか
・・・・・・とはならないのよ!!笑

お二人共、大河でも見てみたいけどね✨

家光が、有功のことを好きになるきっかけのシーン、ドラマでも見たかったよ