少し前ですが、箱根のポーラ美術館にて
(ロニ・ホーンの作品↑
水とガラスの透明な圧縮された美の世界に言葉を失う‥)
さて。
今日の内容は‥
💡
先日の記事、
《ピアノが上手くなるには? ③ 使用楽器と上達の関係について (1)》
の続き、楽器について第二弾になります😎🎹
●まずは、
アップライトピアノとグランドピアノの差と違いについて
当然グランドピアノでしか出来ない事は多々ありますが、これらはもはや巷では色々と有名な話でもあるので、ここでは僕個人が特に重要だと思う点について軽く触れる程度とします。
(興味のある方はググってみて下さい)
まずは、アフタータッチ。
一般的には、アップライトではこの機能がないため
高次元な意味でのタッチ・特に弱音作りをしようとすると途端に難しくなります。
また、よく知られているように、
アップライトは内部構造が垂直方向へ設計されており、その影響は実はタッチだけでなく、ペダルにも及びます。
(操作性他)
更にグランドピアノと比べると、当然音量の幅(キャパ)の問題もあります。
弱音はもちろん先述の通り、強音もすぐに割れてしまう楽器が多く、楽器としての音量と質の関係・限界を判断する耳(タッチの重さとスピードによる)が育ちにくい‥
『音大を目指すならばグランドピアノが必須』
と言われる所以はこの辺りにあります。
というか、
これがピアノという楽器本来の機能であり、秘められた可能性・パワー&繊細さな訳で‥
断言しますが、これは努力や教育等ではどうにもなりませんね。
(まあ過去の例では、
ダン・タイソンの「紙鍵盤で‥」といったエピソードもあるように、ある段階・期間においては、、、
という可能性を全否定はしません)
また改めて書きますが、
そもそもピアノの音色(タッチ)作りとは、
(すごーく大雑把に説明すると)
(当然、まずは耳と脳ありきで)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
キー(鍵盤)のストロークと発音(後も)の関係に重さとスピード(タイミングと言っても良い)で働きかけること
です。
(打鍵と離鍵両方大切ですが、個人的には圧倒的に打鍵時が大切だと思っている派)
(勿論、その先にはアクション(ハンマーや弦)機能などがあるわけですが、細かい話はまた後日🔥)
(ちなみに、これも勿論耳なんだけどさ、
具体的な響きの“ツボ”を知らずして、つまり何となく弾いていて楽器から良い音が出ることはないのであーる🏺
特にピアノは犬や猫が鍵盤歩いても音が出る楽器なのでね笑😸🐶🎹)
で、重さで弾くと一言で言っても、
体全体の重心やポジション取りに加え、
手(ピアノにおいては、【手】は指先〜肩までを意味します)のどの部位までの重さを使うのか‥
(以下 略)
スピードも同様で、
キーに対してどの程度の位置から加速するのか or しないのか、音の立ち上がりのコントロールなど、、
(‥以下 略part 2 笑)
更には当然、
各関節をバラバラにコントロールし、
(指先〜肩まで沢山の関節があるネ)
どの程度、どこを脱力させ、どこで支えるのか、
打鍵時の角度や指先の面積、
アフタータッチなどの要素‥etc.
が絡んでくると、、、
😎
😎
文字通り、そこには無限の“組み合わせ&可能性”があるわけです✊
(音色というのは、本当に微細な要素で劇的に変わります)
ピアニストはこれら膨大な選択肢の中から、
耳で(予め)音(色・質)を選び、
次々に移り変わる音楽(求められている音楽表現)に合わせて、最も相応しい音色(つまり音楽の情報)を、
上記の組み合わされた複雑な身体動作(で音色を生み出していくこと)を瞬間的に何度も繰り返しているわけです。
どうです?、(色々と分かった上で)なかなか複雑な事をやっておるでしょう?笑笑😏
(これはヘッドホンでの練習云々の話ではなく、
楽器自体のタッチや音色が変わる弊害を伴うケースについての話です)
多くの方はまさか消音機能の付加に原因があるとは気付かず、でも、
「なんかうちのピアノは弾きにくい」
といった形で認識されている方も多いのではないかと予測します。
(そういった楽器に合わせる形で弾いていってしまうことはこれまた、本来のピアノの機能とは違うものを弾くことになります)
(ちなみに、消音機能について、メーカーはタッチや音色の変化については否定するでしょう。
ちなみに僕の場合は、こういう面での追求には結構こだわりがあります。
(例えば、少しでも誤魔化しのないクリアな音響を得たい&音色と細部への探究から、
各蓋を開けた状態(鍵盤前の蓋も)で、
(特に本番前などは)譜面台も外して練習したい派です
(※譜面台を使うにしても、奥に押し込んで微妙な隙間からの音も聴きたい←分かる?笑)
というかそれが本来の音・響きなので‥)
といった具合ですね。
これはほんの一例ですが、
これらによって音が変わり、当然ながら自らに課すタッチや音楽への要求の精度は上がります。
(より耳が開く・働くわけだから(ますます?笑)粗が目立ってしまうしね笑笑)
で、知ってしまったらもう目をつぶれませーん笑笑
こういったことは、取るに足らない些細なことだと思われるかもしれませんが、
僕らは【微妙さ】こそが仕事なので。
‥こういう細部へのこだわりや気付きがないとダメだと思います。
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最後に余談を。
コンクールや発表会で、
① 初めて出会ったどんな楽器でもいつもある程度対応して成果を上げて弾ける子と、
② 楽器が変わると途端に弾けなくなる子
がいますよね。
これは実際には、
①は、楽器に左右されず器用に弾けるように見えても、実は耳がそんなに繊細でないが故にある程度大雑把に弾いてるので影響を受けてないだけのケースもあります。
(この場合は後々、この特性はある面で強みではなくなってしまいます)
一方、
②は、耳が繊細過ぎ(良過ぎ)て逆にコントロールが難しくなっているパターン や 過度に理想のタッチや音質を追い求め過ぎてしまっている(楽器の特徴を無視している)パターン等があります
(勿論、単に力不足の場合もあるが)
繊細で耳が良い子ほど楽器の影響を受け、大きく崩れて無様な結果になる場合もあるでしょう。
しかし、②の子は最終的には(コントロールができたなら)は大変有利・大きな武器となります。
今はまだ、はじめましての楽器へのコンタクトで悩んでいるお子さんと親御さんなどは、この辺りを十分に分かっておいた方が良いでしょう。
大きな才能ほどコントロールは難しいものです。
これは時間がかかったとしても必ず克服できる事ですし、ピアニストは常に新しい楽器に対応するのが永遠の続くわけですからね👍
めげずに頑張って欲しいと思います✊
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