子どもの声は騒音ではない法律制定議論とドイツ模範は浅はかすぎる

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子どもの声は騒音ではない法律制定議論とドイツ模範は浅はかすぎる

青木島遊園問題を機に近年子供の騒音の話題が増えています。法制化の議論までされ始めました。

ドイツが引き合いに出されるなどしていますが、住環境の違いやTPOをわきまえない権力乱用などの懸念もある中で、騒音被害者の私が思う事とやるべきことをここに記録します。

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長野市青木島遊園問題から

そもそもこの「子供の騒音」は以前から問題となっているようで、朝日新聞の2000年の記事から世に出始めたそうですが、最近になってここまで議題が燃え始めたのは長野市青木島遊園問題からのように思います。

当ブログでも取り上げましたが、ここで「子供の居場所を奪ったクレーマー」という名目で騒音被害者がネットリンチを受けた一連の問題です。

【記事】:長野市の公園廃止(青木島遊園地)・騒音苦情問題はあまりにも見苦しい

著名人や地元の一部議員までその被害者の市民に対して攻撃をするなど醜いリンチでした。マスコミも「公園廃止の原因」だの「悪者は~」だのとまあ、すごい有様でしたね。当ブログに載せさせていただいた議員さんのように冷静な目線で考察説明されている方もいたというのが唯一の救いです。

で、この一連の騒動ですが実際の所、「こんなの誰でも苦情言うだろ」という内容です。

拡張器による号令や送り迎えの車、敷地侵入により荒らさせるなど。

ひどい有様です。

しかもこれは、公園の方が後に出来ているという事で住人の方の負担もすごかったでしょう。これを「子供の騒音」と、なぜか一括りに報じ始めましたね。

その結果、詳しい中身を知らない正義を振りかざす人々が「正義を執行(リンチ)」し始めるわけです。まるで「子供の元気な声が騒音とされている」みたいな言い方をし始めましたよね。

あれがおかしいのですよ。

そもそも騒音は「子供の声」ではない

なぜかわかりませんが、法制化の題材は「子どもの声は騒音ではない」という大雑把すぎるものです。

そもそもの話、「子供の声=騒音」ではないのですよ。
「子どもの声は騒音ではない」ではなく、「騒音は子供の声ではない」であると考えます。

何が言いたいかというと、子どもの笑い声、話し声なんていうものは騒音に値しないと考えます。

じゃあ何が騒音なのかというと、「奇声」です。表現しがたいですが、とにかく叫びまくる奇声あれが「騒音」なのです。よく駄々こねて変な叫び声をあげたり、親の方がバカなことやってそれに便乗する形で子供の叫び声が聞こえたりしますが、それが騒音なのです。

ここから分かることが一つあります。

「奇声」というのは子供だけが上げるものではないということです。

親もそうですし親が助長することもありますが、それだけではないです。「親と子」にとどまる話ではないという事です。

中高生・いい年したあんちゃん・酔っ払い・怒号を上げる年寄り

これらも「奇声」は騒音です。

だからそもそもの話「子どもの声は騒音ではない」という、まるで「子供の声が騒音とされている」みたいな言い方をしていますが、そうではない

誰も子供の話し声や笑い声を騒音としているわけではない「奇声」なんですよ。「奇声」が騒音なのです。「奇声」に大人も子供もない。

この「子どもの声は騒音ではない」法制化は見当違いなんです。そしてそんな安易な法制化で被る被害も計り知れない

TPOを無視した権力乱用の懸念

この法制化がなされた場合に被るデメリットは裁判官からも意見が出されています

『「子どもの声は騒音ではない」法制化を手放しで喜べない訳ーー「公園での遊び声」「道路族」に悩まされる人もいる』
https://news.yahoo.co.jp/articles/fb345bb5c191ef60268ab2949e8083daee044439?page=3

つまるところ、「子供の声なら何でも許される」状態になるので、時・場所・場合(TPO)関係なく規制も注意もできなくなってしまうというわけです。

映画館に限った話ではないという事ですね。図書館でも葬式でも、真夜中でもどれだけ騒いでもいいという事になります。注意もできません。注意すれば親が権力乱用で対抗してくることになるでしょう。

ここから豊かな生活が生まれるとは思いませんよね。逆にいがみ合う人々が増える未来しか見えません。精神を病んでしまう人も増えるかもしれません。

しかも子供を叱れないということは、しつけができない、その先に待っているものは常識も規則もわからない守らない大人になる未来だけです。そんなんでいいんですかね。

というようなことを言っていると、いつも引き合いに出されるのが「ドイツ」なんですよね。

謎のドイツブームとその現実

ドイツを引き合いに出す者たち

なぜか「騒音問題=ドイツ」という発想になってしまう人たち。

SNSで多く出回っているのはおそらくこれだと思います。↓

『lovely+lovely [WBS] 子どもの声は「騒音」か?ドイツの「驚きの解決策」とは?』
https://lovely-lovely.net/business/nursery-school-2/#:~:text=%E5%AE%9F%E3%81%AF%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%BE%8B%E3%81%A7%E3%81%AF,%E8%A8%B4%E8%A8%9F%E3%81%8C%E7%9B%B8%E6%AC%A1%E3%81%8E%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E3%80%82

ここから「ドイツは子供の声に寛容な国」「ドイツを見習え」という人たちが出現したものと思われます。

終いには「日本は世界に遅れている」みたいに書かれていることもしばしばあります。私はそれを見る度に「世界196か国ある中でドイツだけを引き合いに出して日本が遅れてるってなんだよw」と思ってますが、近年ヨーロッパにあこがれる人たち(欧米信者)が増えているので、このドイツ事情も安易にそれに乗っかっている話題なんだろうなぁと思います。

ただし、このドイツ事情。ちゃんとその現実を見ている人たちはどのくらいいるのでしょうか。

ドイツもすべてが許されるわけではない&子供の声に寛容なわけではない

まず、これを見てください↓

『GLOBE+ 長野市の公園廃止問題、子供の声は「騒音」なのか?訴訟が相次いだドイツがとった道は』
https://globe.asahi.com/article/14796635

元々ドイツは音に敏感な国であり、騒音の苦情・訴訟が多かったために法制化されたという事情です。

つまり、「ドイツ人が子供の声に寛容」というのは全くのデタラメなわけです。むしろ逆だったんですよ。騒音の「苦情」ではなく「訴訟」ですよ。訴訟が多すぎたから法制化された。日本の場合は公園でしたが、ドイツの場合は保育園まで閉鎖されていたというのですから。

「ドイツ人が寛容」というのは欧米信者の妄説であり、メディアの印象操作です。または日本卑下かな?

そして法整備がされた後も結局のところ苦情や訴訟は絶えていません

法整備によって子供側の勝訴が多くなったというわけで、「ドイツ人が子供の声に寛容になった」わけでもありません

しかも先ほどの記事の通り、

2021年ベルリン地方裁判所は、午後10時以降に子供たちが頻繁に大声でけんかをし、故意に音を立ててドアを閉める行為が続いたとして、そして再三の注意を受けたにもかかわらず態度が改善されなかったとして家族に借り家からの退去を命じた。

『GLOBE+ 長野市の公園廃止問題、子供の声は「騒音」なのか?訴訟が相次いだドイツがとった道は』
https://globe.asahi.com/article/14796635

集合住宅のマンションの自室で子供が夜中に縄跳びをしたり、マンションの共用部分である廊下でキックスケートや自転車で走り回ったりしたとして、家族が住人に訴えられていたケースでは、ミュンヘンの簡易裁判所がこの家族に対して「騒音の禁止」を言い渡すとともに、「次に集合住宅のRuhezeit(休息時間)である午後8時~午前7時、正午~午後2時に騒音を起こした場合、罰金刑を下す」と通知

『GLOBE+ 長野市の公園廃止問題、子供の声は「騒音」なのか?訴訟が相次いだドイツがとった道は』
https://globe.asahi.com/article/14796635

以上の罰則が言い渡されている事例もあるので、「子供の騒音のすべてが許される」というわけでもありません

一旦冷静になってほしいものですが、欧米信仰は中々ぬぐえそうにないですね。

そいうわけでもう一つドイツの模範を考え直すための要素を見ていきましょう。

ドイツと日本の住宅建築事情の違い

日本の悪い癖。それは「形から入る」という点です。
法整備だけ先にしてしまって、それに伴う多くの補償や対策を後回しにしてしまいます。

今回の子供の声騒音問題で、ドイツさんと日本の違いには「住宅建築」の構造の差があるんです。

こちらの記事をご覧ください。↓

『カナデルーム 防音先進国ドイツの防音対策とは?』
https://www.kanaderoom.jp/mag/germany_altbau_soundproof/

寒冷なドイツの気候に合わせて、古くから断熱対策がされてきたと書かれています。断熱はつまり防音にもつながります

伝統的な建築石造り・レンガ造りの壁の厚い「アルトバウ」という作り。これが必然的に防音にもつながります。加えて、ドイツでは二重サッシ(二重窓)は当たり前で、この記事によると三重サッシ(三重窓)の時代が来ているとも書かれています。二重サッシでは日本でメジャーな防音方法ですが三重サッシとはとんでもないですね。

 

では日本の住宅建築はどうでしょう。

あのぺらっぺらの木の壁大きな一重のうっすい窓隙間風が入るほどの通気性重視の住宅高度経済成長期に立てられた防音も断熱も捨てられた量産型の家

『週プレNEWS なぜ日本の家の「断熱性能基準」は世界最低レベルなのか?』
https://wpb.shueisha.co.jp/news/society/2023/01/31/118382/

この断熱性能の低さが必然的に防音性能低下にもつながっているというわけです。

ドイツと日本は、住宅事情が全く違うのです。

逆に考えたら、あんなに防音性能がいいドイツが騒音問題で苦情訴訟を繰り返しているのですから、「何が寛容だよ」という話にもなります。

とにかく、「子供の声何でもOK」なんていう法整備をする前に、居住環境を整えることから始めないと崩壊しますよという事です。

だからと言って、防音したくても自費でできていない現状ということは、国や行政がちゃんと補償をして整備していかないとだめだという事なのです。

自宅で被る騒音が一番つらい

こうやって見ていくと、騒音といってもどこの騒音が一番苦情に値するかというのがなんとなくわかります。

「住宅」「自宅」です。

つまり衣食住、睡眠、休養の場所プライベート空間が一番重要で、このプライベート空間を侵されるというのが一番ストレスなわけです。

騒音を想像して一番思い浮かぶ情景って何ですか?

きっと騒音に悩む多くの方々が想像するのは、「家」で被る騒音だと思います。

確かに先ほど出した映画館だったり図書館だったり、あとは電車の中とかお店の中とか、色々とありますが、でも一番「騒音」として「被害」を受ける場所って言うのは「自宅」ではないでしょうか。

外にいても「うるさいなぁ」で終わることが多いと思います。でも家の中では「もう耐えられない」レベルまで行くわけです。

プライベート空間、生活空間。これを侵す騒音が一番きつい。

だからこそ、家(一戸建て・アパートマンション)の防音を整備することが一番重要なのです。

保育園による壁の設置住人側の我儘のように言っているメディアがありますが、私は「何か悪いことがあるのか?」と思うんですよね。できる限りの防音設備を設置することは最善策ではないにしても何もしないよりはマシでしょう。なぜ住人を悪者みたいに扱うのか。

また子供の声を騒音に感じる年齢性別を統計しているメディアもありますが、そんなこと調べても意味ないんだよ。騒音被害に遭っている人というのが騒音源に隣接している住宅の住人なわけで、その人がどんな年齢であろうとどんな性別であろうと騒音は騒音なのです。

意味のない報道、偏見報道で住生活を軽視するマスコミも大概です。

住環境が侵される苦しみもわからないくせに。と思ってしまいますね。

日本がすべきこと

今から日本がすべきこと、または法制化するならすべきことをまとめます。

国や行政による住宅の防音性強化&補償

まず、住宅の防音性強化とその設備設置・リフォームの補償です。

国や行政を挙げてやるべきです。

もはや子供の声とか関係なしにしても、インフラも開発され、工場も建てられ続ける今、騒音問題は深刻です。加えて省エネについても断熱性を高めることも求められています。

断熱と防音。これをしっかり補償して整備していかないと、住環境のレベルは上がりません。

法制化するなら、TPOごとに細かく限定すべき

もし法制化する動きなら、「子供の声ならいつでもどこでもどんな時でもOK」なんてことにはせず、映画館や図書館他静寂を保つ必要のある施設を洗い出し、そこで騒いではいけないという法律を加える必要があります

法制化とはそういうものでしょう。細かく決めないと穴をすり抜ける姑息な人々が出現しますからね。

法制化するなら、あくまで「声」までに留めるべきでそれを周知すべき

TPOに加えて法制化するのであればあくまで「声」にまででとどめておくべきで、例えばボール遊びなどの物音、振動などはこの法制化のうちに入れてはいけません。そしてそういった部類は別であるという事をしっかり周知しなければいけません。

「子供の発する音」すべてを保護するのではなく「子供の声」に留めるべきです。

マンションの上階でボールつきなんてされたらたまったもんじゃないでしょう。道路族もまたしかり。

被害者への誹謗中傷を罰則強化

これは今直ぐに必要です。

SNSがここまで発達してしまった今、簡単に誹謗中傷ができます。匿名で何回でもどれだけ醜い言葉をぶつけても、何も報いのない現状。これは一般人に限ったことではないですよ。

著名人・政治家・マスコミ・メディアすべての人間に適応させるべきです。

特にメディアマスコミに対してはその偏見報道、苦情側が加害者のように悪人として仕立て上げる報道被害者の苦情や訴えを「悪者扱い」するなということです。
さらに著名人政治家はツイッターランドでの拡散が著しい。正義面でしょうが、自分を正義と思って誰かを一方的に攻撃する人ほど質の悪い存在はない。それに便乗する一般人

この悪循環を止めるためには法制化が必要です。

騒音被害者の苦情や行動に対する誹謗中傷の罰則強化

何でもかんでも法制化

私思ったのですが、LGBTにしてもこの子供の声にしても、まるで欧米諸国の法律を、何も考えずにテキトーに模範してやってる感を出しているだけのようにしか見えないのですよね。

その法制化って必要ですか?

その法制化によって良いことはあるのでしょうけど、悪いことも絶対にあるはずですよね。法制化によって生じるデメリットはどんなものがありますか?
もしデメリットがわかっているならそれをどうやって埋めますか?また追加で法制化するしかないですよね?もしかして法制化にも税金かけてますか?

デメリットも顧みずに法制化を簡単に掲げる人たち。もう少しちゃんと考えてほしいです。

あとそれに賛同する人たち。もう少しちゃんと調べて現実を見てほしいです。

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