私の頭上には、鬱の壁が薄い膜のように横たわっている。
ポジティブを空、ネガティブを海と見立てると、
人は通常、空と海を行ったり来たりしながら、
おおよそは海面、ニュートラルを浮遊している。
ネガティブのもう一段下にあるのが、
鬱状態である。
深海とでも例えようか。
このネガティブと鬱との境が、鬱の壁である。
抗鬱剤のおかげで、
18年間強制的に疑似ポジティブ状態に置かれていた私は、
抗鬱剤の影響が薄れると共に、どんどん海中へと沈下していき、
ついにネガティブを踏み抜いて、鬱状態にまで達してしまった。
断薬時期とコロナが重なってしまったことも、
それを加速させたのだろう。
パニック障害の発症直前に経験した、
底なしの鬱状態に引き戻された感がある。
通常のネガティブからは、ちょっとしたきっかけで、
ニュートラルへ、ポジティブへと浮かび上がることが可能であるが、
鬱からそれより上へと浮上するには、この鬱の壁を破らなければならない。
これまで幾度となく鬱の壁を越えて浮上したと思っていたが、
それは抗鬱剤による強制的浮上であった。
この鬱は、心身に執拗にまとわりつき、
私を海底の泥の中へと引きずり込み、
闇の中へ閉じ込めようとしているかのように感じられる。
重い体・・・重い心・・・
それをなんとか引きずり上げながら、
這う這うの体で日々の暮らしを送っている。
今こそ私はこの鬱の壁を越えられるかどうかを真に試されていると感じる。
この歌を聞いて、がんばろう・・・