『おもかげ』中村雅俊 主演ドラマ/ネタバレ・あらすじ・キャスト・人物相関図

ドラマ
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おもかげ 主演:中村雅俊 キャスト・あらすじ・人物相関図

BSプレミア/BS4K 2023年5月20日(土) 夜8:00~9:59

原作の浅田次郎先生と物語の主人公・竹脇正一と主演の中村雅俊さん、3人とも昭和26年生まれ。
浅田次郎先生がコメントで「語り合わずともたがいの人生は理解できる」とおっしゃっています。
同じ時代を生きるという意味が、この短い言葉に凝縮されている気がします。
私自身、昭和・平成・令和と生きてきましたが、その時経験した事や出会った人たちの事は今でもよく覚えています。
主人公は生死の境にいながら、幽体離脱のように病室を抜け出して思い出を辿っていきます。
映像化するには難しいと思いますが、自分が死を前にした時にどうなるのかを追体験できるドラマではないかと思います。

みどころ

浅田文学の傑作小説を、中村雅俊を主演に迎えて映像化
孤独を抱えながら昭和の復興期を生きてきた男が、謎の美女たちに連れられ、自らの過去をさまようことに。
謎の美女たちは何者なのか……。そして目的は……。
忘れようとしていた記憶、女性たちの言葉、すべての点がつながった時、物語は感動のクライマックスを迎える――。
ノスタルジーとミステリーの入り混じる世界感を4Kでダイナミックに描く。

【浅田次郎さんコメント】
映像化を意識して小説を書いたおぼえはない。
だにしても「おもかげ」は、脚本においても演出においても演者にとっても難しい作品であろう。
まず生と死の対峙(たいじ)という主題が観念的であり、現実の場面は集中治療室のみで、メインストーリーは記憶と妄想によって構成される。
しかし、難しいからこそすばらしいドラマになりうると思う。
くしくも竹脇正一君と演ずる中村雅俊さんと不肖浅田次郎は、同じ昭和二十六年の生まれ。
語り合わずともたがいの人生は理解できる。

(出典:4Kドラマ「おもかげ」制作開始のお知らせ NHK https://www.nhk.jp/g/blog/0cmw0-g5qf/)

あらすじ

商社マンとして長年働いた竹脇正一は、56歳の誕生日を迎え、定年退職した。しかし、送別会から帰る途中の地下鉄の車内で意識を失い、集中治療室に運び込まれた。
病室には妻の節子をはじめ、同期入社で現在は社長となった堀田憲雄、娘婿の大野武志、幼なじみの大工の棟梁・永山徹が交代で訪れ、正一に話しかけるが、彼の意識は戻らない。
また、正一や彼の家族を見守る看護師の児島直子は、偶然にも竹脇と通勤電車で言葉を交わしたことはなかったが、20年来の顔見知りであった。
一方、正一本人は、ベッドに横たわる自分の身体を横目に、謎の美女に連れられるまま病院を抜け出し、思い出の場所を巡るという奇妙な体験を重ねていく。
命の終わりに人生を振り返る旅のようなものなのだろうか・・・。

マダム・ネージュと洒落たレストランで食事し、入江静という女性と夏の入り江で語り合い、集中治療室で隣のベッドにいる患者である榊原勝男と銭湯に行って昔話を聞くことになった。

さらに、正一は勝男の戦後・浮浪児時代の初恋の人・峰子と地下鉄に乗ってデートをする。
最初は、彼女たちが節子の知り合いだと思っていた正一だったが、やがてこれは亡くなる前に肉体から解放される不思議な体験だと考え始める。
奇妙な時間をさまよっていた正一は、自らが封印していた過去を思い出すことになる…。
孤児という出自から来る孤独を無理やり忘れ、父として夫として懸命に生きて来た人生。
その人生の終盤、正一は予想もしていなかった過去と向き合うことに。
生活のために働き、会社を勤め上げた者、そのサラリーマン人生を支えた妻、父の背中を見て育った子供たち。定年の日に倒れた男に訪れた幸福とは?心揺さぶられる、愛と真実の物語。
そんな皆の心を、やさしくほぐす物語。

(出典:4Kドラマ「おもかげ」制作開始のお知らせ NHK https://www.nhk.jp/g/blog/0cmw0-g5qf/)

キャスト・登場人物相関図

竹脇正一……中村雅俊
孤独を抱えながら昭和の復興期を生き抜いてきた男。
65歳で定年を迎えたその日に地下鉄の車内で倒れる。
病院の集中治療室に運びこまれ生死の境をさまよっているが、次々に現れる謎の女性たちと奇妙な体験を重ねていく。

<中村雅俊さん コメント>
あと一年で、キャリア半世紀を迎える小生ですが、さすがに今回は、久しぶりに大変な山をいくつも越えることになりました。原作の浅田次郎さんが明言しているように、映像化が難しい作品ということです。加えて今回は、撮影そのものが大変の繰り返しでした。
お陰様で、かなりの充実感、達成感、幸せに似た満足感を味わう事になりました。
つまりは、参加して良かったという事です。
こうなったら是非皆さん!観て下さい!
それが一番の希望です。

竹脇節子……浅田美代子
正一の妻。
ずっと聞きたかったある事を聞けないまま、正一が倒れてしまい……

<浅田美代子さん コメント>
これから、ゆっくりと楽しく暮らす予定だった熟年夫婦。
突然夫が倒れ意識不明に…
浅田次郎さんの原作の不思議感…
辛(つら)い過去を夢?の中で克服していく夫。
きっとこの夫婦はこれから、又(また)新しく結婚生活を続いていくだろう…
久しぶりの小林組、中村雅俊さんとの共演、現場は内容とは違い、いつも笑顔に溢(あふ)れ、楽しかったです。
良い作品に出会えて幸せです。

マダム・ネージュ……三田佳子
雪の降る中、正一を病院から連れ出す謎の女性

<三田佳子さん コメント>
原作・浅田次郎「おもかげ」のドラマ化です。
「この役は三田さん以外に考えられない」と口説かれて、出演を決めました。
小林聖太郎監督の作品への想いや、役柄についての意見交換も重ね、不思議で面白い役づくりが出来たと思います。
リアルとファンタジーの狭間(はざま)でどんな風に仕上がるか、期待で一杯です。
浅田次郎先生もスタジオまで表敬訪問してくださり、とても楽しみにしておられました。

入江静……余貴美子
正一と一緒に過去をめぐる2人目の謎の女性。

<余貴美子さん コメント>
小林聖太郎監督の丁寧に優しく、物語を紡いでいく演出。久し振りにご一緒させて頂いた中村雅俊さんの悲哀たっぷりの演技を感じながら、豊かな時間を過ごしました。
真冬に撮影した、痺(しび)れるような寒さの真夏のビーチ、戦後の銀座線、スタジオに砂を敷いた舞台のようなセット。
もうワクワクして、ホントに楽しみでしょうがない。

峰子……さとうほなみ
正一と一緒に過去をめぐる3人目の謎の女性

<さとうほなみさん コメント>
竹脇正一というひとりの男性に起こる不思議な世界観。
そこへ誘う3人の女性のひとり、峰子を演じさせていただきました。
原作を読ませていただき、作中では「峰子は鷹揚(おうよう)な人物」との記載がありとても惹(ひ)かれました。
初日の撮影で、小林監督から「峰子どうしようかねー?」と言っていただけたので監督との答え合わせをしながら、わたしなりに鷹揚な峰子を楽しませていただきました。
暖かく不思議な「おもかげ」を是非お楽しみにお待ちいただければと思います。

榊原勝男……不破万作
正一が運び込まれた病院で、隣のベッドに横たわる老人。
彼もまた、正一を奇妙な世界へといざなう。

永山徹……モロ師岡
正一と同じ児童養護施設で育った幼なじみ。
正一の娘婿・和志の、大工の親方でもある。
正一が、妻の節子に対して秘密を抱えたまま倒れたことを気に病む。

堀田憲雄……宅麻伸
正一が務める商社の社長。
正一と同期で入社し若い頃は親しかったが、自身の昇進を重ねるうちに疎遠になってしまったことを気にしている。

大野茜……前田亜季
正一のひとり娘。
3人目の子供を妊娠中。
産まれてくる子供の名前を正一に相談したいと思っているが・・・。

大野和志……板橋駿谷
大野茜の夫。
エリートでもある義理の父・正一が、親のいない自分と茜の結婚を許してくれたことに感謝している。

(出典:4Kドラマ「おもかげ」放送日・新たな出演者のお知らせ NHK https://www.nhk.jp/g/blog/shp-ipr4zs1q/)

ネタバレ!結末

正一の過去

正一は捨て子であり、両親の顔も名前も知らないまま、「竹脇正一」という名前を与えられたが、それはどこか借り物のようで愛着もなかった。

幼少期は永山徹と共に養護施設で過ごし、新聞配達で学費を貯め、国立大学に入学した。
商社に入社してからは必死に働き、定年まで勤め続けた。

正一はつらい過去を忘れるために、プライベートでは節子と結婚し、長男の春哉を授かったが、春哉は4歳の時に交通事故による肺炎で亡くなってしまった。

最愛の息子を失った正一と節子は、理性を失い喧嘩が絶えない日々を送った。同期の堀田憲雄が仲を取り持ってくれなければ、彼らは離婚していたかもしれない。
そんな苦労を乗り越え、やっと定年を迎えた正一だったが、不運にも定年退職の日に倒れてしまった。

謎の美女たちの正体

走馬灯のようにも幽体離脱のようにも思えるが、正一はベッドの上で眠る自分の体を離れ、さまざまな年齢の美女たちと過ごすことになる。

実は、これらの美女たちは正一の実母だったのだ。

35歳の美しい女性は峰子であり、地下鉄に乗りたいと願っていた。
60歳のもっと美しい女性は入江静であり、静かな入り江を散策したいと願っていた。
80歳を超えるますます美しい女性はマダム・ネージュであり、輝く故郷の光を眺めながらクリスマスを祝いたいと願っていた。

物語ではそれぞれ別の女性として描かれてきたが、すべては年を経て成長した母であった。
峰子は終戦後、浮浪児となり、15歳の時に見知らぬ男に乱暴され、子供を身ごもってしまった。

生まれた赤ん坊は非常に可愛く、できるだけ一緒に暮らしたかったが、戦後の貧しい日本で女性が一人で子育てすることは難しく、特に少女が育てることはできなかった。

だから峰子は、赤ん坊を生かすために、クリスマスの日に地下鉄の車内にそっと置いていったのだ。
これが正一の出生の秘密だった。

正一は今まで、自分を捨てた母を恨みながらも、心の奥底で会いたいと切に願っていた。
そして、クリスマスイブに捨てられた男が、クリスマスに神様から最高のプレゼントを与えられたのだ。

結末

自分の「幸福な」出自を知った正一は、なぜか地下鉄のプラットフォームに立っていた。
そこで、「おとうさん」と呼ぶ、4歳の頃に亡くなった春哉と出会う。

「おとうさん、ねえ、おとうさん。お願いがあるんだ。100歳になったおとうさんと、ぼくもう一度地下鉄に乗りたいんだ」

そして、春哉は、「もう少し節子と茜ともっと一緒にいてほしいんだ」と伝え、やってきた地下鉄に乗りこんでいってしまった。

正一は「ハルヤー、ハルヤー」と呼びながらプラットフォームを歩み、「ありがとう」と言った。
誰も泣かせないと意気込んだ正一は、地下鉄から生まれ変わったのだった……

4Kドラマ「おもかげ」 番組概要

【原作】浅田次郎「おもかげ」
【脚本】吉田康弘
【音楽】富貴晴美
【制作統括】盛夏子(アミューズ)、神林伸太郎(NHKエンタープライズ)、小林大児(NHK)
【演出】小林聖太郎

(出典:4Kドラマ「おもかげ」放送日・新たな出演者のお知らせ NHK https://www.nhk.jp/g/blog/shp-ipr4zs1q/)

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