雲の上で

「いい人生だったかい?」
「ああ、まるで天国みたいだったよ。いっぱい悩むことができた。苦しんだりもできた。素晴らしかったよ」

「あんまり、そういうふうに考える人は、いないみたいだねぇ」
「ああ、なんでだろうね、天国なんか、あの地上にしかないのになぁ」

「後悔してるのかい?」
「ばかいっちゃいけない。死んだ人間が、後悔なんて素晴らしいことできるわけないじゃないか」