春はこれからが遠い
太陽も月も火星も
お隣りさんのようでとてつもなく遠いが
春もどこか幻のようなところがある
いつまでも、いつまでも
北風がビュービューと巻いて
三寒四温とは言うが
ほんに裏切りの連続だ
雪も降れば
嵐だってある
桜が咲いても花冷えで
なかなか夜桜を楽しめる日は少ない
桜の花が儚く散ったあと
青葉が一勢に芽を出して目に眩しい頃
ようやくピタリと
北風は止むのだ
波止場の波はとっぷんとっぷんと
うららかな日を浴びて
日がな一日凪いでいる
空は高く青く澄んで
日差しは心地よく
海も山もこの上なく美しい
でもそれはすでに春ではなく
夏の始まりなのだ
あれだけ待ち望んだ春は
何処にあったのだろうかと振り返る
春って何だろうなと考える
幻を求めてやっとこさ、ここまで来た
来年もここまで来れるだろうか、と心で呟く
春って、楽じゃないよね
春って、楽じゃない
I Will Survive
I Will Survive