先日の日曜日には、久々に都心部にまで足を延ばして、ちょっとした買い物をした。まだコートは必要だが、少しだけ温かくなっていて、長かった冬が終わりつつあることを感じた。
歩いていると、日本でもよく見かけるような小学生くらいの大きさがあるソフトクリームの模型を発見。これに誘発され、迷いに迷い、買ってしまった。こんな模型はただの遊び心でしかないと思っていたけど、購買率の向上に効果的なんだな。
ソフトクリームの魅力
濃厚なミルクと味わいと、滑らかな舌触り。ほんのりと甘さを感じるコーン。それでいて胃に重くない。デザートとして、とてもシンプルな見た目と構成で、ある種の潔さというか気品すらも感じる。
そして少年時代の憧れの象徴である。デパートの地下にあるフードコートで、ひときわ輝いていた。30代のオッサンになった今でも、変わらない。"Enjoy !"の一言と共に渡されたソフトクリームを受け取った途端、心躍りだすようなワクワク感が一気に溢れ出した。
ソフトクリームの発祥 (1931年)
そもそもアイスクリーム自体の発祥は、古代ローマ時代から"氷菓子"として存在していたらしいが、ぼくらが知っているトグロを巻いたソフトクリームが誕生したのは、1931年のアメリカらしい。(※諸説あり)
この頃は冷凍技術が急速に発達していたのだが、アイスの味わいを保ちながら冷凍するのが難しかったらしい。そこで販売する直前に、その場でアイスを作るために発明されたのが、"オートマティック・ソフトザーブマシン"らしい。ぼくらが屋台で見かけるあのマシンの原型である。
日本に上陸したのは1951年のこと。ソフトクリーム総合メーカー『日世』創業者の田中穣治氏が、アメリカでソフトクリームが流行していることを知り、このマシン10台を日本に持ち込んだらしい。世界大戦直後だったので、かなり輸入規制は厳しかったはずで、インターネットもありはしないから、日本に持ち込むのも非常に困難だったと思う。
参照URL :www.nissei-com.co.jp
舌触りが滑らかな理由 - 製造方法 -
なぜソフトクリームは、一般的なアイスクリームとは違って、これほど滑らかな舌触りをしており、ふんわりとした見た目をしているのか。その秘訣は、空気含有量にあるようだ。
一般的なアイスクリームの製造方法
一般的にアイスクリームを製造するときには、材料一式を加熱して混ぜ合わせて、冷凍する工程を踏むらしい。しかしソフトクリームは、それに加えて空気を含ませながら凍らせるようだ。
空気含有量(オーバーラン)
この空気を含ませる工程が、ソフトクリームにとっては重要であるらしい。空気含有量によって、味わいが変わってくるためだ。これをオーバーランと呼ぶとのこと。かっこいい。
一般的なアイスクリームのオーバーラン ( ー`дー´)キリッ は、10%程度と少なめ。だから堅めの食感が特徴である。
ソフトクリームのオーバーラン
反してソフトクリームのオーバーラン ( ー`дー´)キリッ は、一般的になんと40%前後も含有する。この含有量の違いによって、ふんわりとした見た目と滑らかな味わいが実現するのである。
だから、"あれ、ここのソフトクリームは堅めだな"と感じるときは、ただ単に冷凍させ過ぎた不良品というわけではなくて、オーバーランが低いことが理由である、ということだ。これによって各店舗のソフトクリームをブランディングを調節しているのであろう。
ソフトクリーム業者界隈では、"お宅のオーバーランは何パーセント?"みたいな会話は、業界あるあるに違いない。
ソフトクリームの将来的展望
というわけで、ソフトクリームの発祥と美味しさの秘訣が分かったところで、今後のソフトクリームの展望を調べてみた。結論からいうと、ソフトクリーム市場は拡大傾向にあるらしい。要因はいくつかある模様だが、2点だけ。
① ヴィーガン向けソフトクリーム
乳製品を使用しないソフトクリームは、流行りのヴィーガンに人気らしい。特に豆乳ソフトクリームとか。なるほど、確かに日本にいるときに見たことがある気がする。
② "映え"を狙った見た目重視のソフトクリーム
また、インスタなどSNS上での"映え"を狙った奇抜なソフトクリームも、話題性があり人気になりそうだ。確かになんとなく原宿あたりに、とんでもなく頭でっかちなソフトクリームなんか作って販売すると、人気になりそうだ。
よく考えれば、上記2点はデザート業界共通で重要な要素っぽいな。ソフトクリームだけに限らず。
まとめ
というわけで、たかだか日曜日の買い物中にソフトクリームを食べただけで、ここまで調べてしまった。
しかしイイですな、大人ってのは。
子どものころ、イズミヤ(近畿地方限定のデパート)の地下にあるフードコート近くを通るときに、ソフトクリーム食べたいなぁと思いつつも、親に買ってくれと言い出せなかったことを思い出す。ソフトクリームなんて、言わば憧れのデザートの象徴だった。
しかし今や、好きなときに好きなだけソフトクリームなんて食える。大人って素晴らしいね。
まとめ。大人ってイイね。