人の発音を馬鹿にして何になるのか

英語全般

先日このようなツイートを投稿したところ、非常にたくさんのいいねを頂きました。
僕がXを運用してから、これが最も反響があったポストかもしれません。

書いた理由としては、投稿した内容通りなのですが、

「アメリカに数十年住んでるのに発音が全然良くならない知人がいる(笑)」
「あ~そういう人いるよね。特に日本人はそんな人ばっかり」
「カタカナ発音が抜けないんだよ、恥ずかしい」
「日本の英語教育がいかにダメかっていうことだよ」
「留学しても下手なままなの人がほとんどだよ(笑)」
「下手なカタカナ英語を聞いてるとこっちが恥ずかしい」

みたいなポストを前週に頻繁に目にしてしまったんですよね。たまたま僕のTLに表示される回数が多かったのか、本当にそういうポストをする人が増えたのかは分かりませんが。

で単純にムカついて書き殴った、というだけです。
誰かに読んでもらいたいとかは考えず、ましてや「発音で困っている人を励まそう」という高尚な気持ちなんてあるはずもなく、ただシンプルにイライラして書いただけです。

だってムカつきません?
こんなことを偉そうに言ってる奴らはどれだけご立派な英語を喋るんだと。

他人に文句をつけたいなら、せめてそれなりの自身の実力を証明してから、実例を交えて論理的に忠告するべきでしょう。
「日本人はこう発音する人が多いけど、それはネイティブは聞き取りにくいから、このようにした方が良いよ」
「留学してもこんな過ごし方をすると語学力は伸びないから、こんな風に過ごさないともったいないよ」
みたいな感じで言って、さらにご自身の英語を見本として披露してくれれば、多くの人が納得すると思います。

それか、そんなに知人の発音が悪いのが気になるなら、本人に直接言えば良いだけの話。
「お前発音下手だから練習した方がいいぞ」
ってね。その方が、裏で小馬鹿にして笑ってるよりよほど誠実でしょう。

安全なところから一方的に他人を攻撃していい気になっているのが見てて非常に不愉快で、またその題材が日本人がコンプレックスを感じやすい英語の発音ということに更に悪質さを感じました。

でムカついて書いちゃった、ということです。

こんな個人的な苛立ちをぶつけたポストに対し、賛同してくださる方がたくさんおられたのは非常嬉しく思います。
多くの方が同じように、陰口を叩いていい気になってる連中にムカついていたということでしょう。

ただ、このように書きはしましたが、僕は別に
「発音の練習なんて意味ねぇよ!」
「発音ばっか気にしてる奴は馬鹿だ!」
とも思ってませんのでそこは弁明しておこうかと、このブログを書いている次第です。

発音を練習することについて

私見ですが、英語の発音において最も重要なのは
「聞き手が負担なく聞き取れるか」
だと考えています。

多少日本語訛りがあったり言葉につまるところがあったりしても、聞いている人が内容を理解出来てスムーズな意思疎通が出来れば、十分英語が使えているとみなして良いと思います。
流暢と呼ばれるレベルになるには、そこから更に修練が必要ですが。

「聞き取れるかどうか」という観点から考えると、本当に全てカタカナで喋っているかのような英語はさすがにきれいな発音とは言えないでしょう。
有名なところで言えば、イッテQというテレビ番組で人気の出川イングリッシュなどはそれに該当するでしょうか。
(出川さんの場合は文法も単語の選択も滅茶苦茶なので、発音だけの問題ではありませんが…)

聞き手が集中して聞き取ろうとして、さらに分からないところは聞き返して、それでようやく理解してもらえる発音では対等なコミュニケーションを取るには不十分です。
観光客として旅行のときだけ使うなどの限定的な使用なら、相手も状況を理解して合わせてくれることもあるでしょうが、日常的に使用したり少し深い会話をしたりはカタカナ英語では厳しいでしょう。

それを
「身振り手振りで通じるから問題ない!」
「日本語アクセントでも十分だから発音練習はいらない!」
と開き直ってしまうことには反対です。

それでは聞き取る側に常に負担を強いてしまうからです。
それは「通じている」ではなく、「頑張って理解してもらっている」というだけですね。
相手の協力がなければ成立しない会話を、胸を張って「通じてる」と捉えるのは危険です。
相手が諦めたらそこで会話が終了してしまうわけですから。

なので、英語を使えるようになりたい、英会話を楽しみたいと思うなら、せめて相手がストレスを感じずに聞き取れるような発音を目指すべきだと思います。

みんなちがって、みんないい

問題なく通じるレベルの英語が話せるようになれば、そこから先は個人の好みの問題だと思います。

そもそもお手本になるネイティブの英語すら、アメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアなど地域によって発音が違います。
そのうちのどれか一つだけを理想的な英語として、他を「下手」とみなすのはナンセンスです。

また第二言語で英語を使ってる人たちは、日本人に限らず多かれ少なかれ母国語訛りがあります。
しかしそれを恥じたり、同じ国の人の英語を馬鹿にしたりするなど聞いたことがありません。

これはやはり「意思疎通」こそが英語を話す本来の目的だからではないでしょうか。
やたらと他人の英語を批難する人は、話す内容やそれが通じるかどうかより、「ネイティブっぽく喋る」ことが最大の目的になってしまっているように見ていて感じます。
それでは本末転倒もいいところです。

意思の疎通が出来る上で更に自分がアメリカ人っぽく喋りたいという理想があるなら、個人的にそれを目指して練習すればいいだけです。
自分の理想と違うからという理由で他人の英語にまでケチをつける必要は全くないし、求められてもないアドバイスをするなんてそれこそ余計なお世話です。
陰で悪口を言うなんて行為に至っては、英語力がどうこう以前に品性が下劣としか思えません。

「悪口はコンプレックス」の裏返しと言いますから、他人に何かとケチをつける人は自分の英語にコンプレックスを抱えているのではないでしょうか?
それならいっそう人の悪口を言う前に、自分の英語を改善する努力をするべきです。
他人を叩いて一時的に気分が良くなっても、自分の英語は何の成長もしませんから。
結局コンプレックスは解消しないままで、また次の他人批難を繰り返すだけです。

ということで、現在英語学習に励まれている方たちが、こういう人たちの心無い批難に耳を貸し、ましてや胸を痛める必要なんて全くありません。

日本人が英語習得をすることの難しさは、同じ日本人が一番理解出来るはずです。
なら、頑張ってる人同士でまず認め合って、お互いに刺激し合い成長に繋げていく方がよほど建設的で素敵じゃないですか?

“He who praises another enriches himself far more than he does the one praised. ” ー George Madison Adams

周りの人はもちろん自分の成長のためにも、他人に寛容でありたいものですね。

プロ家庭教師&オンライン英語講師として関西で活動。
皆さんの学習(主に英語)に役立ちそうな情報を発信していきます。
英語関係保有資格「英語検定一級/通訳案内士/TOEIC980」
twitter→https://twitter.com/Yuya92345039

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