以下は1946年に行われたミハイル・ボトヴィニクとコネル・ヒュー・オドネル・アレクサンダーの対局。
【使用されたオープニング】ニムゾ インディアン ディフェンス(4.e3)
見どころ・注目ポイント①
以下の盤面について考えてみる。
白番のミハイル・ボトヴィニクには、「f6の黒ナイトを取る選択」と「a3の白ビショップを逃がす選択」がある。
ボトヴィニクはBd6と指して、a3のビショップを逃がす選択を取ったが…。
解析した結果、これは悪手だった。
最善手は「f6の黒ナイトを取る選択」という素直な手。
「f6の黒ナイトを取る選択」では、bポーンが突かれることでa3のビショップは必ず相手に取られることになる。
以下のように白のビショップは必ず取られる。
そのため、「f6の黒ナイトを取る選択」ではa3のビショップを無理に守るべきではない。
クイーンをキング側に寄せて、攻撃の準備を仕掛けるのがベスト。
このように指すと、チェックメイトが見えてくるので黒はクイーンを防御に使用する必要がある。
なお、白のクイーンがgファイルに移動すると、キングの前にいるポーンは釘付けされる。
見どころ・注目ポイント②
ボトヴィニクによる見事なクイーンサクリファイスがあった。
以下の盤面では、クイーンサクリファイスが成立する。
白はクイーンでd4の黒ナイトを取れることに気付けるだろうか。
一見、a7の黒クイーンによって、白クイーンはタダ取りされる。
しかし、白にはNf5という強力な1手が存在する。
このNf5という1手は、ただd4の黒クイーンを攻撃しているだけではない。
黒クイーンを攻撃すると同時に、次にチェックメイトできるマスを支配できる。
ナイトが「h6」または「e7」のマスに移動すると、1手チェックメイトになる。
そして、同時にクイーンまで攻撃しているのだから、クイーンサクリファイスは成立する。
黒はこの後、チェックメイトを防ぐためにh5などにポーンを突き、逃げ道を作るしかない。
黒が逃げ道を作っている間に、白は黒クイーンを取ることが可能。
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