英検1級を圧倒したこの1冊【15】誤訳をしないための翻訳英和辞典 | ひとときのときのひと

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だいたい毎日。



まずは英語から。

 ここでは、英検にこだわらず「ためになる英語」学習に関するる手に入りやすい本の案内として説明をしていきます。

 

 

 

「誤訳をしないための翻訳英和辞典 」(河野一郎)です。

 

 この本は、辞典とは銘打っていますが、何千語、何万語も単語を掲載しているわけではなく、日本人が間違えて訳してしまいがちな単語せいぜい数百につき、それぞれコラム風に詳しく解説してくれている本です。

 

 たとえば、英語上級者なら既に十分ご存知とは思いますが、interestingは、決して「面白い」と単純に解釈しない方がいいことに気づいておく必要があります。

 

 試しにinterestingの項を引用してみましょう。

 

 この形容詞は、いつでも「興味深い、面白い」と積極的にほめているわけではない、(中略)

 これは英語に変わらず日本語でも、「変わってて私の趣味じゃない」という気持ちを込めて、「へえ、面白いね」、「面白いわね、その柄」と言うことがあるのと同じ。

 数ある英和辞典の中でただ1冊『グランドコンサイス』だけが、「〔話〕⦅賞賛を期待されながらも賞賛できないときに皮肉・揶揄を込めて⦆興味深くはある、なかなか(風変わり)な」といった説明と訳を出している。

 

 いかがでしょうか。

 

 本ブログの筆者もあるとき、アメリカ人の高校生とおしゃべりしているときに、ついこのinterestingを使ってしまいました。

 

 その反応として、彼は、この言葉を舌先に転がした後、げんなりした表情を浮かべたのです。

 

 代わりにawesomeと言った単語を使えばよかったのに、自分は十分注意して避けられるはずの落とし穴に、思いっきり陥落してしまいました。

 

 この本には、ほかにも刮目(かつもく)させられるところが数多くあります。

 

 たとえば、「just」のような、日本人ならだれもが、「ちょうど」とか「ぴったり」と訳してしまう単語、これについても、意外な別の意味を教えてくれます。

 

 実は文脈、文章によっては「just」は「ようやく」とか「かろうじて」といった日本語におきかえないと通じない、正確に読んでいることにならないのです。そんな厳然たる事実も例文を挙げて丁寧に教えてくれています。

 

 あるいは「naked」といえば、すぐに「裸の」といった訳語をつけてしまいがちですが、naked ladyは、裸女、裸の貴婦人などではなく「アマリリス」なのです。こういうのは、絶対に間違えてはいけないでしょう。

 

 こういった「誤訳」や「日本人の英語に対する誤解」を指摘する本は他にもあります。

 

 こういった書物を前にすると、自尊心を気づ付けられ、せっかくの学習意欲が減退してしまう。そんな方も少ないのではないかと想像します。

 

 自分にもある意味、そういう傾向が全くないとまではは言い切れません。

 

 しかし、「おれ、英語できるんだもんね」意識を捨てるべき時に捨てられないとすると、それは少々恥ずかしいことではないかと考えます。

 

 いや、恥ずかしいというのが、感情的な根拠であるとお思いならこう言い換えてもいい。

 

 日々の繰り返しでは、成長しない。常に脳みその中身を新人退社させずに、前進はありえない、と。

 

 以上、英語の参考書には載っていないかもしれませんが、あなたの英語学習の参考になれば幸いに思います。