50代の介護転職!成功への5つのポイントと必要な資格

コラム
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『かいごcope』を運営している、介護福祉士の〈michi〉です。

 

”cope”とは「問題に対処し切り抜ける」という意味

 

介護の現場経験トータル約26年現在も現役介護中
整体心理カウンセラーの資格も保有。

 

Kさん 52歳
Kさん 52歳

50歳過ぎて未経験で介護職に転職しました。

離婚して実家に戻ってきたから、いずれ親の面倒も看れるようになるかと思って。

2024年の4月から介護職は「認知症介護基礎研修」の受講が義務化されますが、受けましたか?

Kさん 52歳
Kさん 52歳

義務化になる研修は知らなかったのですが、1ヶ月スクールに通って「介護職員初任者研修」を受講しました!

資格を取った後スクールからこの施設を紹介され正社員で入社しました。

「教育訓練給付制度」も利用したからお金も戻ってきました♪

Kさんは初任者研修の資格を取って特養で働き始めました。

とはいえ、介護職は未経験だったから仕事を覚えるのは大変だったと言います。

でも、50代での転職は厳しいでしょう?

職場はすぐ見つかるのかしら?

介護業界は売り手市場でもあり50代での転職も遅くはありません

けれど、未経験でとなると少しは介護業界でやっていくポイントを抑えておきたいですね!

今回のコラム

  • 50代の介護転職!成功への5つのポイント
  • 必要な資格
  • 50代転職なら働く施設はここを選択
  • 仕事の覚え方やコツ
  • 50代介護転職で年収をアップするには
  • 50代転職のタイミングや求人の探し方

などをご紹介します。

Kさん 52歳
Kさん 52歳

この年での再就職だし、この施設が最後の職場になると思っています。

50代で転職を考える人は、少なからず「最後の職場」と考えます。

だからこそ、「あと何年働くか」「何年働けるのか」を逆算してセルフイメージをするのが大事です!

50代転職未経験介護転職デメリット?

いいえ!

私は十分メリットにもなると思っています。

50代の介護転職!成功への5つのポイント

50代介護未経験転職の方は特に、若い人と比べたら「この先仕事にかける時間」は少ないと思ってください。

成功への5つのポイント
  1. 選ぶ施設と雇用形態
  2. 介護職で求められる基本的スキル
  3. 仕事を覚えるためのメモの取り方
  4. 健康管理・腰痛予防
  5. 年齢を活かしたコミュニケーションスキル

50代介護転職 取得すべき資格

介護職で要介護者(利用者さん)に接する業務は、今後無資格ではできません

2024年から介護の業務に就く人は「認知症介護基礎研修」が義務化となりました。

「認知症介護基礎研修」

◎認知症介護に携わる介護従事者に基礎的な知識と技術を学んでもらう研修。

受講が免除される人

●医師、歯科医師、薬剤師
●看護師、准看護師
●介護福祉士、実務者研修修了者、介護職員初任者研修修了者、生活援助従事者研修修了者、介護職員基礎研修課程又は訪問介護員養成研修 一級課程・二級課程修了者
●理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、あん摩マッサージ師、はり師、きゅう師
●管理栄養士、栄養士
●社会福祉士、介護支援専門員、精神保健福祉士等

「認知症介護基礎研修」は

eラーニング(オンラインでの動画視聴)を使った講義と演習の構成が多く、1日で終了します。

50代介護未経験転職の人が資格を取るなら「介護職員初任者研修」

キャリアパスを狙うなら「実務者研修」

「認知症介護基礎研修」の上のランクになる「介護職員初任者研修」

「初任者研修」の応用で上のランクとなる「実務者研修」

同じように介護の基礎知識と技術を身につける資格です。

初任者研修実務者研修
受験科目9科目・130時間20科目・450時間
修了試験ありなし
サ責(サービス提供責任者)有無働けない働ける
介護福祉士の受験条件

初任者研修は1ヶ月程度で資格が取れます。

実務者研修は半年ほど

「介護福祉士まで取りたい」「キャリアパスを狙いたい」と考える人もいるかと思いますが、介護福祉士の受験は「実務者研修の資格取得後3年の実務経験が必要」という条件があります。

50代の介護転職は「初任者研修」か「実務者研修を目標にするのが第一歩ですね!

資格取得はスクールに通う方法がおすすめですが、スクールによってかかる費用は50,000~100,000円と差があるようです。

「初任者研修」の資格はハローワークの職業訓練で無料で受講もできます。

個人的には、ハローワークで受講するのはデメリットが多いと考えています。

メリットデメリット
ハローワーク
職業訓練で「初任者研修」受講
月10万円の生活支援給付金を受けながら受講できる

無料で受講(テキスト代は実費)
離職中が条件(働きながら受講できない

選考(面接、筆記試験)があるので落ちる場合がある

・受講日の日程が決まっているので予定を入れられない

終了まで時間がかかる

受講料はかかっても、スクールで1ヶ月程度で初任者研修の資格を取って、Kさんのように「教育訓練給付金制度」を利用する方がメリットあり!

50代の良さ

・子供に手がかからない(大学生や社会人、独立している)

・自分(と配偶者)のことだけすればいいので時間が有効に使える

・家事の手を抜いても文句言われない

もちろん、全ての50代がそうではありません。

小学生の子供さんがいて頑張っている人もいます。

Kさんの場合は

Kさん
Kさん

バツイチになったから、正社員で夜勤もできます!

ポジティブです♪

正社員がほしい施設は「50代介護未経験」でも大歓迎!

50代介護転職未経験でも正社員として勤務可能なら、働く施設「特養」がおすすめ!

<特養をすすめる理由>

勉強になる(重度の利用者さん、急変、緊急搬送、看取り、ショートステイ、などなど)

スキルアップやどこでも通用する経験が身に付きやすい

半面デメリット

レクが苦手(もともと得意な人もいますが…)

話し方がフランクになりすぎる傾向、いざという時の接遇面がぎこちなくなる傾向

特養は勉強になる反面、やっぱり毎日忙しく人手不足の印象があります

  • 排泄介助
  • 食事介助
  • 入浴介助

どの施設でも必ず行う介助です。

数か月もすれば一人立ち。夜勤も開始するでしょう。

事故やケガを起こさない介助技術を早く身につけることが求められます。

技術は数多くの経験どれだけ考えて行ったかで上達します。

ひとつの介助、ひとつの業務で「なぜ?」「どこを変えれば早くなるのだろう?」と考える習慣をつけるといいですね。

介護の仕事を早く覚えるコツ

「先輩のやり方を観察する

☆認知症の方の対応が上手な人

⇒ 認知症の方とフィーリングを合わせるのが上手。話し方や話している内容をマネしてみる。

☆介助(排泄や入浴)が丁寧で早い

⇒ 経験からくるポイントやコツがある。利用者さんの特徴に合わせてやり方を変えている聞きましょう手の動きを観察しましょう。

☆施設によって設備ややり方が違うこと浴室脱衣室入浴の流れ排泄介助の段取りなどは施設によって違います。

それぞれの介助技術のやり方は同じですが、流れや段取りや順序などは施設のやり方を早く覚えて無駄のない導線順序役割分担ができると仕事が楽になります。

シーツ交換も基本は三角折りですが、ボックスシーツを使っている施設もありますので「最終的に出来上がりがきれいならいい。手早く完成させられればなお良し」といった気持ちでいいのでは?

介助技術はYouTubeにも参考になる動画がたくさんあります。

何度もやっていれば必ず上手になります

完璧にすることにこだわらず、その日に優先する業務をベースに時間配分段取りをつける

早く仕事を覚えるにはやはり「メモ」を取ることです。

業務中はすぐに取り出せてサッと書ける小さめのメモ帳とボールペンの携帯をおすすめ。

手のひらサイズのノートに、自宅などで覚える事柄を整理していました。

見てわかる「覚えるためのメモ」

2週間で8割方覚えるために、利用者さんに関する覚えるべきことは「項目別にメモ」していました。

  1. 居室号数
  2. 排泄(日中・夜間)
  3. 食事(エプロン・入れ歯)
  4. 内服
  5. 移動
  6. 入浴
  7. その他(注意点)

縦軸に項目横軸に名前、B5サイズの一覧表です。

名前を見れば最低限のことは分かるようにしました。

最近はユニット型の施設が多いので、利用者さんは20名程度でしょうか。

ノートの他のページも、ラベルシールを使って「食介」「排泄」「内服」などに分類してより細かく注意点など書いていました。

「食介」/〇〇さん、むせ、誤嚥しやすい。小スプーン、ゼリー食、トロミ。

「排泄」/〇〇さん、トイレ誘導ズボン上げ下ろし介助、コール押してくれる

「排泄」/〇〇さん、オムツ交換 アウターMにウルトラパット(赤)、横漏れ注意、臀部軟膏(ワセリン)塗布

など。

入浴は他のユニットの利用者さんも一緒に入っていたので、情報を記入していました。

顔と名前の覚え方は

  • 親戚や知り合い、芸能人と同じ名前(苗字)で印象付けて特徴を見つける
  • 座席表をつくる
  • 居室のベッド位置(個室でなければ)
  • 配膳やトイレ誘導の時など繰り返し名前を呼ぶ(周囲からも間違っていないと確認ができる)
  • 会話の内容や話し方の特徴を覚える

その日に教えてもらったことは、走り書きでメモして自宅で整理していました。

未経験だと、使用物品の名称から覚えないといけないので最初は大変ですね!

メモの使い方 「ほうれんそうと?の単語」

「報連相(ほうれんそう)」のためのメモ

内部、外部問わず看護からの連絡利用者さんに関する情報業務についてなどなど日々連絡があります。

夜勤者への連絡リーダーへの伝達など社会人として「報連相」はとても大切です。

伝達事項を聞いたら、すぐにメモしてみんなが分かる場所に貼る連絡ノートがあれば必ず記載する習慣をつけましょう。

「?の単語」のメモ

未経験は特に看護の専門用語だったり病気の対処の単語が分からないこともあると思います。

Kさん
Kさん

遅出勤務のとき、看護さんに「経管栄養の〇〇さん”かいほう”してます」って言われてよく分かりませんでした

栄養を流すチューブのふたを開けたまま(開放)にしておくことです。

嘔吐した後や嘔気があるときに行い、胃の内容物を外に出します。

減圧のためでもあります。

『経管栄養の手引き』です。目を通しておくだけでも、看護師の仕事が少し理解できます。https://nutritionmatters.jp/common/pdf/tools/Guidance.pdf

Kさんのように分からない単語や専門用語が出たときもメモしておくといいですね。

自分で調べてもいいし、看護師さんや他の人に聞いて色々な知識をインプットしておくことも役立ちます!

新しい人が入社した時に教えてあげられると思います。

正しくインプットして、正しくアウトプット(教える)すれば知識は定着します

仕事を休まない人は信頼に値します

どうしても休まないといけない状況は必ず出てきますので、それ以外の「自分が体調を崩さない」人は職場においてとても助かります。

50代の転職者、未経験者は「腰痛予防」も大事です!

介護業務に慣れていないと腰を痛めることが多いから

実は、腰痛が原因で転倒や転落の事故が起こることも多いのです!

腰痛予防ストレッチ

無理しない程度に、時間を見つけて行うことをおすすめします。

50代転職を多くの人はマイナスポイントだと思っています

でも介護業界ではそんなことありません!

むしろ、高齢の利用者さんにとっては喜ばれる場合もあります。

排泄や入浴などの介助では年齢が近い分利用者さんに安心してもらえることもあります

話をするときも人生経験があるのでお互い共感できます

利用者さんの気持ちが分かるのは50代介護転職のメリットです!

コミュニケーションスキルをさらに上げることも年齢をプラスに変えるポイントです。

「いくつまで働くか」「あと何年働くか」をイメージしましょう

50代介護転職で収入を上げるには
  1. 資格取得(キャリアパスorケアマネ)
  2. 夜勤を増やす
  3. 経験を活かして転職

介護転職で狙うキャリアパス

イラスト参照:株式会社PHPhttps://www.php-co.jp/blogs/careerup/5

キャリアパスで収入アップを考えている→最終目標ケアマネ

ケアマネの資格を取れば収入が上がるうえに体力的な負担も軽くなります

ただ、50代介護転職でケアマネを目標にするなら時間的に急ぐ必要があるかもしれません。

そもそもケアマネの受験資格である介護福祉士の資格を取る必要があります。

1.実務者研修資格取得3年実務経験

2.介護福祉士受験、資格取得(9月上旬までに申し込み、翌年1月試験)5年実務経験

3.ケアマネ受験、資格取得(7月下旬までに申し込み、10月試験)

ストレートでケアマネの資格を取るまでに、少なくとも8年以上の実務経験が必要となります。

51,52歳までの転職ならケアマネまで挑戦できるかもしれませんが、50代の介護転職は個人的には介護福祉士までを目標とする方がいいと思います。

実務者研修or介護福祉士で年収アップ

50代介護転職で「定年まで働ければいい」のであれば

初任者研修(1か月程度で取得)or 実務者研修(6か月程度で取得)

「実務者研修」の資格があれば「サ責(サービス提供責任者)」として働くことができます

ユニットリーダーになれば手当てがつく施設もあります

50代介護転職で年収アップを目指すMAXは

介護福祉士の資格を取る

介護福祉士の資格を取って残りの働ける時間の年収アップを目指す!

理想は、50代のうちにケアマネの資格を取り年収アップ。定年後はケアマネとして働けるだけ働く、でしょうか。

介護転職のタイミングは何月がベスト?

転職のタイミングはボーナスを基準にするのがいいでしょう。

ボーナスは夏が7月、冬が12月に支給という施設が多いでしょう。

それを踏まえると

4月9月が入社(転職)のベスト!

ボーナスの支給1ヶ月前に3ヶ月働いた実績ができるからです。

50代でなくとも、転職の際はこの時期がおすすめです。

でも、ボーナスをもらってすぐに「辞めます」とは言いにくいですよね

4月入社の方が前職を退職しやすいです!

冬のボーナス後、1月末までに退職の意思を伝え3月末の退職にする。

引き継ぎもゆっくりでき年度末で区切りがいいこと、処遇改善手当てを3月末に支給する施設もあり、もらえるものはしっかりもらって円満退職としたいです。

夏のボーナス後だと、8月中に退職の意思を伝えても余裕を持った引き継ぎができず、新しい職場への入社が10月にずれ込む可能性もあります。

時々、「”就業規則”で退職は3か月前に言わないといけない」という人がいますが、法律では2週間前の申し出でOKなんです!

期間の定めのない雇用の解約の申入れ)

第六百二十七条 当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。

出典:e-Gov法令検索

就業規則より法律の方が優先されますが、引き継ぎや円満に退職したいと考える人は就業規則の通りにする方がいいでしょう。

50代で介護転職をしようと考える人は最低でも「初任者研修」の資格は取ること(取得には1ヶ月程度)。

少しでも年収をアップしたい人は「実務者研修」の資格(取得には半年程度)。

「実務者研修」の資格を持っていれば「サ責(サービス提供責任者)」の仕事もできます

定年退職など「いつまで働くか」のイメージがあり、実務経験の時間が取れる人は「介護福祉士」の資格取得を目指してみましょう!

資格を取ればキャリアパスで年収もアップします

働く施設は勉強になる「特養」をおすすめしますが、ご自身の体力や(特養は忙しいので)家庭が犠牲にならないよう家族で話し合って選んで下さい

メモを活用したり早く仕事を覚えるコツをつかみましょう

健康に気をつけ、できるだけ休まない人材を目指しましょう

転職にベストなのは4月入社!

資格を取り経験を積めば、50代で転職しても年収アップは可能です。

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