コミュニケーション能力が高い人の特徴「傾聴力」

介護技術
記事内に広告が含まれています。

michiイラスト

『かいごcope』を運営している、介護福祉士の〈michi〉です。

 

”cope”とは「問題に対処し切り抜ける」という意味

 

介護の現場経験トータル約26年現在も現役介護中
整体心理カウンセラーの資格も保有。

 

コミュニケーション能力の高い人が持っている「傾聴力」

コミュニケーション能力は、話を「聞く」スキルが実はとても重要です。

「傾聴」の役割やメリットを今回ご紹介します。

今回の内容

  • 傾聴のポイント「かきくけこ」
  • 傾聴力と接遇の関係
  • クレーム回避に役立つ傾聴力

コミュニケーションが上手いことは「相手に対して思いやりがある」ということです。

特に介護現場での相手は高齢者です。

自分のことばかり話す介護者はコミュニケーションが上手とは言えません。

介護現場で相手の話を聞くときに意識する「かきくけこ」

環境をつくる

共感

くり返す

結論は急がない

肯定

簡単なあいさつ程度のコミュニケーションなら立ち話でも短時間でも構いませんが、

  • トラブル
  • 悩み
  • 深刻な相談
  • クレーム

などは座って話せる場所に環境を移してゆっくり時間を取りましょう

相手の話を遮らずに聞き、気持ちに共感した言葉を伝えましょう。

「辛かったですね」「腹が立ちましたね」などです。

あなたの話を聞いていますよ」という合図として

あなたが私に話したかったことは〇〇の話なんですね

あなたは〇〇だと感じたのですね

と簡単に要約するつもりで、相手の言葉をくり返しましょう。

話の途中で「〇〇のことを言いたいのかな」と思っても、結論を急がず最後まで話を聞きましょう

「間違っているな」と思ってもそれはあなたの考え。

「気持ちは〇〇だったんですね」「その時のあなたは〇〇だったんですね」というように肯定して、「あなたが間違っていますよ!」と初めから否定しないようにしましょう。

会話のバランスは3:7

会話には

自分が話すこと

相手の話を聞くこと

があります。

コミュニケーションが上手な人が心がけているバランス

話し3割聞く7割

話すときにも「5W1H」「結論から話す」の2つを意識すると相手は分かりやすく、よく伝わります。

(5W1H:When:いつ、Where:どこで、Who:誰が、What:何を、Why:なぜ、How:どのように)

「傾聴」とは相手の話をより深く聞く、ということです。

近年災害などで被災された方々に対しても傾聴の効果は注目されています。

傾聴の効果

不安な気持ちの軽減

自己肯定感を高める

不安な気持ちを抱えている人にとっては、「傾聴」してもらうことで気持ちが和らぐことがわかっています。

また、自己肯定感を高める効果もあることからお互いの信頼関係を築くこともできます。

「かきくけこ」だけじゃない!3つのポイント

「傾聴」の基本は「かきくけこ」ですが、意識したいポイントは他にもあります。

「傾聴」の3つのポイント

①受け入れる(受容)

②なれなれしくしない(距離感)

③落ち着いた態度(安心感)

受け入れると共感はちがうの?

①「受け入れる

話の内容が正しいかではなく、「相手の気持ち」をそのまま受けとめること

受け入れる、は「待つ」スキル

相手が全部話し終わるのを待ち(受け入れ)、共感する。

共感の時も「分かります」ではなく、

私が同じ立場でもそう思ったでしょう

のように、「私でも」「他の人でも」とワンクッションをおいて共感を伝えるのがポイントです。

「なれなれしくならない」距離感

「分かる、分かる」になりすぎて相手の気持ちにズカズカ入るのは問題です。

「話は聞くけど、最終的な決定権(解決するの)はあなたです」

といったスタンスは大切です。

相手とは一定の距離感で

③話しを聞く態度は「落ち着いて」

共感しすぎて自分も同じように不安になったり辛くなったりせず、冷静

落ち着いた口調でゆっくりと話しましょう。

また、時間がない、と焦っている時も「傾聴」はできません。

◯分後、(または)◯時なら時間が取れるのでまた来ていいですか?

時間がない理由を伝え、改めて伺うといいですね。

ゆったりとした態度で安心感を

介護や福祉の業界は専門的な技術を提供しているイメージを持たれる方もいますが、私は「サービス業」だと考えています。

サービス業に「接遇(相手を不快にさせない思いやり)」は欠かせません。

当然、福祉や医療、介護業界にも接遇マナーは存在しています。

接遇マナー5原則
  1. 身だしなみ
  2. 挨拶
  3. 表情
  4. 言葉遣い
  5. 聞く姿勢

1.身だしなみ

  • 服装は派手ではないか
  • 汚れていないか
  • シワが寄っていないか
  • 長い髪は結んでいるか
  • 髪の毛はベタついたりフケなどないか
  • 化粧は派手ではないか
  • 爪は短く整えられているか
  • 香水など香りがきつくないか

重要なのは「清潔感」

2.挨拶

  • 相手の目を見て、笑顔で

介護や福祉の現場では体調が悪い利用者の方もいます。

具合が悪いとき、挨拶とはいえ横で大声で話されると不快に感じます

元気が良いのがOKではないので、体調が悪い方へは配慮が必要です。

車椅子などの方には「目線(目の高さ)を合わせる」といった心配りも

3.表情

  • 口角を少し上げる

普段の何気ない表情が穏やかな人には、話しかけやすいものです。

柔らかな表情は相手をリラックスさせる効果もあります

真顔が笑顔は最大の長所

4.言葉遣い

  • 専門用語はわかりやすく
  • 高齢者や目上の方には敬語や丁寧語
  • 子供や年下でも上から目線の言い方をしない

相手によって話し方や声の大きさ、トーンを考え丁寧語で話す

5.聞く姿勢

  • 寄り添う
  • 理解しようとする
  • 緊張をほぐす

より深く聞く「傾聴」

「きく」の種類は3つ

話を聞く、と言いますがこの「きく」には3種類あります

  • 訊く(尋ねる)
  • 聞く(聞いている)
  • 聴く(より深く、思いまで知るつもりで)

コミュニケーションで一番大切なのは「聴く」ことです。

言いたいこと、思っていることを上手く伝えられない人もたくさんいます

「傾聴」スキルが身につけば、話し下手の人の気持ちも汲み取ることができます。

「訊く」は尋ねること

困っていることはないか?

体調は悪くないか?

介護現場の高齢者は、声をかけてもらうことで「気にかけてくれている」と感じ安心します

「聞く」はあなたの話を聞いている、と伝えること

あいづちうなずき

繰り返し

表情

簡単なテクニックでコミュニケーションスキルはアップします

「聴く」は傾聴

コミュニケーション能力が高い人はトラブルやクレームを未然に防ぐ力も持っています

それにも、「傾聴力」が関係しています。

そもそもクレームはなぜ起こるのか?

クレームが発生するとき

相手の「期待」に対するこちらの対応満足できなかった。もしくは、大きく下回った

・「すぐ来てくれるだろう」

・「話を聞いてくれるだろう」

・「このぐらいはやってくれるだろう」

相手の「〜できるだろう」という期待の水準は人によって違います

○○さんは待ってくれたから、この人も待ってくれるだろう

と私たちが思って行った対応が相手によっては「不満」となりクレームになります

コミュニケーション能力の高い人がクレームを回避できる理由

日頃からコミュニケーションがとれている

接遇マナーを意識している

事前予測ができる

①日頃からコミュニケーションを取っているので相手のことが理解できているのです。

これは「傾聴」スキルによって相手の性格状況の把握信頼関係を築いているといえます。

②接遇マナーができている人は「丁寧に対応してくれる人」という印象を与えています

その時点でその人がクレームを言われるリスクは低くなっています。

むしろ、その人に「あの職員はどうなっているの!?」「あの結果はどうなっているの!?」クレームを伝えられる可能性はあります。

事前予測

事故やケガを未然に防ぐ危険予測にも繋がります。

「今日は欠員がでて忙しいから職員間で段取りを統一するよう声をかけておこう

「〇〇さんは今の時間これをよく言ってくるから先に様子を見ておこうできるできないを伝えておこう)」

✕✕業務が後回しになるから、〇〇さんに遅くなると先に一声かけておこう

などのように「人手不足で起こるトラブル」を予測できることはクレーム回避に繋がります

日頃のコミュニケーションと「傾聴」で相手が理解でき、クレーム回避の効果が期待

クレームが起こったら

相手が「不満」を感じるとクレームが発生します。

〈あなたが原因ではなくてもクレームを言われたときの対応〉

「まず謝罪」が基本なのですが、

最初の謝罪は「不快な思いをかけたことに対しての「申し訳ございません」

クレームの内容によっては、謝罪したことで「認めた」と相手が思い、さらなるクレームに発展する可能性があります。

なので、

しっかり最後まで相手の話を聞いたあと

ご不快な思いをおかけして申し訳ありません。」

と、何に対しての謝罪かをハッキリ伝えましょう。

その後の対応は上司やリーダーに判断を仰ぐこと。

「上の者から改めてご説明、ご対応致します」と伝え、自分の思い込みで対応や発言をしないようにすることもクレーム回避のひとつです。

介護の「きめこ」ちゃん

利用者の方に「声をかける」ことは安心感も与えるし信頼関係も築ける

「声をかける」ことは「伝えるコミュニケーション」だけでなく「聞くコミュニケーション」でもあります。

目標は「きめこ」ちゃんです。

 気配り

 目配り

 心配り

大抵のトラブルやクレームの発生は「きめこ」ちゃんで乗り越えられます!

コミュニケーション能力が高い人は「傾聴」スキルを持っています。

「傾聴」はより深く聞くことを表し、相手が「言いたいけど上手く伝えられない」思いまで聞こうと努力する

それによって相手との信頼関係ができ、安心感を与えるだけでなくクレームも抑えている可能性があります。

介護現場での傾聴は「かきくけこ」を意識して、話すことと聞くことのバランスを3:7にする

私は介護もサービス業だと考えているのですが、介護や福祉の業界においてもサービス業の基本となる「接遇」はとても大切です。

接遇マナー5原則の中にも「聞く姿勢」という項目があり、接遇ができている人は「丁寧な対応をする人」という印象を持たれます。

接遇ができている施設は、職場自体の環境も良くなり利用者さんも安心できることから増収に繋がりますし、トラブルやクレームの回避にも繋がりますので、「接遇」「傾聴」は是非身につけたいスキルですね!

コミュニケーションスキルを磨くのは難しい、と思っている人、方法は一つではないのでできることから始めてみるといいでしょう

コミュニケーションスキル、と捉えるとハードルが高いかもしれませんが、その中の「傾聴」スキルひとつだけでも身につけたい、と思えば少し気が楽になりませんか?

でも、その「傾聴」スキルがアップすればコミュニケーションスキル全体が向上してます!!

福祉・介護ランキング
福祉・介護ランキング にほんブログ村 介護ブログ 高齢者福祉・介護へ
にほんブログ村
タイトルとURLをコピーしました