登場する人物・団体など名称は全て架空の物です

特定の地名なども一切関係ありません。

 

冷えたスイカ

 

第27話 創作文「朋美」

 

 朋美は父親の所でポケバイを止めると父親がエンジンを停止させた
自分でヘルメットを脱ぐと
「お父ちゃん、口が乾いた」
口が乾く要因は緊張と抜かれる時の悲鳴だった
朋美親子は管理棟に寄って練習走行終了を告げて車に戻った。

【スイカ食べるか?】
畑の空地で昼食を済ませて休憩していると畑のおじさんがやって来た
畑のおじさんはもう帰るのかと尋ねると父親はこれから
朋美の母親の墓参りに行くと話した
「時間は取らせないからワシの家で冷えたスイカを用意した
食べてから墓参りに行けばいい」
父親は朋美にスイカ食べるかと聞いた
「お父ちゃん、スーパーで見るあの大きいスイカ?」
畑のおじさんは遠慮はするな女房と2人では食べきれないと
笑いながら誘った
畑のおじさんの自宅は農道の反対側に建っていた
敷地に入ると庭には自分で作ったと思われる
テーブルと椅子が置かれていた

※ 庭先の雰囲気
しおんの部屋。
 
そこは風通しが良くて家屋が日よけになるため涼しかった
話声を聞き付けた奥さんが用意した冷えたスイカを持って来た
遠慮は良いから食べてと言われ親子で食べ始めた
途中で畑のおじさんは朋美が食べているスイカに塩を掛けた
「どうかな?違いは分かるかな?」
朋美は上手く言えないけど美味しく感じると伝えていると
そこへ口直しと言い奥さんが麦茶を用意してくれた。

しおんの部屋。

【寄り付かない孫】
 畑のおじさんの奥さんは麦茶を飲みながら
「亭主にもこの子と同じぐらいの孫がいるんだけど、ここは田舎だから
寄り付かなくてね、ハンバーガーショップやゲームセンターも無いしね

しおんの部屋。
 
確か春先にイチゴを食べさせたと思うけどあの日は大変だったよ
寝るまでその話を聞かされてね、よほど嬉しかったんだね」
奥さんも朋美がスイカを食べる姿を微笑みながら見つめていた。

【お墓参り】
親子はスイカをご馳走になったお礼を言って帰宅し
シャワーを浴びて着替えて朋美の母親の墓参りに向かった
父親はお墓の前で花を供えて線香に火を付けて
2人で手を合わせた
「今日はポケバイに乗って畑のおじさんの家でスイカ食べました」
朋美が初めてお墓の前で体験した事を母親に報告したため
嬉しくなって朋美の頭を撫でて抱き上げて墓地を後にした
※朋美の1日1行日記
『今日はポケバイに乗って畑のおじさんの家でスイカ食べました
夕方はお母ちゃんのお墓詣りも行きました』
 
                            つづく