お客様は神様です。21

お客様は神様です。

「神様は、なぜそのように食べているのですか?」と好き神の食べ方について聞いてみる。

すると「ふぉ、ふぉ、ふぉ。ワシの食べ方はイチゴのショートケーキを一番おいしく食べる方法とでも言うべきかな。もちろんワシにとって一番おいしい方法じゃ。」と少し自慢気だ。

「まず、最初にイチゴを食べるのはダメじゃ。そんなにイチゴを食べたいのならイチゴを買えばよかろう。そして最後に食べるのもワシは我慢が出来ん。よって途中で食べるのがいいのじゃが、でも最後にも食べたい。だから半分なのじゃ。」とさらに詳しく教えてくれた。

「最初は生クリームが付いたスポンジケーキを食べる。すると生クリームのコクと甘味が口の中に広がるじゃろ。そこでイチゴの出番じゃ。イチゴの酸味が加わる事で口の中は幸せでいっぱいになるわけじゃ。新婚さんと一緒じゃな。わははは。おっと。お前さんたちにはまだわからんかのう。すまんのう。」と悪びれる感じもなく謝っている。僕はともかくサラリーマンは結婚していてもおかしくない歳だろう。でも、まあこの見た目じゃ結婚は無理かと。僕は横目でサラリーマンをチラ見したが、目が合ってドキッとした。

「最初にイチゴを食べると、生クリームからイチゴの味に変わる所が味わえんのじゃ。それがショートケーキの醍醐味じゃ。たしかイチゴのショートケーキを考案した、うーんだれじゃったかな?忘れてしまったが、そいつがワシに熱心に話しておったわい。」と嘘のような話をしていたが、神様は嘘はつかないと思うからきっと本当の事なのだろう。それか嘘が好きという可能性もあるが、面倒だから信じることにした。

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