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妻の母~目を盗んで~

俺は深い苦悩に陥っていた。俺は義母と体の関係になってしまった。
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彼女はもうすぐ60歳になるが、その外見は驚くほど若々しく、しばしば和弘よりも若く見られた。俺と妻は12歳離れているが、貴子ともまた同じく12歳の差がある。遺伝子的に若く見られる家系なのか、3人で行動すると、義母が妻、妻が娘のように思われることもあるくらいだ。

貴子は5年ほど前から若年性アルツハイマーを患っており、看病の為同居をしていた。最近病状が悪化し、貴子は俺のことを亡き夫として認識しているようだった。妻はこの状況を理解し、和弘に感謝の意を示しながらも、「迷惑をかけてごめんね」と彼に繰り返していた。だが、その共同生活は予想外の展開を見せる。妻は介護職の為、定期的に夜勤があり家を空ける。そんなある日、湯気が白く浴室を覆い隠している中、静寂を破るように静かにドアが開いた。そこには躊躇いながらも何も言わずに足を踏み入れてきた貴子の姿があった。俺は混乱し、「ちょ、お義母さん、もうちょっとで上がるので待っててください」と言い追い返す。だがこの日以降、こんなことが何度も起こる。貴子は彼を自分の夫だと固く信じ込んでいた。「たまには一緒に入ってよ」と甘い声を出しながら入ろうとしてくる。義母とはいえ他人だ、しかも自分より若く見える美しい女性。この状況に戸惑いながらも、この禁断の誘惑に心が揺れ動いた。貴子の静かな魅力に抗えずにいた自分に、戸惑いと共に深い罪悪感が湧き上がってきた。そして、こういう事態がこの後何度も続き、遂には妻の夜勤中に一緒にお風呂に入るようになってしまった。そこからの展開は早く、すぐに体の関係になってしまった。
しかし、しばらくしたある日の夜、情事中に貴子は俺の名前を呼んだのだ。俺は何も聞こえなかったふりをしていたが、彼女のこの行動は認知症のせいなのか、それとも何か他の感情が彼女を動かしているのか、疑念が心を覆い始めていた。
この疑念は、妻との会話中にさらに加速する。「俺、お義父さんと似てる?」と尋ねると、「ううん、全然似てないよ」と妻は答えた。妻が見せた写真からは、貴子の夫と和弘の間に一切の類似点が無く似ている点すら見当たらなかった。俺の中に渦巻いていた疑念は確信へと変わりつつあった。

妻と何かをするたびに、邪魔するように割って入ってくる貴子。妻は父と勘違いしているのは認知症だから仕方ないと思っているようだが、明らかに貴子は妻に嫉妬をしている。娘を見る目じゃない。貴子は、主人と勘違いしているふりをして、俺との情事を楽しんでいるのだ。だが、こういう関係になってしまっている以上、俺は妻にこのことを話すことは出来ない。

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