アマチュア作家の成り上がり執筆録

素人作家がどこまで高みに昇ることができるのか

【小説の書き方について考える】謎の提起

 面白い小説、読まれる小説に欠かせない要素に「謎」があります。

 ミステリーにとどまらず、現代ドラマであれ、ファンタジーであれ、恋愛であれ、謎がなくては面白くありません。
 僕たちが小説を読む理由はいろいろあると思いますが、知的好奇心を満たしてくれるという要素は非常に大きいと感じます。
 知的好奇心を満たす小説――つまり謎が解き明かされていく面白さを持った小説ということです。

 たとえば恋愛で考えてみましょう。
 ある女性と男性がいたとして、その女性には何か謎めいたところがある。そんな女性に男性は惹かれていく。でも、どうしてもその女性は、男性の想いを受け取ってくれない。
 いったい、彼女が抱えているものは何なんだろう。
 その謎を解くことが、二人の距離を縮め、最後に結び付けさせることにつながるのかもしれません。

 謎を読者に提起し、それを解き明かすことを物語のメインストーリーにすると、読者は緊張感と知的好奇心をもって、次のページを括りたくなります。

 実は僕もこの謎というのをかなり重視していまして、特に長編ではいつも謎の存在を一番最初に持ってきています。
 謎めいた犯人、謎めいた力、謎めいた怪物、謎めいた歴史……
 それを最初に提示することによって、この物語は、この謎を解き明かしていくんだなと読者に暗示するようにしています。

 以前に一話目の重要性という話をしましたが、あそこに付け加えるなら、一話目にこの物語で解き明かそうとしている謎がしっかり書かれているかどうかということが、二話目を読まれる読まれないの差につながっているのかもしれません。

 長編を書いている皆さん、もしあまり読まれないなと思っているなら、一話目を思いっきり変えてみるとか、一話目の前にプロローグをつけてみてはいかがでしょうか。

 こんな謎でいいのかなと悩む必要なんてありません。読者は謎の答えを知らないんだから、思いっきり思わせぶりでいいんです。謎が陳腐すぎて、なんだこりゃって怒られても、それは最後まで読んでくれたってことになるでしょう。それはそれで大成功じゃないですか。

 前も言った通り、完璧なものなんて求めてないんだから、やってみたらいいんですよ。そうして練習していくうちに、謎自体のクオリティや、見せ方も上達していくでしょう。
 もしかしたら、最初怒った人も、おっ、この人、なかなか上達してるじゃないと思ってコメントくれるかもしれません。どんどん切磋琢磨すればいんですよ。カクヨムはそういうもののためにあるんだから。

 

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