恐怖列車を46年ぶりに読みました。
先日、仙山線で仙台にいったときに、あるホラー漫画を思い出しました。
シチュエーションが仙山トンネルにとても似ていて、ちょっと気になるのですね。
すっかり失念していたのですが、ネットを駆使してサルベージに成功です。
そして、46年ぶりに読み返して、怖くて泣きそうになりました。
仙山トンネルを通ると思い出すホラー漫画があります。
仙山線の仙山トンネルは、ぶっちゃけ暗くて狭くて長いトンネルです。
そして、ここを通ると、いつも思い出すホラー漫画があるのでした。
それは、小学5年に進級したとき、新しい教室の古ぼけた本棚にポツンと置かれていたのでした。
タイトルや作者は完全に忘れてしまったのですが、あらすじをおぼろげに覚えているのですね。
たしか、列車旅行でトンネルに入ったトコロで、周りの乗客の様子がおかしくなって。
そのあと、怖いことが立て続けにつづいて、結局は夢オチという話なのでした。
あのときは、夢オチというストーリー構成の巧みさに、とても感心した覚えがあります。
しかし、今となっては、それ以外をまったくもって思い出すことができません。
ちょっと気になったまま、気づけば46年の月日が経ってしまったのでした。
そして先般、配偶者とイケアに行ったときに、あらためてこのコトを思い出したのです。
そこで帰宅後、ネットでいろいろ調べてみたのでした。
まずは、【ホラー漫画 トンネル】で検索しましたが、満足のできる結果がでてきません。
夢オチというワードを追加しても、どうにも的外れなのでした。
そこで、すこし方向性を変えて、作者から調べてみることにしました。
今はホラー漫画の作者も百花繚乱ですが、昔は怖い漫画を描く人は限られていたと思います。
そこで、1970年代のホラー漫画で調べてみると、以下の巨匠がでてきました。
- 水木しげる
- 楳図かずお
- 日野日出志
確かに、当時のホラー漫画といったら、大体このお三方だったと思います。
記憶をたどるに、画風や作風的なトコロで水木さんや、楳図さんではありません。
消去法的に日野さんの可能性が高いと、彼の作品をひとつひとつ確認してみました。
そして、ついにサルベージに成功です。
そう、あのとき新学期の教室で読んだのは、この漫画なのでした。

恐怖列車、もうそのまんまのタイトルでしたね、
ちなみにこの作品、1976年版と1986年版の二つがあって、内容が違うようです。
もちろん、私が読んだのは、1976年版の方でしょうね。
kindle版で読んでみました。
ということで、さっそくkindle版を読んでみました。
物語の序盤、このトンネルに入ったときの描写が懐かしいですね。
本当に、この雰囲気は仙山トンネルに似ていると思います。

やっと、このシーンに再会することができました。
気づくと、一緒に旅してる友人以外の乗客が全員ゾンビになっている。
これは、小学生だった私にはインパクト大でしたね。

私の記憶では、車内で怖いことが続くイメージでしたが、列車は無事に東京駅に到着です。
そして、家に帰ると、父さんと母さんが殺人鬼になっていて追いかけまわされるのでした。

このあたりからは、まったく覚えていなくて苦笑いですね。
とはいえ、こんなに怖かったかと思うぐらいに恐怖の展開なのでした。
とにかく、ビルとビルの間に板を渡したり。

薄気味悪い下水道なんかを逃げまわります。

しかし、逃げても逃げても、殺人鬼の父さんと母さんが執拗に追いかけてくるのですね。
そして、逃避行の中、一緒に旅行に行った友だちも、ひとり、またひとりと亡くなるのでした。
恐怖に絶望がプラスされて、物語はクライマックスに突入します。
ひさしぶりに読んだら、怖くて泣きそうになりました。
終盤、ようやく助けてくれそうなお巡りさんがでてきます。
しかし、彼もまた、あえなく逝ってしまうのでした。
この恐怖と安堵の緩急が、実にホラーですね。

そして、こんな感じで絶体絶命のトコロで目が覚めます。

まずは、夢オチというコトで一安心ですね。
現実はトンネル事故で、一緒に旅行に行った友人を含めて多くの人が亡くなったとの由。
現実とあの悪夢はリンクしていたのかと思わせるトコロがまた、ストーリー的に俊逸です。

ということで、記憶ではこれでハッピーエンドのハズでした。
ところが、ここも記憶違いで、ラストシーンはエルム街の悪夢です。

深夜に仕事部屋で読みましたが、かなり怖くて泣きそうになりましたね。
さすがは、日野日出志さん、46年経っても色あせない、すばらしいホラー漫画でした。
しかし、46年前のあの教室に、どうしてこの漫画が一冊置かれていたのでしょう。
いま考えると、それもまたちょっとホラーですね。
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