同一エリアに2店舗目を出すという決断──共食いリスクを承知で挑んだ結果、売上は予想を超える減少に。何が起きたのか?
1店舗目がオープンしてから5年目にさしかかったときです。
経営もなんとか順調に推移してはいました。
ただ、一番良かったころからみると安定期を過ぎて衰退期にさしかかって
いた頃と思われます。
近隣にもすこしづつコンビニが出来始めた時期でもあります。
この店舗だけでは将来ジリ貧になると感じていました。
そんな時、FC本部のほうから話がありました。
“ もう1店経営しませんか? ”
という打診でした。
店舗候補地を数箇所紹介されました。
いまいち納得のいく候補地がないまましばらくは、忘れかけていました。
そんな時です。
1店舗目から距離にして約500メートルのところに候補地の話がきました。
道路としては1店舗めと並行に走るのですが、約500mの距離があるので
経営的には成り立つというFC本部の見解でした。
ただ、商圏がまったくバッティングしないかといえば、そうは言い切れない
という立地でもありました。
正直悩みました。
当時まだ1店舗目の借金返済も終わってません。
やるとなればまた新たな借入を起こすことになります。
とてもリスクが大きいことも躊躇する要因でした。
ただ店舗予定地は約300坪と広く、駐車場も広くとれるので
これからの時代に合った理想的な予定地でした。
でも、もし自分がそこへ出店すれば、1店舗目の売上に必ず影響
が出るだろう。
共食い状態がどの程度影響するだろうか?
悩みました。
そして数日がたった頃、FC本部の新規開発の担当者から思わぬ話
をされたのでした。
FC本部としては、他のFCとその候補地の取り合いになっている
との事。
そしてFC本部としては、どうしてもその候補地を他のFCに取られる
のは困るとの話でした。
FC本部の結論としては、私がその候補地での経営を断ったとしても
他のオーナーを探してでも出店するというものでした。
私としてみれば、他の人に経営されると1店舗目との競合で、目減り
するのは目に見えています。
結果1+1<2という売上予想が考えられる状況で、2店舗目を経営
することとなりました。
さて待望の?2店舗目がオープンしました。
法人として複数店舗を持って、さぁ!がんばるぞ!
500m離れた1店舗目の影響が気になるところです。
俗に言う “ 共食い ”状態です。
当初の予定(希望に近い予定ですが)は、約10%減でした。
フタをあけてみたらどうなったと思いますか?
結果約20%減の売上となりました。
思っていた希望的予定売上は、見事に外れました。
ところで、1店舗が2店舗になることでいろんなことが変わりました。
あたりまえですが従業員数は倍になりました。
今まで1店舗のみを運営・管理していたのが、2店舗となると弊害
も出てきました。
私自身も片方の店舗にシフトとして入っている状況もあって、
もう1店の店長にある程度まかせることになります。
今まで四六時中自分が対応したり指示したりしていたことが、
同じとまではいかなくても、8割方できるように店長を育て
なければなりません。
スタッフの教育も同時進行です。
正直、ものすごく忙しい状況が続きました。
それでも何とかある程度の形になって、やっと運営が軌道にのって
きたのが2店舗目がオープンしてから6ヶ月目くらいからでしょうか。
大変でしたが、1店舗目のオープンにくらべればまだ楽なほうでした。
スタッフ自体も半分近くは経験者(1店舗目のスタッフ)だったので、
そういう面では助かりました。
1+1<2という状況で、2店舗を経営することになったわけですが、
ちょうど2年目に大変な問題が起きることとなります。
詳しくは次回お話します。
最後までお読みいただきましてありがとうございました。