時事問題が情報洪水で裁き切れない事態になってきている。どれも要注意だらけ。国会でも、1日に原発問題に触れたようですが、それに切り込む余力もない程、国際情勢が目まぐるしく動いている。それも懸念している方向性ですかね。国際社会の分断が進行している。その先にはブロック圏が形成されてゆき、ひょっとしたらエマニュエル・トッドが指摘しているような世界大戦の構図にもどんどん近づいてしまっている。また、そうなった場合にはノーム・チョムスキーが指摘したように「使用可能な核兵器を開発しているのだから使用する事になると考えるべきである」という指摘も、自ずと接近してきていると考えねばならない訳で。
2月2日付の朝日新聞に目を通すだけでも、結構な進展具合であるように思える。国際7面では、来日中のNATO事務総長であるストルテンベルグ氏が朝日新聞のインタビューに回答した内容が記事にされている。論旨としては「中露に対抗する為に日本との結束を図りたい」という意図であるのが分かる。少しだけ引用します。
日本がNATO各国の防衛費の基準「国内総生産(GDP)比2%」を参考に防衛費増額を決めたことには、「この決定で日本は平和のために、よりいっそう強力なパートナーになるだろう。NATO友好国の中で日本ほど能力がある国はない」と評価した。
これまでの日本のウクライナに向けての支援についても「多大なる支援」と評価し、その上で、
「差し迫って必要なのは燃料や医薬品、発電機など、戦争に勝利することを確実にする支援だ」とも述べ、支援強化を促した。
とある。今に始まったことではありませんが、この方向性で大丈夫なのだろうかというのが、本来的な戦争リスクの問題であると思う。その前日には、ゼレンスキー大統領が西側諸国に対して戦闘機の支援要請をしているという記事が掲載されていましたが、第一次世界大戦と第二次世界大戦とのケースで、何故、世界大戦になったのかを振り返れば、このような支援要請のやりとりをしている内に世界がA陣営とB陣営のように陣営毎に別れて行って世界大戦という道へに到った事を想起させるような困った動静にも思える。多くの国民が自覚しない内に、その陣容に日本国及び我々も《組み込まれつつある》といった認識が注意深く語るべき、現況であると思う。
また、同7面では国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチがウクライナ軍が数千個の対人地雷を使用していたという記事がある。これは仮に戦争に対して人道的に語るのであれば看過できない問題にもなってくる。少しだけ引用すると、
ウクライナ軍はロシア軍を標的に「バタフライ地雷」や「花びら地雷」と呼ばれる空中散布型の対人地雷(PFM)を使用したとしている。
ロシア側も地雷を使用しているとして、ウクライナは調査を要請されているが、ウクライナ側は「使用した兵器については終戦までコメントできない」と返答しているという。ロシア側の非人道的な虐殺に我々は触れる事が多く、実際にそのような報道環境でニュースを処理してきている訳ですが、実際問題として殺し合いになってしまうと、人道もヘッタクリもないという状態になる事を証明していると思う。つまり、それは非人道的であるとか、それは人道的にも許される兵器・作戦であるという具合のアプローチは、実際に殺し合いをしている戦争の現場には通用しない事を意味しているのかも知れない。
昨日、イランの問題について少し触れたのでしたが、同じ国際7面では先月29日に発生したイラン軍需工場爆発についての原因が分かって来たという報道がある。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは29日、複数の米当局者の話として、攻撃はイスラエルによるものだったと報道。またイスラエルメディアは、この攻撃に同国の情報機関モサドが関与したと報じた。〜略〜ウクライナ侵攻をめぐりイスラエルは、自国が敵対する隣国シリアにロシアが大きな影響力を持つため、安全保障上の観点から米欧主導の経済制裁には加わっていない。米紙ニューヨーク・タイムズは29日、今回の攻撃について、イスラエルはあくまでも自国の利益のために行い、ロシアへのミサイル輸出阻止を試みるものではない、とする複数の米当局者の見方を報じた。
イランでは以前から軍事関係の技術者らがたびたび不審死を遂げ、イスラエルの関与が取りざたされてきた。
イスラエルでは昨年末、ネタニヤフ氏が首相に返り咲き、史上最も右翼的とされる政権が発足。ネタニヤフ氏は1月30日、〜略〜「私は、イランが核兵器を保持し、兵器の運搬ができるようになることを防ぐためには、あらゆる手段を使う」と強調した。
これは、まさしく最大の火薬庫にして、ホントに終末論としての定番でもあるハルマゲドンの大本命の地域でもあるだけに非常にマズい状況になっていると思う。ネタニヤフ氏の新政権は既にパレスチナ自治区に対しても空爆を実施し、報復テロを呼んでいる。更に、イスラエルでもネタニヤフ新政権の登場によって民主主義が危機になるとしての大規模なデモさえ起こっている。
新聞の国際面に目を通しながら、脳裡に浮べていたものは「エゼキエル書」であった。マゴグの地のゴグは、北からやってくる。来ないのであれば、こちらから引っ張り出して見せるという薄気味の悪い神の預言が大昔からある。「そんなものを信じているの?」と、あなたは侮蔑と、嘲笑の笑みを浮かべるかも知れない。しかし、もうシャレにならないような国際情勢になってきている。冗談のように現実が預言に近づいてきてしまっている。
これだけ世界が分断されてしまうと、結束力の堅い一部の狂信的な人たちが物事の決定権を握ってしまうという事態は起こり得る。【キャスティング・ボート】とは、改めて説明するまでもなく、二大勢力が伯仲しているとき、第三党が決定権を持つことになるを指す言葉ですが、そういう状況になる事も充分に視野に入ってきてしまったと思う。(この世界的大混乱の中で、まさかネタニヤフ大統領が返り咲くなんて考えなかったけど、実際に、起こってしまっている。)
既に、我々は「トランプ現象」の中で、その支持基盤の中には「キリスト教原理主義者」や「キリスト教福音派」等の名称で紹介された人たちをニュース映像で視ている筈だ。これはホワイトハウスを取り囲んだデモの方で、議会を襲撃した方ではありませんが、実際にアメリカにも存在しているし、おそらくイスラエルにも存在していると考えられる。つまり、何が言いたいのかというと、潜在的に「イエスの再臨」を信じている人たちというのが現在でも存在しているという事であり、イエスが再臨する前には大破局が起こるというのが彼等が信じている終末論なのだ。
また、余りにもイスラエルに対しての知識が偏ってしまっている事の大問題がある。ノーム・チョムスキーは米国籍ですが実はユダヤ人であり、そのチョムスキーは『崩壊する世界の標』(NHK新書出版)の中で、次のように言及している。
リベラルな国々では、イスラエルはパーリア国家(注:国際社会から疎外されている国家)とみなされている。実際、自らを進歩的な民主主義者だとみなしている人々のほとんどは、イスラエルよりもパレスチナ人の権利を支持しているよ。ユダヤ系の若者たちにも、どちらかというとその傾向が強い。
イスラエル自体が極端な保守主義へ移行したため、イスラエル支持者も極端な保守派に変わった。だから、アメリカでイスラエルを支持しているのは、いまでは共和党なのだよ。共和党の福音派、超国粋主義者、軍需産業に関わる人々だ。アメリカの軍需産業はイスラエルと非常に緊密な関連があるからね。
最早、「世も末」というフレーズも、気休め的なニュアンスが薄れて来てしまっているかも知れない。オカルトであった筈のものに現実が吸い寄せられてゆく――。
拙ブログ:「黙示録」と「反キリスト」〜2021-06-20
拙ブログ:「救世主」と「マゴグの地のゴグ」〜2013-08-29
⇧⇧⇧
「エゼキエル書」とか「イエスの再臨」とか、一体全体、何を言っているのかさっぱり分からんぞ、という場合は、過去記事に目を通してみてね。非常にイヤらしいシナリオが思い描けてしまうところがある。
ロシアとイランの接近、それに加えてトルコとシリアとの関係性がある。ストックホルムのコーラン焼きパフォーマンスはアラブ諸国からも反感を買っている。そしてアメリカも西側諸国も、イスラエルに加担してきてきまった負の歴史があり、そこから路線変更できないでいる中で、イスラエルにウルトラ国粋主義のネタニヤフ新政権が実際に登場してしまい、既に小競り合いを起こしまくっているという事である。また、西側諸国の軍需産業はイスラエルと根深い繋がりを持っている。どこがホットスポットになってしまっているのかは、推測がつくでしょう。しかも歴史的には自業自得のような側面も大きい。
2月2日付の朝日新聞に目を通すだけでも、結構な進展具合であるように思える。国際7面では、来日中のNATO事務総長であるストルテンベルグ氏が朝日新聞のインタビューに回答した内容が記事にされている。論旨としては「中露に対抗する為に日本との結束を図りたい」という意図であるのが分かる。少しだけ引用します。
日本がNATO各国の防衛費の基準「国内総生産(GDP)比2%」を参考に防衛費増額を決めたことには、「この決定で日本は平和のために、よりいっそう強力なパートナーになるだろう。NATO友好国の中で日本ほど能力がある国はない」と評価した。
これまでの日本のウクライナに向けての支援についても「多大なる支援」と評価し、その上で、
「差し迫って必要なのは燃料や医薬品、発電機など、戦争に勝利することを確実にする支援だ」とも述べ、支援強化を促した。
とある。今に始まったことではありませんが、この方向性で大丈夫なのだろうかというのが、本来的な戦争リスクの問題であると思う。その前日には、ゼレンスキー大統領が西側諸国に対して戦闘機の支援要請をしているという記事が掲載されていましたが、第一次世界大戦と第二次世界大戦とのケースで、何故、世界大戦になったのかを振り返れば、このような支援要請のやりとりをしている内に世界がA陣営とB陣営のように陣営毎に別れて行って世界大戦という道へに到った事を想起させるような困った動静にも思える。多くの国民が自覚しない内に、その陣容に日本国及び我々も《組み込まれつつある》といった認識が注意深く語るべき、現況であると思う。
また、同7面では国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチがウクライナ軍が数千個の対人地雷を使用していたという記事がある。これは仮に戦争に対して人道的に語るのであれば看過できない問題にもなってくる。少しだけ引用すると、
ウクライナ軍はロシア軍を標的に「バタフライ地雷」や「花びら地雷」と呼ばれる空中散布型の対人地雷(PFM)を使用したとしている。
ロシア側も地雷を使用しているとして、ウクライナは調査を要請されているが、ウクライナ側は「使用した兵器については終戦までコメントできない」と返答しているという。ロシア側の非人道的な虐殺に我々は触れる事が多く、実際にそのような報道環境でニュースを処理してきている訳ですが、実際問題として殺し合いになってしまうと、人道もヘッタクリもないという状態になる事を証明していると思う。つまり、それは非人道的であるとか、それは人道的にも許される兵器・作戦であるという具合のアプローチは、実際に殺し合いをしている戦争の現場には通用しない事を意味しているのかも知れない。
昨日、イランの問題について少し触れたのでしたが、同じ国際7面では先月29日に発生したイラン軍需工場爆発についての原因が分かって来たという報道がある。
米紙ウォールストリート・ジャーナルは29日、複数の米当局者の話として、攻撃はイスラエルによるものだったと報道。またイスラエルメディアは、この攻撃に同国の情報機関モサドが関与したと報じた。〜略〜ウクライナ侵攻をめぐりイスラエルは、自国が敵対する隣国シリアにロシアが大きな影響力を持つため、安全保障上の観点から米欧主導の経済制裁には加わっていない。米紙ニューヨーク・タイムズは29日、今回の攻撃について、イスラエルはあくまでも自国の利益のために行い、ロシアへのミサイル輸出阻止を試みるものではない、とする複数の米当局者の見方を報じた。
イランでは以前から軍事関係の技術者らがたびたび不審死を遂げ、イスラエルの関与が取りざたされてきた。
イスラエルでは昨年末、ネタニヤフ氏が首相に返り咲き、史上最も右翼的とされる政権が発足。ネタニヤフ氏は1月30日、〜略〜「私は、イランが核兵器を保持し、兵器の運搬ができるようになることを防ぐためには、あらゆる手段を使う」と強調した。
これは、まさしく最大の火薬庫にして、ホントに終末論としての定番でもあるハルマゲドンの大本命の地域でもあるだけに非常にマズい状況になっていると思う。ネタニヤフ氏の新政権は既にパレスチナ自治区に対しても空爆を実施し、報復テロを呼んでいる。更に、イスラエルでもネタニヤフ新政権の登場によって民主主義が危機になるとしての大規模なデモさえ起こっている。
新聞の国際面に目を通しながら、脳裡に浮べていたものは「エゼキエル書」であった。マゴグの地のゴグは、北からやってくる。来ないのであれば、こちらから引っ張り出して見せるという薄気味の悪い神の預言が大昔からある。「そんなものを信じているの?」と、あなたは侮蔑と、嘲笑の笑みを浮かべるかも知れない。しかし、もうシャレにならないような国際情勢になってきている。冗談のように現実が預言に近づいてきてしまっている。
これだけ世界が分断されてしまうと、結束力の堅い一部の狂信的な人たちが物事の決定権を握ってしまうという事態は起こり得る。【キャスティング・ボート】とは、改めて説明するまでもなく、二大勢力が伯仲しているとき、第三党が決定権を持つことになるを指す言葉ですが、そういう状況になる事も充分に視野に入ってきてしまったと思う。(この世界的大混乱の中で、まさかネタニヤフ大統領が返り咲くなんて考えなかったけど、実際に、起こってしまっている。)
既に、我々は「トランプ現象」の中で、その支持基盤の中には「キリスト教原理主義者」や「キリスト教福音派」等の名称で紹介された人たちをニュース映像で視ている筈だ。これはホワイトハウスを取り囲んだデモの方で、議会を襲撃した方ではありませんが、実際にアメリカにも存在しているし、おそらくイスラエルにも存在していると考えられる。つまり、何が言いたいのかというと、潜在的に「イエスの再臨」を信じている人たちというのが現在でも存在しているという事であり、イエスが再臨する前には大破局が起こるというのが彼等が信じている終末論なのだ。
また、余りにもイスラエルに対しての知識が偏ってしまっている事の大問題がある。ノーム・チョムスキーは米国籍ですが実はユダヤ人であり、そのチョムスキーは『崩壊する世界の標』(NHK新書出版)の中で、次のように言及している。
リベラルな国々では、イスラエルはパーリア国家(注:国際社会から疎外されている国家)とみなされている。実際、自らを進歩的な民主主義者だとみなしている人々のほとんどは、イスラエルよりもパレスチナ人の権利を支持しているよ。ユダヤ系の若者たちにも、どちらかというとその傾向が強い。
イスラエル自体が極端な保守主義へ移行したため、イスラエル支持者も極端な保守派に変わった。だから、アメリカでイスラエルを支持しているのは、いまでは共和党なのだよ。共和党の福音派、超国粋主義者、軍需産業に関わる人々だ。アメリカの軍需産業はイスラエルと非常に緊密な関連があるからね。
最早、「世も末」というフレーズも、気休め的なニュアンスが薄れて来てしまっているかも知れない。オカルトであった筈のものに現実が吸い寄せられてゆく――。
拙ブログ:「黙示録」と「反キリスト」〜2021-06-20
拙ブログ:「救世主」と「マゴグの地のゴグ」〜2013-08-29
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「エゼキエル書」とか「イエスの再臨」とか、一体全体、何を言っているのかさっぱり分からんぞ、という場合は、過去記事に目を通してみてね。非常にイヤらしいシナリオが思い描けてしまうところがある。
ロシアとイランの接近、それに加えてトルコとシリアとの関係性がある。ストックホルムのコーラン焼きパフォーマンスはアラブ諸国からも反感を買っている。そしてアメリカも西側諸国も、イスラエルに加担してきてきまった負の歴史があり、そこから路線変更できないでいる中で、イスラエルにウルトラ国粋主義のネタニヤフ新政権が実際に登場してしまい、既に小競り合いを起こしまくっているという事である。また、西側諸国の軍需産業はイスラエルと根深い繋がりを持っている。どこがホットスポットになってしまっているのかは、推測がつくでしょう。しかも歴史的には自業自得のような側面も大きい。
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