縦断的マルチオミクス統合研究により、急性COVID-19の重症度と死亡率に関連する免疫プログラムが明らかになった


Integrated longitudinal multiomics study identifies immune programs associated with acute COVID-19 severity and mortality

Jeremy P. Gygi, et al.
The Journal of Clinical Investigation 134 (9), 2024

https://www.jci.org/articles/view/176640

背景

COVID-19で入院した患者は多様な臨床転帰を示し、初期の重症度が他の患者と類似しているように見えても、時間とともに転帰が異なってくる患者もいる。 全疾患経過にわたる分子および細胞プロファイルを系統的に評価することで、免疫プログラムとその連携と進行の不均一性を関連付けることができる。

1,152人のImmunophenotyping Assessment in a COVID-19 Cohort(IMPACC)研究参加者の10種類のアッセイを統合し、臨床転帰の差の有意な要因であるいくつかの免疫カスケードを同定した。

結果

重症度の増加は、免疫抑制代謝産物の初期のアップレギュレーションに始まり、炎症性サイトカインのレベル上昇、凝固の徴候、好中球細胞外トラップの形成、T細胞の機能異常といった時間的パターンによって引き起こされた。 重症患者の28日死亡率を予測する第2の免疫カスケードは、血漿中IgsとB細胞の減少とIFN応答性の異常によって特徴づけられていた。 われわれは、IFN刺激遺伝子とIFN阻害因子の間のバランスの崩壊が、COVID-19死亡率の重要なバイオマーカーであり、致死的疾患を有する患者におけるウイルスクリアランスの失敗に寄与している可能性があることを示した。

結論

われわれの縦断的マルチオミクスプロファイリング研究により、疾患の進行を説明しうる多様なオミクスの時間的協調が明らかになり、COVID-19で入院した患者、特に重症の患者を対象とした治療法の開発に役立つ知見が得られた。

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