ウルフズ・コール(2019年) | 勝手に映画紹介!?

ウルフズ・コール(2019年)

 

【鑑賞日:2020年9月28日】

 

本来なら公開初日の9月25日、週一のシネプレックスの会員デーで見ようと思っていたんだけど、空模様が芳しくなく、ついでに自分の体調も優れなかったので(コロナじゃないっすよ…寝不足と飲みすぎかな?)、鑑賞を先延ばしにした「ウルフズ・コール」を見てきた。6ポイントで鑑賞が無料になるCLUB-SPICEメンバーズカードのポイントが、既に9ポイント貯まっていたので、会員デーの割引のかわりに、タダで見ちゃおうと。割引のない平日の早朝、シネコン内の一番スクリーンがでかい、座席数が多い8番スクリーン、オイラ以外客もほとんどいなくて最高!

 

フランス海軍チタン号はシリアに潜入中の特殊部隊を極秘に回収するため、海底で待機していたが…謎の潜水艦と遭遇。その後、敵ヘリコプターにも発見され、とんでもない危機を招いてしまう。それはチタン号に乗艦していた、“黄金の耳”と呼ばれる分析官シャンテレッドの判断ミスが大きな要因だった。なんとか本国に無事帰還できたチタン号。シャンテレッドは上官の命令を無視して、謎の潜水艦の正体を躍起になって探ろうとする。やがて真相を突き止めたシャンテレッドは、新型の原子力潜水艦のソナー要員になるべく、必死に訓練と試験を受けるが…。

 

フランス製の潜水艦映画です…たぶん、コロナ禍じゃない平常時だったら、ハリウッド大作の間に埋もれて、とうてい、地元のシネプレックスなんかじゃ上映してくれなさそうな作品。辻堂の109シネマズか、小田原のTOHOシネマズあたりまで繰り出さなきゃいけなかっただろうなぁって思える感じの作品でした。そういえば、今週末の土曜日から、約2か月遅れで“劇場版「Fate/stay night [Heaven's Feel]III.spring song」”の上映も始まる…「Fate~」を見に行くかは気分次第だけど、どうせなら「劇場版 ヴァイオレット・エヴァーガーデン」もやってくんねぇかな~??

 

とまぁ、話はちょっと横道にズレたけど…ここから本編の感想です。簡単に内容を説明すると(あくまでオイラが受けた印象)、「沈黙の艦隊」+「空母いぶき」という、かわぐちかいじチックなストーリーに、おフランスらしいちょっとアンニュイな(どうでもいい)ラブストーリー要素も混ぜ込んで…一応、潜水艦映画としての見せ場もしっかりあるよみたいな感じです。潜入していた特殊部隊の回収という出だしも、けっこうベタだよね…昨晩、テレビ神奈川で海外ドラマの「ラスト・リゾート 孤高の戦艦」が始まって、ちょうど第1話を見たんだけど、序盤がすげー似てた。

 

この冒頭の潜水艦アクションはかなり見ごたえあり…予告編なんかでも使われている、甲板上にいるクルーが、ヘリに向かってロケットランチャーをぶっ放したり、けっこう緊迫感のあるシーン、展開なんだけど、こんなクライマックスみたいなのを、こんな最初から見せちゃっていいのって思った。あと、この序盤だけじゃないんだけど…戦闘態勢に入った潜水艦内の描写全般で、他の潜水艦映画ではあまり見ないような作業なども多く出てくる。たとえば、敵にロックオンされると、衝撃に備えるため…乗組員が慌ててモニターに養生テープを貼ったりするのよ。

 

意外と、今までこういう描写って、見なかったよね?あとはもしもに備えて…直ぐにみんなガスマスク?酸素マスク?とにかくマスクなんかも装着するし。後半の重要な部分で出てくる…核ミサイル発射までのプロセスとかも、かなり詳細に描いてあって、過去の戦争映画、潜水艦映画からのイメージで、もっとアナログなものを想像してたんだけど、そうだよね、今はこれくらいハイテクになってるよねって…ミリタリー的にけっこう珍しい描写っていうのは拝める(マニアから見たら常識かもしれないけど、知識がみんな映画からの俄かミリオタのオイラには新鮮)。

 

ただね、最初のミッションをなんとか切り抜け、いったん、主人公たちが母国に帰還…主人公は、自分のミスを挽回しようと、上官の命令まで無視して、自分たちを窮地に貶めた謎の潜水艦の正体を突き止めることに執念を燃やすという中盤のくだりが、かなり退屈なんだ。特に、主人公のラブストーリーがマジで邪魔。潜水艦の正体を調べるのに、難しい数学の専門書が必要になり、町の本屋へと繰り出す主人公。そこで美人の店員に一目ぼれし、自分の職業を“出し”にして、女を口説く。会ったばかりの女に、そんな機密に関わるようなこと喋っていいのか?

 

っていうか…お国柄なのかなんなのかしらんけど、出会った当日に、ヤっちゃう女の方もま、見かけによらず股が緩い。確かに映画の主人公なんで、男の方もそこそこイケメンよ。まぁ、このあたりの展開の雑さが…日本人から見ると、ちょっとなぁとも思うんだ。いや、素人目にはミリタリー的な描写がけっこう本格的で、リアルに見えてしまうし、急展開する後半も緊張感あるシーンがかなりいっぱいあるんだけど…最後まで見ると、けっこうメチャクチャだったな。うまく“男泣き映画”のように話を持って行ってるけど…“フランスの軍人って馬鹿じゃん”って話でもある。

 

なんつーか、“陰謀の真犯人に踊らされすぎ”じゃん。それぞれ軍人のプライドとかもあるしさ…ごめんで済んだら警察はいらねって理屈なんかともどこか近いかな?上からの命令というのは、そう簡単に覆せるもんじゃねえんだ…だから、何事も発言は責任を持てという教訓だ。やたら後味が悪い、自業自得な「クリムゾン・タイド」だったな。教訓といえば…主人公の方は、国の平和、世界の平和を守るんだったら、“女に現を抜かしてんじゃねぇ”って感じかな?まさかあんなこと、あんなとこで挫折?せっかくの盛り上がりを返せって、ツッコミを入れたくなった。

 

まぁ、そこからの急展開はかなり驚けるし…そう考えると、オイラが“不要”と考えたダレ場なんかも、逆にあれがあったからよかったのかも?なんて、ちょっと寛容な気持ちにもなれるんだけど。潜水艦乗りの主人公が陸で真相を突き止めるという部分が…やっぱり「沈黙の艦隊」の1巻で、“潜水艦やまなみ圧壊の真相を突き止めようとする潜水艦たつなみの水測長”を彷彿とさせた。ソナーをメインに扱った作品らしく、音にこだわっているのは間違いなく、音響づくりをちゃんと“スカイウォーカー・サウンド”でやってるらしいというのが、エンドロールを見ているとわかる。

 

 

監督:アントナン・ボードリー

出演:フランソワ・シヴィル オマール・シー マチュー・カソヴィッツ レダ・カテブ パウラ・ベーア

 

 

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