今回はダイビング器材のBCD(浮力調整具)について各部の名称や使用方法を紹介します。BCD(浮力調整具)とはダイビングで使用する浮力を調整するための器具で、日本語では浮力調整具の意味になります。
BCD(浮力調整具)の各部の名称がわからないとインストラクターから「インフレーターの給気ボタンを押して下さい」や「ダンプバルブから排気して下さい」などの指示があっても戸惑ってしまう可能性があります。
記事の内容は「BCD(浮力調整具)とは?」「BCD(浮力調整具)の各部の名称」「水面のBCD(浮力調整具)の使用方法」「水中のBCD(浮力調整具)の使用方法」「BCD(浮力調整具)とは? まとめ」に分けて紹介します。
BCD(浮力調整具)の各部の名称や使用方法を理解することによって、これから安全にダイビングを楽しむことができるようになります。ダイビングを始めたばかりの初心者やブランクが空いて忘れてしまっているダイバーには必見の内容です。
目次
BCD(浮力調整具)とは?
BCD(浮力調整具)とはダイビングで使用する浮力を調整するための器具で、英語のBuoyancy Control Device(ボイヤンシー・コントロール・デバイス)の頭文字をとって、BCD(ビー・シー・ディー)と略しています。
BCDは日本語では浮力調整具の意味になります。浮力は物体が水などの液体に上向きに浮く力を意味します。
BCD(浮力調整具)は水面で休息する場合や緊急時のための救命胴衣の役割を担っています。もし、タンクの空気がない場合は簡単に口で膨らませることも可能です。
又、水中では深度コントロールや浮きも沈みもしない中性浮力のコントロールが必要になります。BCD(浮力調整具)はブラダー(空気袋)の空気量を調整してコントロールが可能になります。
BCD(浮力調整具)の各部の名称


一般的なBCD(浮力調整具)の各部の名称と役割を下記に記載します。最もシェア率が高いショルダータイプのBCD(浮力調整具)を例にします。レンタル器材にも幅広く使用されています。
チェストベルト – 胸部を調整するためのベルト
ダンプバルブ – ブラダー(空気袋)内の空気を抜くためのバルブ
ショルダーベルト – 肩部を調整するためのベルト
Dリング – カメラやアクセサリーとつけるためのリング
ブラダー – 浮力を調整するための空気袋
インフレーターホース – インフレーターとブラダーと繋ぐためのホース
ハーネス – ブラダーと身体を固定するためのプレート
給気ボタン – ブラダーに空気を入れるためのボタン
インフレーター – ブラダーの空気を調整するためのアダプター
排気ボタン – ブラダーの空気を抜くためのボタン
ウエストベルト – 腹部を調整するためのベルト
タンクベルト – タンクとハーネスを固定するためのベルト
水面のBCD(浮力調整具)の使用方法
BCD(浮力調整具)は水面で休息する場合や緊急時のための救命胴衣の役割を担っています。ダイビングのエントリー前はBCD(浮力調整具)にしっかりと給気してからエントリーするようにしましょう。
エントリー前に空気を入れるのを忘れてしまうと船からエントリーする場合はそのまま沈んでしまう危険性があります。ビーチの場合もフィンを履く時などに転んでしまうとそのまま沈んでしまいます。
潜降するときは体をしっかりと起こして、BCD(浮力調整具)の空気を肩に集めます。インフレーターホースを曲げないように真っすぐに伸ばして、空気の通り道を作ってから排気ボタンを押してください。


エキジットの場合も水面に顔を上げたらまずは給気するクセをつけましょう。給気を忘れるとラダー(はしご)から手が離れてしまった場合に沈んでしまいます。足が届かない場合は水中に引き戻されてしまいます。
水面で休息する場合や漂流してしまったなどの緊急時は水面でBCD(浮力調整具)にしっかりと給気して助けを待ちます。
もし、タンクの空気がない場合はインフレーターの開口部から口で空気を送り込み、BCD(浮力調整具)を膨らませることも可能です。排気ボタンを押すと空気の通り道を防いでいる弁が開くのでタイミングを合わせて口から空気を送り込みます。
水中のBCD(浮力調整具)の使用方法
ダイビングでは、浮輪や船のように水に浮く物体を「プラス浮力」、岩や鉄のように水に沈む物体を「マイナス浮力」と言います。ダイバーは水中で浮きも沈みもしない中性浮力で泳ぎます。
中性浮力は上手になると、まるで宇宙飛行士のように無重力で空を飛んでいるように感じることができます。地形的なダイビングポイントや中層を泳ぐドリフトダイビングも楽しめるようになります。
BCD(浮力調整具)の給気について
BCD(浮力調整具)にはインフレーターの給気ボタンを押して空気を入れます。水中では確認しながらゆっくりと空気を足していきます。実際に身体が浮いてくるのを感じるまでにタイムラグが数秒あります。
空気を入れ過ぎるとあっという間に浮上してしまうので気を付けましょう。
給気する量は深度ごとに変化します。例えば水深5Mで中性浮力の状態でも、同じ空気量のままでは水深10Mでは空気が圧縮されてマイナス浮力になります。深くなればなるほどBCDには給気が必要です。
慣れるまでは泳いでいる間は中性浮力で静止するとゆっくりとフィン先が着底するぐらいがちょうど良いです。
BCD(浮力調整具)の排気について


BCD(浮力調整具)はインフレーターの排気ボタンを押して空気を抜きます。給気ボタンは押せば簡単に空気が入りますが、排気ボタンの使用にはコツが必要です。
BCD(浮力調整具)から空気が抜ける構造を理解することで排気が上手になります。排気ボタンは自動ではなく、押すことにより排気口の弁が開き、空気の通り道ができます。
空気はプラス浮力なので通り道ができれば、水面に向かって移動してBCDから抜けていきます。水中で泳いでいるときダイバーは水平姿勢を取り、水の抵抗を減らします。
しかし、そのままの姿勢で排気ボタンを押してもBCD(浮力調整具)の空気は背中に溜まったままで抜くことができません。一度、身体を起こして、直立させてから、インフレーターホースを水面方向に真っすぐにして排気ボタンを押します。
BCDにはインフレーターの排気ボタン以外にも空気を抜く方法があります。「ダンプバルブ」と呼ばれる排気バルブが右肩や右腰(後方)に付いています。慣れてきたらダンプバルブの方が抜きやすいです。
BCD(浮力調整具)を使用して行う中性浮力については以下の記事に詳しく記載しています。
BCD(浮力調整具)とは? まとめ
今回はダイビング器材のBCD(浮力調整具)について各部の名称や使用方法を紹介しました。
BCD(浮力調整具)とはダイビングで使用する浮力を調整するための器具で、英語のBuoyancy Control Device(ボイヤンシー・コントロール・デバイス)の頭文字をとって、BCD(ビー・シー・ディー)と略しています。
BCDは日本語では浮力調整具の意味になります。浮力は物体が水などの液体に上向きに浮く力を意味します。
BCD(浮力調整具)の各部の名称はチェストベルト、ダンプバルブ、ショルダーベルト、Dリング 、ブラダー、インフレーターホース、ハーネス、給気ボタン、インフレーター、排気ボタン、ウエストベルト、タンクベルトがあります。
BCD(浮力調整具)は水面で休息する場合や緊急時のための救命胴衣の役割を担っています。ダイビングのエントリー前はBCD(浮力調整具)にしっかりと給気してからエントリーするようにしましょう。
水中では確認しながらゆっくりと空気を足していきます。実際に身体が浮いてくるのを感じるまでにタイムラグが数秒あります。空気を入れ過ぎるとあっという間に浮上してしまうので気を付けましょう。
BCD(浮力調整具)はインフレーターの排気ボタンを押して空気を抜きます。一度、身体を起こして、直立させてから、インフレーターホースを水面方向に真っすぐにして排気ボタンを押します。