日本ボレイト犀川泰光 プロフィール

2025/02/21

日本におけるシロアリ被害の現状と持続的対策 第一話


はじめに
日本では主にヤマトシロアリやイエシロアリなどが住宅の柱や床下などに深刻な被害をもたらします。
その結果、
建物の耐久性や安全性が著しく低下することが問題視されています。

こうした被害を防ぐために、木造住宅におけるシロアリ対策を長期間持続できる形で確立することが本来は望ましいはず。

しかし、海外においてはすでに実績ある対策が確立されているにもかかわらず、日本では「数年のあいだ効果があれば良し」という短期的な視点にとどまり、建物の長寿命化や資産価値の維持に十分配慮されていないのが現状と言わざるおえません。

そのため、震災級の地震が発生すると、木造住宅の全壊・半壊率が高くなり、不動産価値も15~20年でほぼゼロとみなされてしまいます。どんなにメンテナンスをし維持管理していてもです。

さらに、近年の気候変動や住宅の高気密・高断熱化によって、シロアリの活動範囲や被害は拡大傾向にあり、加えて化学薬剤による住まい手の健康被害も報告されるなど、対策の難しさが一層増しています。

加えて、外来種アメリカカンザイシロアリは乾燥した木材の内部でも生息・繁殖できる特徴をもつため、マイホームの小屋裏を最も好み、被害を受ける範囲は家全体へと生息範囲を広げていることから新たな脅威となっています。


こうした背景を踏まえ、日本におけるシロアリ被害の現状と課題を整理し「持続性」と「安全性」を兼ね備えた防除手法として注目される「ホウ酸処理」の有効性について解説をしていこうと思います。

第二話へつづく



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