羅 馬 | ナベちゃんの徒然草

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還暦を過ぎ、新たな人生を模索中・・・。

今日のブログタイトルは、何と読むでしょう?

 

ある都市または国家の名前なのですが・・・正解は〝ローマ〟。

今日は、そのローマに関わる記念日、


 ローマ字の日


なのだそうです。 昔は〝羅馬字〟と書いていたんですって。

 

1961(昭和36)年に小学校で必修になりましたから、皆さんも習ったご記憶があるであろうローマ字・・・歴史は意外と古く、戦国時代にまで遡ります。


キリスト教の布教で来日したイエズス会の宣教師が、1590年にローマ字活字や印刷機を日本に持ち込み、ポルトガル語に準じたローマ字(※ポルトガル式ローマ字)で日本語を表記したのが始まり。

 

彼らがこの文字(アルファベット)は古代ローマ帝国で完成されたものだと教えたことから〝ローマ字〟といわれるようになったとか。

 

その後江戸時代は鎖国政策によりオランダが唯一交易できる欧州国となったためオランダ式ローマ字が使われるように。

 

また幕末の1867年に来日したアメリカ人医師ジェームス・カーティス・ヘボンが著した和英辞書 『和英語林集成』 で英語に準拠した仮名とローマ字を1対1で対応させたローマ字を使用。

       

           James Curtis Hepburn (1815-1911)

これが良く耳にする〝ヘボン式ローマ字〟。

これを更に音韻学理論に基づいて1885年に改良したのが、物理学者の田中館 愛橘 (たなかだて あいきつ)氏で、日本式ローマ字と呼ばれました。

この田中館氏がローマ字普及のため1921年に設立し、自ら会長に就任したのが 『日本ローマ字会』 であり、同会が田中館氏の命日・今からちょうど70年前の1952(昭和27)年5月21日に近い切りの良い日ということで、5月20日をローマ字の日に制定した・・・というわけです。

 

        


そして1937年に近衛内閣が正式に交付したのが、この日本式ローマ字を更に改変した訓令式ローマ字。

更に大東亜戦争後にGHQがヘボン式ローマ字で交通標識に名称を表示するよう指示を出すなどして混乱したため、1954年に政府が新しい訓令式ローマ字を交付。

一口にローマ字といっても、様々な様式と歴史の変遷があったんですネ。

したがって現在使われているローマ字表記にも、その歴史の痕跡が残されています。

たとえば、日本円の円が “en ” でなく “Yen ”、損保最大手の東京海上日動火災保険株式会社の東京が “Tokyo ” ではなく “Tokio ” としているのが、その一例。

 

また私の名前は正(ただし)なんですが、その〝し〟・・・私は通常 “shi ” と書いてますけど、これはヘボン式。

これ、日本式だと “si ” なんです。 他には

 

           ち   つ   ふ   じ  

  ヘボン式   chi   tsu   fu    ji 

  日 本 式    ti    tu    hu    zi

 

などの違いがあります。 そしてもっと使用例が多いのは、〝おう〟。

これには、“o、 ō、 ô、 oh、ou ” と5種類も。

あの王選手のユニホームの背中は〝OH 〟でしたが・・・これ、どれを使っても間違いではないとのこと。

日本人って器用というか適応力があるというか、どの様式でも違和感なく使い分けますょネ。

皆さんがクレジットカードの申し込みなどで記入するご自分の名前のローマ字表記・・・ヘボン式と日本式、どちらを使ってますか?

・・・って、意識して使い分けている人は殆どいないかも。😅

 

なお、パスポートはヘボン式で記入する規則だそうですので、ご注意を!

【余 談】

なお、この記念日制定の端緒となった田中館氏は、
あのアインシュタインやキュリー夫人とも親交があり、重力・地磁気・測地学度量衡(メートル法)、航空など多方面で実績を残し文化勲章も授与された超一流の科学者でもありました。

彼の出身地である岩手県二戸市に記念科学館がありますので、お近くに行かれた際は、是非お立ち寄りください。

 

 
 
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