「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの随想:緊急事態宣言下のオリンピックが終わって

2021年08月10日 | 時事随想

 オリンピック開催に賛否両論がある中で、開催が決まりました。私自身は、もろ手を挙げて賛成する立場ではありませんでした。安倍元総理が、オリンピック開催に反対している人たちは、反日の考えを持つ人たちだと決めつけましたが、反日というレッテルを張って、戦前の非国民扱いするのはいかがなものかと思いました。

 オリンピック開催が決まり、無観客試合となり、運営側がきめ細かな対応をし、人々が決められたルールを守って実施すれば、大きな問題は起きないのではないかと、私は楽観的に考えるようになりました。国立競技場前で開会式当日にオリンピック開催反対を、密な状態でマスクさえしない状態の人もいる連中を見て、それは違うだろうという印象を受けました。ただ、国内感染者は急増し、特に東京都は日々の新規感染者数が四千人を超える状態が続き、危機的な状況となっています。オリンピック開催と感染者急増の因果関係ははっきりしていません。ホリエモンは、無観客試合にしなかったら、もっと良い成果が出たと言い張っていますが、それは間違っています。人々は、決められたルールを厳格に守って行動すべきです。また、オリンピック運営側の数々の失態続きと、開会式と閉会式のメッセージ性の弱い演出などを見ると、衰退期に入った日本にあって、知らず知らずのうちに日本の劣化が進んでいることを印象付けました。

 巣ごもり状態の私としては、オリンピックをテレビ観戦して楽しむことが出来ました。水泳やバトミントンなどでは、期待外れの結果が多かったのですが、柔道が阿部兄妹など成果を出し、新種目で若年者のメダリストが誕生しました。柔道女子70キロ級の新井千鶴と準決勝で戦ったタイマゾワ選手の死闘ともいえる壮絶な試合は、外国人選手ですが素晴らしい戦いぶりだと感動しました。印象的な結果は、千五百メートル決勝に出場した、田中希実選手の走りでした。高身長の多い中距離競争で、体格は恵まれているとは言えない田中選手が、入賞を勝ち取ったのは、すごいことだと思いました。また、欧米が強いフェンシングや女子バスケットでの成果は、歴史を変えていくエポック的な成果だと思います。野球とソフトボールは力を出し切った成果でしたし、特にソフトボールの上野投手の頑張りには感動しました。

 実力を出し切れた選手も、期待を裏切った選手も、一様に頑張っている姿は、多くの人たちに感動と勇気を与えたと思います。メダリストとなった人たちのコメントでは、オリンピックを開催してもらったお礼の言葉から始まることが多かったようです。アスリートが努力の成果を出せる場を求めるのは当然でしょう。それでも、戦い終わって選手同士がお互いの健闘を称えあっている姿も、尊いと思いました。オリンピック開催に反対する人が、アスリートに対して開催反対の意思表示を強要することがありましたが、ちょっとそれは違うだろうと思いました。オリンピックの選手に私たちが感動するのは、結果がどうであれ一生懸命に戦っている姿とそれを支える今までの涙ぐましい努力が伝わってくるからでしょう。

 コロナ感染者の増大に伴って、政府は入院させる必要がある患者以外は自宅療養を基本とするという方針を示しました。感染者の自宅療養は、本来あるべき医療ではないと私は思います。医療崩壊を見越して、先手を打った方針でしょうが、基準が曖昧であり、政府の後手後手の対策の尻拭いを、感染者に求めるのは違っていると思います。諸外国が行ったロックダウンまで決意できず、緊急事態宣言で飲食業の人たちに厳しい条件を課す政府は、そうした人たちの痛みを十分に理解して、もっと綿密な方策を的確に進めるべきです。政府・行政関係者が、気の緩みのある行動をとり批判される状況です。一般の人たちが、そうした状況を判断して、気の緩みが出ている現状は、とても危険な兆候だと思われます。インド由来の変異したデルタ株ウイルスは、その感染力と危険性を増して私たちに脅威を与えています。政府も個人も、気を緩めることなく、ウイルスとの戦いに勝ち抜いていかなければなりません。


 ところで、前回のブログでもお知らせした通り、私の教え子が宝塚月組新人公演において、主役を演じることとなりました。その公演を観劇することが出来ました。劇の前後の口上も堂々とできましたし、脚本に書かれていることを具現化するのが演者ですが、観客に訴えかけてくる力も感じることが出来ました。小学生から高校生まで在籍した彼女ですが、小学校3年生頃の小さい彼女の姿とダブって、感慨深い感動を受けました。これからも初心を忘れずに、上を目指して頑張ってほしいと思います。上の画像の新人公演プログラムの表紙は、彼女の写真です。

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