2022年8月12日金曜日

すする文化


日本の常識は世界の非常識。そんなパターンを象徴するのが「麺をすする」行為だろう。日本人のように激しくすすりまくるのは世界でも希だとか。

 

私自身、子供が小さい頃は蕎麦屋でわざわざすすりかたを口うるさく指導した覚えがある。親から子に伝えちゃうわけだから一種の文化である。

 


 

蕎麦をすすらず食べてみると美味しくない。思い込みかも知れないがやはりすすってこそ蕎麦の味が引き立つ。西洋人からすれば信じがたい行儀の悪さらしいが、それこそ大きなお世話である。

 

即席麺の消費量データなどから分かるようにアジアの人々は麺類が大好きである。中国はもちろん、韓国や東南アジアの国々も麺好きだ。

 

聞くところによると麺好きなヨソの国でも日本人ほど激しくすすることはないらしい。仕方なくすする音が出ちゃうぐらいなのが基本だとか。

 

日本の場合、つけ汁で味わうもり蕎麦の存在がすする行為を奨励する大元になっているのだろう。熱い汁に入った麺類だとすするのがちょっと怖い。焼きそばや汁無しの和え麺系もすする行為がなくても成立する。

 

スープをすすることがNGの欧米ではそもそも食事に際してすする場面が無い。すする習慣自体がないわけだ。あちらから見たら日本のわんこ蕎麦を大勢ですすりあっている場面はおぞましく映るのだろう。

 

すする文化が無い国の人は気の毒だ。ウマい蕎麦をすするたびにそんなことを実感する。暑い季節に冷たい麺をすする行為は清涼感の観点からも悪くない。

 




この画像は築地にある「さらしなの里」という店のさらしな蕎麦と紫蘇入り蕎麦。このお店は一品料理も充実しておりお蕎麦屋さんにとって大事な天ぷらもキチンと美味しい。

 

職場からも自宅からも遠くないので蕎麦気分の際には行きたくなる。ヘルシーなようにみえて実は揚げ物も食べるし、せいろで23枚は食べたくなっちゃうから結局はデブ化につながってしまう。

 

話は変わる。ラーメンの世界でいつの間にか主役級の存在感を見せるようになったのがつけ麺である。こちらもすする文化の国ならではの食べ物だろう。

 

個人的にはラーメンはラーメンとして食べたい。冷たい麺をヌルいつけ汁で食べるようなパターンはヘンテコだと常々感じている。

 

そんなつけ麺否定派の私でも暑い季節には自宅でこっそりつけ麺大会を開催する。使うのは大勝軒っぽい味がする市販のつけ麺スープだ。

 





温めたスープにチャーシューを大量投入して、カットネギともやしを用意して完成である。簡単手頃でちゃんと美味しい。上の画像は開始から終了までほんの5分ぐらいが経過した時点の比較だ。瞬時に食べ尽くしてしまう。デブまっしぐらだ。

 

この時期にすすりたいといえば冷やし中華も外せない。昨年、日本中から冷やし中華を取り寄せて食べ比べをした。結局どれも似たように美味しいという面白くも何ともない結論に達したから、今年は銘柄にこだわりなく食べている。

 

http://fugoh-kisya.blogspot.com/2021/07/blog-post_26.html

 

私の場合、チャーシューを楽しむために麺を脇役に利用している傾向がある。具の無い冷やし中華という素っ気ない食べ物はウマいチャーシューを引き立てるのにもってこいである。

 


 

冷やし中華はクドくないから朝飯にも最適だ。爽やかな一日を迎えられる気がする。たぶん気のせいだろう。朝からすすりまくると目が覚める効果があるようにも感じる。たぶんそれも気のせいだ。

 

普通のスーパーで置いてある冷やし中華はたいてい食べたことがあるが、デパ地下やちょっと高級路線のスーパーに行くと見慣れぬ商品を目にしてついつい買ってしまう。

 

冷やし中華の味には大差が無いと身をもって体験してきたのに値段が高いと不思議と反応してしまう。きっと革命的にウマいのだろうとパブロフの犬のような気分で買ってみる。

 


 

こんなネーミングの商品に出会ったらポケットに小銭しか入っていない時でも有り金をはたいて買ってしまう。つくづくデザインや命名センスって大事だと感じる。頭の構造が単純な私はこんな商品を見たら箱買いしたくなる。

 

でも結局はウマいチャーシューを楽しむ時の脇役として食べることが大半だ。チャーシューの味わいが口の中いっぱいに広がっているところにズズズっと麺をすする瞬間は私にとって至福の時である。

 

すする文化とすすらない文化の話を書こうとしたのに単なるチャーシュー賛歌みたいな話になってしまった。

 


 

こちらは先日の草津旅行の帰路に渋川で通りすがりに入った店の味噌ラーメンだ。ここでも結局チャーシューを主役にしてしまった。

 

まとまりのない話になってしまったが、チャーシューと中華麺の組み合わせはビールと枝豆のように密接不可分の関係だと思う。いや、ハンバーガーとケチャップ、いや、オッパイとブラジャーぐらい欠かせない関係だと思う。

 

 

 

 

 

 

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