年明け早々診療所に

検査呼び出しを受け、

しかし受付のお姉さんの

うっかりで予約が飛ばされ、

結局何の検査も受けないまま

帰宅した私(詳しくは

こちらの記事で)は

その後改めて

検査予約を取り直しました。

 

で、検査の日が来たので

診療所に行きまして、

待合室で待つこと10分ほどで

今回は無事に名前を呼ばれ、

挨拶を交わした検査担当の

看護師さんが開口一番に

「お待たせしちゃってごめんなさい。

お待たせしちゃって、というのは

今日のことだけじゃなく・・・

あなた、前回、待合室で

待つだけ待って、結局検査を

受けられなかったんでしょ?」

 

ええ・・・まあ、はい・・・

 

何ですか、それ、もしかして

カルテに『申し送り事項』として

書かれちゃっているんですか!

 

「あの日あなた、

どれくらい待合室にいた?

私もね、あなたの姿を

何度か見かけてね、どうも

長く待たされているなあって

気になっていたの」

 

「えーと、そうですね、まあ

45分くらいはあそこにいましたね」

 

「45分!本当にごめんなさいね、

あれね、たぶん私のミスなの」

 

「え?」

 

「あの日ね、建物のこっち側で

一瞬電源が全部落ちてね、

すぐに回復はしたんだけど、

PCを立ち上げ直すじゃない?

その時にたぶん

アップデートっていうか、

受付と検査室側の情報共有に

隙間が出来ちゃったの。

後からあなたのことを聞いて、

どうしてあの時横着せずに

受付に電話を一本入れて

最新状況の確認を

しなかったのか、と思って・・・」

 

いやいやいや、それは

仕方ないですよ、

そういう時ってありますよ、

と言いながら私は

次の二つのことを考えていました。

 

ひとつ、この診療所で働く人は

心の清い人が多いなあ・・・

 

この間待ちぼうけを食らった時も

ちょっと思ったんですが、あの時も

受付の人は一番最初に

「私のミスです。ごめんなさい」

って言ってくれたんですよ。

 

それって咄嗟に言えるようで

言えない一言だと思うんですよ。

 

何かしら・・・素直に謝る、というのも

難しい人には難しいし、

「ごめんなさい」は言えてもその後に

「でも・・・」って人間どうしても

言いたくなるものじゃないですか!

 

それを何・・・しかも

今の話からすると彼女は実は

看護師さんをかばっていたの?

 

それとも今、看護師さんが

受付さんをかばっているの?

 

優しいなあ、この職場!

 

逼迫する医療現場の

ここは最前線であるというのに!

 

そして私の考えていたもう一つ、

ああ、私、あの時迂闊に声を

荒げたりしなくてよかった・・・!

 

この診療所、絶対に

そういう情報を共有している・・・!

 

それも結構詳しく・・・!

 

で、私は無事に検査を終了し

「検査結果が出たらご連絡します」

 

「ハイ」

 

「それでですね、検査の過程で

気が付いたんですが、

Norizoさん、某内臓にちょっと

怪しいところがあります」

 

「・・・ハイ?」

 

「割と珍しい症状です。

専門医の診断を

受けたほうがいいと思います。

こちらで予約を

取ってしまっていいですか?」

 

「は、はあ、それは・・・でも今

NHS(英国保健サービス)は

とても忙しいと聞いています。

コロナが収まってから

診断を受けるのでも

私は構わないのですが」

 

「いえ、これは早いほうが・・・

あ、あと診断って今はネット越しの

治療相談が多くなっていますが

これはまた診療所に来て

患部を専門医に

診てもらわないと駄目です」

 

「・・・待ってください、私のそれ、

一刻を争う、みたいな話なんですか」

 

「あ、大丈夫です大丈夫です、

大事に至る可能性も

ゼロとは言いませんけど、

ほら、これはどんな症状でも

そういうものでしょ?

今回のNorizoさんのこれも

ほとんどの場合は大したことなく

放置しておいても大丈夫、みたいな・・・」

 

「あ、そうですか」

 

「で、もしもうちの専門医が

来週あたま、月曜日に時間を取れたら

Norizoさん来院可能ですか?」

 

だからそれはそこまで

一刻を争う事態なのですか、と。

 

 

私は自分の健康を

もっと心配すべきなんでしょうか、

それともこれはこの診療所に

優しくかつ勤勉な方たちが

揃っているという話なんでしょうか。

 

・・・後者であって欲しい私です。

 

 

しかしこの問題の内臓のことなんか

これまでそれほど

気にかけていなかったのに

こういう指摘を受けると突然

「そういえば最近・・・」みたいな

気持ちになってしまうのが

人の心の弱さなんですかね

 

ただ良き市民としては

このコロナ禍、

なるべく医療制度の

負担にはなりたくないもの

 

早寝早起き、適度な運動、

栄養価の高い腹八分目の食事、

そして何より手洗い・うがい・マスク、

医療最前線で戦う方々のために、

そして何より

自分のために気をつけましょう

 

思わぬ優しさを受けると

嬉しくなるあなたも

怖くなるアナタも

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