2023年6月2日金曜日

 突然のドル独歩安到来。

通貨インデックス一覧 ドル高止まったか?

昨日5/31就寝前まで6月FOMCでの利上げ折り込みは70%近くあったのに
起きてみたら一気に利上げ折り込みが後退、据え置きが70%近くまで上昇。
NYマーケット終盤~今日にかけて何が起きたのか。

まずは、昨日31日に飛び出した要人発言。
 
■次回FOMC、現時点で利上げ「見送り」支持=フィラデルフィア連銀総裁
https://jp.reuters.com/article/usa-fed-harker-idJPKBN2XM1NW
■ジェファーソンFRB理事、6月利上げ停止示唆-終了は意味せず
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-31/RVJ9R8T0AFB401
■FEDウォッチャーのニック氏 6月は利上げ見送りの可能性、
~金曜日の雇用統計が「好調」な場合を除き
https://minkabu.jp/news/3620022

FOMCメンバーに加えFedウォッチャーのニック・ティミラオスが
6月利上げは見送り=スキップの可能性があることを示唆。
これに市場は敏感に反応した模様。

FEDウォッチ 6月据え置き予想が70%あまりに上昇
一夜にしてこれだけ市場の見方が変わるものか、と驚きましたが、
今日発表された米ISM製造業景気指数がこの流れを加速させました。

■ISM製造業景気指数(5月)

景況感 46.9 (予想 47.1 前回 47.1)

前回4月は3月から上昇し、製造業の持ち直し期待も出ていたが
5月分は再下落で製造業の弱さが浮き彫りに。

内訳
・新規受注 42.6(45.7)大きく低下。製造業需要が低迷。
・生産   51.1(48.9)
・雇用   51.4(50.2)
・入荷遅延 43.5(44.6)
・在庫   45.8(46.3)
・輸出   50.0(49.8)
・仕入価格 44.2(53.2)仕入れ価格急低下、インフレ懸念緩和。

債券市場で米国債利回りはご覧の低下
というわけでドル安です。
明日は雇用統計。
前哨戦となるADP雇用指数は強かったんです。
ISMの雇用指数も予想より強かったですよね。

■米ADP民間雇用者数、5月は27.8万人増-全ての予想を上回る
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-01/RVKQ33DWRGG001

・5月ADP雇用統計:+27.8万人(予想:+17.0万人、4月:+29.1万人)

というか、予想が低すぎたんじゃないの?という気もしますが。
今夜このADPの強い数字を受けても
6月利上げ据え置きの折り込みに変化はありませんでした。

上記記事にあるように
「2500万人余りの給与を分析したADPの統計によると、賃金の伸びは減速。」
「賃金インフレへの懸念は薄れている可能性がある」ここが重要かも。

雇用者数の増減だけでなく、賃金の伸び(インフレ指標)も重要。
ということで債券市場は6月の利上げはないという方向に大きく傾いているのね。

明日の雇用統計の数字が予想された程度の結果なら
6月の利上げは見送られるかもしれません。
となると、6月~7月の利上げを折り込む形で買われたドルには
手仕舞いが入るでしょう、というわけでドル安です。

6月NFP市場予想は+19.0万人(前回+25.3万)
                        20.0万人を下回れば、2021年1月以来。  
   失業率予想は、前回より0.1ポイント悪化して3.5%の予想。
平均労働賃金予想は、前月比+0.3%、前年比+4.2%(前回+0.3%、4.4%)
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今日はEUのCPIが発表され、インフレの鈍化が確認されたのですが
ユーロが下がらず、むしろユーロは反発基調にあるのは
ユーロが主軸で動いているのではなく
ドル売りの裏側でユーロが買い戻されているということなのかと思います。

■ユーロ圏消費者物価指数(HICP)(5月)

前月比 0.0%(予想 0.4% 前回 0.6%)
前年比 6.1%(予想 6.4% 前回 7.0%)

コア前年比 5.3%(予想 5.5% 前回 5.6%)

総合指数が大幅に低下、コア指数も低下だが、、、。
ECBの追加利上げ見込みに変化はないようです。
FRBは6月見送りの可能性が高まっているので、このコントラストが
ユーロ上昇、ドル売りを加速させているようですね。

5月のECB理事会の議事要旨が出ましたが
かなりインフレへの警戒が強い印象です。

■ECB、コアインフレのトレンドは懸念材料との認識共有-議事要旨
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-01/RVKPBCDWLU6801

■ユーロ圏の基調インフレ、予想以上に鈍化-ECBは利上げ継続か
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-06-01/RVKH1LDWRGG001

今夜米国株は勢いよく反転上昇しており、
利上げ停止、スキップの可能性が出てきたことを歓迎しているようです。
ただ、半導体、ナスダック以外はほとんど横ばいの相場が続いているだけです。

6/1(木)日本株市場全般堅調だった背景には
月末のリバランス売りがなくなったことと
月初に設定が多いとされる投信の買い需要によるものかと思っていましたが、
マーケット全般、本格的なリスクオフ相場に発展するような
決定的な材料がない、ということでもありますね。

債務上限合意でも、国債新規発行で1兆ドルの資金がリスク資産から
債券にシフトするリスク、というゴールドマンの指摘もありますが
実際何が起きるかはわかりません。

米下院は債務上限停止法案を可決しています。
後は上院。

■米債務上限法案を下院が可決、上院送付へ-デフォルト回避の公算
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-05-31/RVJBWLDWRGG001

ドル円を139.91円売り 継続。
キウイ円84.84円売り 継続
ユーロドル1.0908ドル売り➡ 1.0751ドルで買い戻し

今週のひろこのウィークリーGOLDは池水雄一氏
こういう話を改めて伺うことで、GOLDは長期上昇継続だなぁと確信。

<In Gold We Trustレポート2023より>
『Showdown 対決』
https://youtu.be/sHYcOnLbh9Y
◎歴史的マクロの変化
◎増え続けてきたM2が減少
◎地政学リスクからの新興国のドル離れ=ゴールド買い

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