陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

善きパートナーであることは幸福の柱

2021-11-22 | 政治・経済・産業・社会・法務

ネットで調べたいことがありまして政府広報オンラインを覗いていましたら。
いい夫婦の日記念にちなんだ、良好なパートナーシップについての啓発記事がありました(クリップとあるコーナーにあります)。

私も社会人経験が豊富というわけではありませんが、この年齢ともなりますと、お付き合い上、様々なことを相手方から聞かされます。
最近、特に多いのが、中高年からの夫婦間のあれやこれやです。私も中年なのですが、さらに年上の方からの愚痴が多いわけです。しかも、これが取引相手で、「うちの女房が」「あたしの亭主が」と夫婦の両方から別々に出会った先で延々と聞かされてしまうことがあるわけです。もちろん笑顔で聞き流しておりますが(笑)

その内容として大きくウエイトを占めるのが「金銭感覚の相違」「性格の不一致」「子どもの教育」「親族付き合い」あたり。誤解があるといけないので、ここでは、男女の別をつまびらかにしないこととします。最近では、同性どうしのパートナーもありますので。

金銭トラブルや相性の違いといいますのは、そもそもお付き合いの段階から見抜けたはず。お勤め先がいいとか、学歴が高いとか、相手の気前の良さとか、ブランド物を身に着けるとか、親が資産家であるとか、太い人脈があるとか、外形的なことに惑わされていたからではないでしょうか。「相手の持ち物は、自分のものにはならない」「他人を変えるより、自分が動いた方が楽」という事実は、教養ある人であれば当たり前に噛みしめていることなのですが。

生活費をくれない、という相談は深刻ですが、ただちに経済DVなのか、にわかに判定が難しい場合があります。
共働きしてはいるが、世帯主Aのみが固定資産税、住民税や住宅ローン、水道光熱費・通信費、家のリフォーム費用などを負担しており、同居人B(過去に独り暮らしをしたことがなく、親がなんでもやってくれて育てられた)はA名義でのカードで生活費と称しながら濫費をしているケースもありえます。コロナ禍での失職減給や、育児・介護休業等により収入が減り、外出機会も少なくなったがため、気晴らしができづらい。こんなときこそ、夫婦間でのお金の使い道については定期的に誠実に話し合う必要があるでしょう。普段から家計簿をつけて、年間の収支を把握し、今後必要なお金については計画的に準備しないといけません。収入が減ったならば、実入りのいい副業やアルバイトをする、その時間捻出のために協力しあわないといけないのです。長年、配偶者に苦労を強いてきたと思うのならば、思い切って、プレゼントしたり、食事に出かけたり、互いをいたわっていく努力をしましょう。

以上はお二人だけの問題ですが、そこに子どもの問題が絡むとややこしくもなります。
お子様の学力や健康状態、気質の不具合について、どちらかに原因を押し付け合うのは、傍から眺めておりまして、ひじょうに見苦しいとしか言いようがありません。そして、父母の諍いごとが絶えない、家庭内に怒号ふくめた暴力沙汰がありますと、子どもの脳の発達が阻害されるという研究結果もあります。友だちやきょうだいと比べられたりするのも、子どもの自尊心が傷つきます。学習は子どもが主体的におこなうもので、成績が上がったのは親の手柄ではありません。学歴が階級格差につながるからと過剰な教育熱にとらわれて、神経質になりすぎているのではないでしょうか。目先の成績よりも、その子の得意不得意を認識し、どう伸ばすかが大事。

また、教育費についても、費用対効果をきちんと見定めておくべきです。
お金をかけてやったのに勉強しないと攻撃をすると、子どもは猶更やる気をなくします。成績が上がれば褒美をやる、もしくは、勉強しないなら食事させない、のように外発的動機で勉強させるのは、好ましくありません。といいますか、これこそ、立派な児童虐待・ネグレクトではないでしょうか。ひとは強制されたことに対して成し遂げてもいい感情を持ちませんので。

以上は夫婦もしくは恋人についてのお話でしたが。
パートナーといいましても、色々ありますね。仕事上の人間関係、地域のつながりや趣味のお付き合い、学友など、でも似ています。似ていますが、ただちに同じではありません。法律婚でも事実婚でも、プライベートでの顔合わせが長くなるとどうしても、甘えがでてきてしまいますね。仕事をする、家事を手伝う、勉強をする、片づけをする、すべてしてもらってあたりまえだと思わずに、感謝を示すようにしたいものです。

よく、こうしたご相談をネットやら電話やらでの相談事でお見掛けしますが。
たいがい、相談者がお説教されるのが関の山でしょう。あるいは、味方になったふりをして火に油を注ぐ。憎悪の感情で意味のない連帯をしてしまうのは無駄としか言いようがありません。もちろん、なかには悪質な相手で直ちに緊急避難と法的対処が必要なケースもありますが。和解金だの、慰謝料だの、生半可な知識で相手から搾取しようとして時間ばかり浪費してしまう事例もあります。老親が若い夫婦の仲に割って入るのもよくありません。

たいがい、パートナーに対して文句を言う人は、ご自分が相手に対して求めすぎていることが多いものです。
自分はあれをしてあげた、これに貢献した、こんなことができる、と恩を着せるようなことばかり、いつも言いつのっています。あるいは、都合のいい時だけ利用して、あとは放置している。内情を聞いているこちらも、メンタルを潰されますし、生活に支障がでます。ドラマか漫画の主人公みたくかっこよく自分一人で生きていけるわと啖呵を切りながら、結局は、別の人物に依存しているだけ、他人に何かを押し付けているだけ、誰かの時間とお金を奪い続けているだけではないでしょうか。

そもそも、こういう簡単に縁を切ってもいいぞとおっしゃる方は、本当に誰も頼れるものもない、孤独というものを知らないことが多いものです。人間はそれぞれ血縁関係があっても、同じ組織にいても、各自独立した人格なのであって、むやみやたらに共感すればいいのではなく、多様性の世に求められるのは、節度のある他者理解のはずなのです。金子みすゞの詩にあるように「みんな違って、みんないい」ではないでしょうか。

…などと批判めいたことを書きましたが。

そもそも、対立することは、相手からの不満が顕在化したことであり、対話して改善できる機会でもあります。付き合う人を変えても、いずれ、同じ隘路に落ち込むこと必定。幸せになりたいのなら、自分が意識を変えて、まず善きパートナーでいるように心がけしたいものです。

ところで、この記事を、他人ごとのように眺めていらっしゃった方がおりましたら、あなは実に幸せな方です。どうか、大切な方といつまでも睦まじくお過ごしください。




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