陽出る処の書紀

忘れないこの気持ち、綴りたいあの感動──そんな想いをかたちに。葉を見て森を見ないひとの思想録。

読書好きならではの贈る本、贈った本のエピソード

2023-03-15 | 読書論・出版・本と雑誌の感想

読書好きを公言してはばからない皆さんに聞きたいこと。
それはどんな本をプレゼントされたか、もしくはプレゼントしたことがあったか。お子さんが本好きになるきっかけは、親御さんからプレゼントされた一冊というパターンも多いものです。そんな想い出語りをしてみましょう。

私が子どもの頃、誕生日になると貰っていたのは歴史漫画でした。
学研などの漫画シリーズがありますが、ああいうのを箱買いではなくて。好きなものだけ単品買い。昔の歴史漫画は今みたいに絵がキラキラしていないんですね。有名漫画家ではなくて、ちょっと二流三流的な漫画家さんが描くことが多かったです。

中学、高校になるとねだったのは、美術の技法書やら百科事典でした。
ブリタニカ国際大百科事典ほどではないですが、当時フルカラーの全12巻の百科事典シリーズ、たぶん結構高かったものを買ってくれた時は嬉しくて宝物にしました。けれど、数年前に実家の断捨離で捨てましたけれども。世界の美術大辞典みたいなものは古びないので、いまも大事に保管しています。

友人に誕生日プレゼントで貰ったのは、相田みつをの詩が入った書の本でした。その友人は書道が好きだったからなのでしょうが、私的にはイマイチでした。

大学以後は、自分でも稼ぐようになったので、贈られるよりも贈る方が多かったですね。
家庭教師先の教え子の合格祝いに贈ったのは、金子みすずの詩集。歴史が苦手な子には偉人の漫画の百科事典、化学が苦手な子には化学のわかりやすい教科書。勉強を教えるには、まずテキスト選びが大切なので、私が選書して使わせていたのもあります。それで成績があがらなかった子も、うまく行った子もいろいろです。学習テキストはほんらいは自主学習なのだから、教師よりも本人に選ばせた方がいいのですけどね。お子さんが小さいのならば、やはりカラフルで図解が楽しい方が興味を引きやすいでしょう。

交際相手(男性)が地理が好きだったので、誕生日祝いで日本全国の地図帳を贈ったこともあります。
これはわりと喜んでくれて嬉しかったですね。地図を頼りにドライブしてお寺巡りをしてみたり。ふたりで休日を楽しめるのでお得だと思いました。しかし、私の誕生日にはなぜか、香水をくれましたけど。

高校時代の空手部の友人(女性)はお菓子作りが趣味だったので、ねだられてその手の料理本を買ってあげたことがあります。そしたら、翌年、私の誕生日にケーキをつくって持ってきてくれました。クラスが別れて疎遠になっていたと思っていたのに、放課後に教室にいきなり訪ねてきて驚いた覚えがあります。

ちなみに、父は学生時代に亡くなってしまいましたが。そのあとの母の日には、植物関係の本やら、庭の手入れに関する本を贈っていました。最近は老眼で読めなくなったので要らないと言われて贈っていませんけどね。

よくオタクの趣味仲間で布教のために漫画を贈ってあげる、ということもあるようですね。
貸してあげたのだけどもなかなか返ってこないこともあるので、いっそ、プレゼント代わりに贈ったほうがいいのかもしれません。よく付録特典めあてで単行本を複数買いする方がいますけど、けっきょく、そのためなのでしょうか。

誰かのために本を選ぶ、贈るということは相手の好きを知り尽くしているということ。
本を贈るということには、言葉を贈る以上の想いが乗せられることもあります。

ただ、私は自分の好きな本は自分で吟味して買いたいので、贈ってもらいたくないほうです。
本好きさんは、本も自分の好みで贈りがちなので、そこは注意したいですね。あと、贈った本についての感想を求めたり、読んだかどうかを急かさないことも大切です。

(2021/09/15)



読書の秋だからといって、本が好きだと思うなよ(目次)
本が売れないという叫びがある。しかし、本は買いたくないという抵抗勢力もある。
読者と著者とは、いつも平行線です。悲しいですね。


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