ゆる農記『3』 拝啓、梅原真様 2022年4月号 | 迷子の大人たち 3

迷子の大人たち 3

~ニワトリノニワ 非公認ブログ~ 
テキトー経営者のエー加減農業日記(昔は) 最近 っぽくなくなってきた。意外とマヂメ?更生した?

藤の花が満開です。
 
ニワトリノニワは丘の上にあり登ってくる途中の坂道に7,8年前から自生の藤の花が咲いております。年々繁殖を続け今ではかなり立派に咲かせるようになりました。
 
開花の時期は温暖化のせいか数年で1週間ほど早まっています。また、藤の花はマメ科のつる植物なので他の樹木に巻き付いて成長するのですが、その巻き付く木の葉の芽吹きは更に早まっており既に5月の新緑の季節のごとくです。
 
折角だからたまには写真載せましょうかね。
 
緑のために藤棚のように見事な花が遠くからは目立ちませんが。
 
都会の生活と異なり毎日自然に囲まれて暮らしていると温暖化の兆候を私は肌で感じるのですが、都会(地方都市の都市部)の皆さんはこのままの生活で本当に良いのですか?
 
※参考データ「都道府県別電力消費量
 
まずは電気をなるべく使わないようにする、という誰でもできることから始めてみるべきでは。
 
 
ま、いいや。今回は前回の話の続きみたいな感じの意識の問題について。
じゃいつものヤツ。
 

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梅原デザイン事務所  梅原 真 様 

 

いつも有り難うございます。

 

先日うちのスタッフ、宿毛市在住の主婦が私に竹はないか?と尋ねました。ニワトリノニワの敷地内の南、崖との境目は年々竹が進出してきて放っておくと竹藪の庭になってしまうので毎年伐採に追われ今年もつい3月に刈り倒したばかりでした。そもそもここの地名は竹島というだけあって竹の多い場所なのでしょう。私は竹の種類に暗いので種類はわかりませんが直径5センチ位で丁度竹馬にもってこいな感じの良い竹です。枝を落として車に乗るサイズに切って渡すと喜んでました。

 

なんでも保育園から子供のために竹馬を用意しろという指令が出たのだとか。田舎はスゴイですね。都会ならどこで竹売ってるんだ!?とか、たちまち保護者から吊るし上げられて大変なことになりそうです。そういやもうタケノコの季節ですな。大体毎年どこかからタケノコもらうのでまだかいな、なんて期待してますがすぐそこに生えてるんだから自分で取ればいいんですよね、山菜とかも。しかし竹馬持って来いと言われ文句も言わず竹を探し自分で作ろうとする田舎の保護者達は意識が高い。

 

さて、ニワトリノニワは昼までの短時間勤務のため従業員は主婦か自営業を本業としている人が多いのです。話は今年新年早々新たに加わった農作業の従業員、30代半ば小さい子供が3人も居るH君について。彼の本業は昨年弟と立ち上げたジャコ(シラス)漁の漁師。そんな彼は春になり、漁が本格化してからこのひと月ほど忙しいせいかうちの仕事でミスがしばしば。

 

軽く注意するとすぐに辞めたいと言ってきました。これだから・・と思いつつも話を聞くと毎日2時間ほど仮眠するだけでほとんど寝てないんだとか。そんなことうちに来る前から分かっていたことでしょう?と言うと、自分ならできるかな・・・と思ってました。なんて呑気なことを言う。普段彼の行動を見ていて自営業は難しいだろうな、それも一次産業の、と容易に想像できました。何故でしょうか。

 

彼は根本的にサラリーマン気質だからです。仕事は真面目に取り組んでいれば自己満足するタイプ。いくら真面目に取り組もうがいつもミスしたり効率が悪く人の二倍も時間が掛かってしまえば会社は成り立たない。彼の場合ミスも少々あるが何より人より仕事が遅い。朝のたった30分の作業で既に10分遅い。ということは単純計算すると1時間の作業で20分、うちの半日4.5時間の仕事で90分も人より遅い計算です。ま、実際他の作業はそこまで遅くはないのですが。

 

ともかくその計算で行くと彼の一日のすべての仕事時間、2時間の仮眠を除いた22時間の仕事では7時間20分も遅い計算です。従ってもし仕事の速さが人並みだとしたら一日9時間20分も仕事以外の時間が取れます。つまり余裕で睡眠時間が確保できる計算です。サラリーマンなら誰かがカバーしてくれる。でも自営業だと全部自分の生活を圧迫してしまう。だから自営業に向いていないのでは、と考える訳です。

 

自慢話か、と思われるのは嫌ですが私のサラリーマン時代のことをお話しします。以前話したように私は社会人一年目から経営者の視点に立って考える癖がありましたので作業効率については常に考え努力していました。商社に転職したある時、同じ年に社会人になった同僚と、似たような仕事を同時に行う機会がありました。そこで彼との仕事の速さを比べることができたのです。結果は、多分標準的な仕事スピードと思われる彼が3日掛かってほぼ終わったのに対し、私は1日掛かりませんでした。正確に言うと5時間ほどでした。これ以降私は人より少なくとも3倍の速度で仕事ができる、という自信を持つに至ったのです。

 

そもそも社会人になればパソコンで作業するのは当たり前な時代だったのでマスター論文を書く時にブラインドタッチをマスターしていたのに対し彼はそれすらできなかった。余談ですがブラインドタッチができないと仕事の速さと正確性に雲泥の差が生まれます。うちの事務員にも常に話して努力を促しているのですが、歴代10人の事務員の中でブラインドタッチができたのはたったの一人。

 

しかもその一人はうちに来る前からできていたのです。うちの事務員になるとほぼ毎日一か月、その後は週一のペースで半年ほど、しつこく言うにも関わらず努力をしないのです。だからいかに意識するのが難しいか、ということになるでしょうか。パソコン教室の先生が言うにはスピードを気にしなければ6時間でマスターできるそうです。私はやりませんでしたが私の周りでは当時タイピング練習ソフト「北斗の拳 激打」なんかで練習していたようです。アタタタタタタッ

 

余談ついでにもう一つ。私が脱サラして農業法人やら農業大学校やらで研修を受けていた時の話。辛い仕事を人にやらせてしまおうとの意図からか、必ず草むしりの実習なんかがある訳です。大概畝の手前に並んで競争させるように一斉にスタート。だから速さの違いが歴然と分かります。

 

スタートして間もなく私はあることに気づきました。一本しか使っていないな、と。皆何も考えずに体育館裏でタバコを吸うヤンキーみたいな恰好で利き腕一本で抜いている。私が膝を地面について両手で抜き始めたら面積で5倍速く終えることができました。作業服を着てるから膝の泥なんて気にすることはないんです。これも常に効率を考えているかどうかの意識の問題。技術差なんて絶対ありません。

 

フツーのサラリーマンならもしかすると作業効率なんか考える必要は余りないのかも知れません。人の三倍仕事をしたからと言って同じ会社で同僚の三倍の給料をもらえるようにはならないでしょうから。でも一歩ずつでいいからより高い自分を目指して歩くのと何も考えずいつもアップアップして溺れそうになりながら何とか人並みの給料を貰って生きていくのと、どちらが充実した人生と言えるのか。

 

意識の高さが生き方の質にそのまま映し出されるのだと思えば、生活に溺れブラック企業だなんだと騒ぎ立てる前に、一度立ち止まって自分を向上させる意識を明確にすることからより充実した人生が始まるのだと私は思います。

 

因みに。先のジャコ漁師の彼はこうすれば早くなるよ、というアドバイスを素直に聞き入れ仕事が見違えるように早くなりました。漫然と頑張っていた彼の生活の質もきっと徐々に上がることでしょう。

 

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