峰ちゃんを偲ぶ

 

今日は 宝塚バウホールで 峰さを理追悼チャリティコンサート『愛の旅立ち』を拝見しました。

 

 

峰ちゃんこと峰さを理さんは宝塚歌劇団 58期生。

1972年の『かぐら』『ザ・フラワー』で初舞台を踏み、星組に配属。退団までずっと星組生でした。

トップスター期間は1983年から1987年。私が最も宝塚歌劇に通い詰めた大学時代のトップさんだったので、当時花組ファンだった私でも、峰ちゃんのトップ姿は印象深く覚えています。
 
体が大きくて健康そう、というイメージがあったので、訃報を聞いた時は信じられませんでした。
2021年1月30日、甲状腺がんのため68歳でお亡くなりになったのです。
コロナ禍で、医療逼迫を心配してご自分のために病院に行くことを遠慮してしまって、発見が遅れたのだとか。本当に残念です。
 
今日の追悼コンサートを拝見するに当たり、過去の写真を引っ張り出して峰ちゃんのスナップ写真を持っていないか探してみたんです。
峰ちゃんの大ファンというわけではなかったので、ワンショットはありませんでしたが、こんな写真を掘り出しました。
 
なんの公演の時なんだろう、敬称略で右から 小林公平理事長(当時)、遥くらら、麻実れい、麻月鞠緒、葉山三千子、峰さを理という並び。
 
この写真は一部でして、続きはこんな感じ。
峰ちゃんの隣は(敬称略で)大地真央、髙汐巴(?)、条はるき、有明淳、尚すみれ。
雪組だけトップコンビなのね。

 

もう一枚、峰ちゃんの後ろ姿の写真も。

これは関西テレビの公開録画の現場だったと思います。

こっちを向いているのが真央ちゃん。斜め右がターコさん(麻実れい)で、ターコさんに隠れている白いブラウス姿はショーちゃん(榛名由梨)です。

 

峰ちゃんといえば、なんと言ってもあの歌声。

大劇場いっぱいに広がる声量、安定した音階、素晴らしいものがありました。

私の中では、『我が愛は山の彼方に』の朴秀民が歌う主題歌が好きでした。

サビの部分の「こだまは消え 虚しく過ぎ 帰るものなし」の盛り上がり、今思い出しても震えが来ます。

 

オフの峰ちゃんのことは何一つ存じ上げませんが、舞台から受ける印象は、コセコセしたところのない、どんと構えた懐の深い男役さん。

それは峰ちゃんが新人公演主役をしていた時代のトップスター鳳蘭さんから受け継いだもののように思いますし、その後の麻路さきさんが引き継いだようにも思います。

 

私みたいに他の組のファンだった人間でも、峰ちゃんがもうこの世にいないのかと思うと寂しい気持ちでいっぱいになるのですから、ファンの方はもちろん、苦楽を共にした同期生、星組生の皆さんのお気持ちはいかばかりか。

 

このチャリティーショーは「峰さを理を偲ぶ会」と「タカラヅカ・ライブ・ネクスト」の共催ですが、細々としたことは南風舞さん、麻路さきさん、彩輝なおさんが動いてくださったのですって。

よくぞ、このような素晴らしいイベントを企画してくださいました!!

覚えている限りでレポートさせていただきます。

 

 

  峰さを理 追悼チャリティコンサート『愛の旅立ち」

 

ショーは休憩なしの1時間45分。

次々登場しては歌い継いでいく豪華なメンバー、懐かしいお顔ぶれに感動しっぱなし。

今の主題歌って一度観劇したくらいでは覚えられませんが(歳のせいもあるだろう)昔の主題歌って今でも一緒に歌えるものが多いんですよねぇ。そして心の中で歌っていると、当時の自分のこと、宝塚の舞台のこと、あれこれ思い出して懐かしさで胸がいっぱいに。

またスクリーンに蘇るトップスター時代の峰ちゃんを拝見していると、泣けて仕方がありませんでした。峰ちゃん、やっぱりあなたはすごいわ。

 

では出演メンバーについて。ここからは敬称略、現在の芸名で失礼します。

峰ちゃんと同期で、トリオで売り出された ぺいさんこと髙汐巴、いーちゃんこと寿ひずる。

元星組の日向薫、あづみれいか、紫苑ゆう、南風舞、洲悠花、三城礼、花愛望都、久留実純、燿明、華村りこ、出雲綾、ちあきしん、麻路さき、稔幸、えまおゆう、姿月あさと、和央ようか、湖月わたる、朝峰ひかり、彩輝なお、大和悠河。

元星組ではない人もいますが、その理由は後ほど。

パンフレットには北翔海莉の名前もありましたが、今日は舞台には出ておられなかったと思うんですよ。まさか、みっちゃんを見落とすことはないと思うので。(違っていたら教えてくださいませ)

 

【セットリスト】

恐ろしいことに、誰がどの歌を歌われたのか、記憶が曖昧です〜(泣)

言い訳になりますが、なんかね、歌っているのは別の人なんですけど、峰ちゃんを思い出して聴いているうちに結局全部峰ちゃんで上書きされた感じなんですよ。

覚えているところだけ、書かせていただきますね。

 

●ザ・フラワー/『ザ・フラワー』:同期以外の全員(だったと思う)

 

●花にふれた私/『ザ・フラワー』

 

●愛におののく花/『ザ・フラワー』:髙汐巴・寿ひずる

 いーちゃんは黒っぽいお衣装、ぺいさんは白いロングドレス(ワイドパンツにも見える)に白いロングジャケット。

 峰ちゃんと同期のぺいさん(髙汐巴)といーちゃん(寿ひずる)。

 ぺいさんは、音楽学校の受験から、音楽学校時代、トップ就任時期などほとんど峰ちゃんと同じ。だけど花組が宝塚大劇場公演の時に星組は東京公演(逆の場合もあり)という巡り合わせが多くて、トップ時代の峰ちゃんの作品をあまり見ることができずにいたそうです。

初舞台を踏んだ後、3人が星組に配属になりトリオで売り出された頃のことを二人で語っていました。

ぺいさん「なんかねー(先生方に)怒られてばかりいたわ、私」

いーちゃん「あら、私たちはそんなことなかったけど(笑)」

ぺいさん「峰ちゃんは真面目だったからネェ」

いーちゃん「アナタが道を踏み外しそうになるたびに峰ちゃんが注意してたわよね」

ぺいさん「ぺーい!ペーい!💢(峰ちゃんの口真似)」

この思い出話、峰ちゃんもまじえて3人で聞きたかった。

 

●この恋は雲の涯まで/『この恋は雲の涯まで』:寿ひずる

 いーちゃんの歌い方、声量、声の張りツヤ、現役時代と変わりません。すごいわ。

 鳥肌が立ちました。

 

●愛のカンタータ/『愛のカンタータ』

 

●幸せの鐘の鳴る日/『誰がために鐘は鳴る』

 

●ロミオとジュリエット/『ロミオとジュリエット』

 

● 思い出はいつまでも/『忘れじの歌』

 

● ストーミー・ラブ/『ストーミーラブ』

 

●ユリウスおまえこそ/『オルフェイスの窓』

 

●ロンリー・ハート/『ロンリー・ハート』

 

●愛すればこそ/『暁のロンバルディア』

 

●君はマグノリアの花の如く/『風と共に去りぬ』:髙汐巴

 青っぽいジャケット姿に着替えてこられたぺいさん。

 ぺいさんはディナーショーの時にこの曲を歌われたのですが、お母様を見送られて以降は、なぜかこの歌がお母様のイメージだと思うようになったとおっしゃっていました。

きっと今日は、峰ちゃん、お母様、お二人を思って歌われたのでしょうね。

 

余計なことですが、ぺいさんは「風にひとひら揺れるように♪」って歌っておられたけど、「踊るように」じゃなかったかしら?

OGさんが宝塚歌劇の主題歌を歌うって大変ですよね。ファンが歌詞も音階も知っているから。

 

●夕映えの飛鳥/『飛鳥夕映え』:彩輝なお

 なぜ月組作品の主題歌?と思ったら、峰ちゃんはこの公演で振り付けを担当されたんですね。彩輝さんは退団後、歌がすごくお上手になられました。(上から目線すみません)

 

● 白藤の雨/『更に狂わじ』

 

● MY OWN BEST FRIEND/『CHICAGO』:湖月わたる

 わたるくんの腰から太もも、脚までがあまりにもスレンダーすぎて、目が離せず。

 折れるんじゃないかと思うくらい脚が細くて長いのよ。

 

●AND ALL THAT JAZZ/『CHICAGO』:和央ようか

 タカコさん、めちゃくちゃ細いのだけれど、腕の筋肉などを拝見するとただ痩せているのではなく、鍛えて体脂肪率が低いんだな、と思えました。

 いい意味で国籍も性別も不明な感じ。すごくかっこいいヒトに進化されている気がしました。

 

● ALL I CARE ABOUT/『CHICAGO』:姿月あさと

 タニちゃんは現役時代と変わっていません。歌でヒヤヒヤさせてビジュアルでうっとりさせてくれました。(そんなタニちゃんが好きです)

 

 ズンちゃんは一時、髪の毛を伸ばしておられましたが、現役時代を思い出すショートヘアで、チェックのブレザー姿で歌うズンちゃん、めちゃくちゃカッコよかったです。

 

なぜ峰ちゃんの追悼でシカゴ?しかも星組以外の人が?と思ったら、宝塚歌劇100周年の年に公演があった『CHIKAGO』宝塚OG編。峰ちゃんのお役はマリコさん(麻路さき)ズンちゃん(姿月あさと)とのトリプルキャストで、峰ちゃんは亡くなる数日前にマリコさんに「CHICAGOは面白かったね、あれはもう一度やりたい」とおっしゃったのだそうです。

このお話をするとき、マリコさんは一瞬涙を堪えたのか、言葉に詰まっておられました。

 

だから星組には関係のない「CHICAGO」の場面が盛り込まれたのですね。

 

この公演では女性を演じることになった元男役さんたちはダイエットのため、休憩時間にも小さな小さなおにぎりを睨みながらちょっとずつ食べて、おやつも我慢しているというのに、男性役の峰ちゃんは電子レンジでチン♪した食事やおやつを食べていらしたそう。マリコさんも一緒になって食べていたら「峰さんは太らないんですけど、私は…あ、あ、ああ!という感じで」ですって。

タカコさん、わたるくんは何度も「チン♪」と口走っておられました。

空腹時によっぽどチン♪の音が沁みたんでしょうね。


●WHAT'S THE TITLE…!/『WHAT'S THE TITLE…!』

 

● ジュビリー・タイム/『ジュビリー・タイム』

 

● ボンジュール宝塚/『ザ・レビューIII』:髙汐巴

 今回の出演者の中で、ぺいさんだけが歌唱方法というか、歌の雰囲気が違うな、とこの歌の時に思いました。

 私は花組ファンだったからぺいさんの歌声に慣れているし、花組月組100周年記念公演の時にも何も感じなかったのだけど、峰ちゃん追悼コンサートでは、はっきり組の色が違うことにびっくりしました。

もちろん、みんな違ってみんな良いんです。

お歌とは関係ないですが、左手になさっていたアクアマリン(?)の指輪がとっても素敵でしたよ。

 

● ジュリアン・クレール/『アルジェの男』:ちあきしん

 ちあきしん さんは、今日はコーラスガール(?)としてドレス姿で活躍されていたのですが、この歌の時には朱赤のジャケット着用。男役として歌っておられました。

 この曲の時、バックのコーラスガールの皆さんもノリノリで『アルジェの男』ってやっぱり星組の作品なんだなと思いましたわ。

 

●愛の祈り/『西海に花散れど』

 

● プラス・ワン/『プラス・ワン』

 

●華麗なるファンタジア/『華麗なるファンタジア』

 

●我が愛は山の彼方に/『我が愛は山の彼方に』:稔幸

私は峰ちゃんの朴秀民が好きだったけど、再演時の聡明な感じのするノルさんの秀民も好きでした。この役は本当に大きな器がないと成立しないんですよね。

 

●愛のシンフォニー~レビュー万歳/『レビュー交響曲』:稔幸、えまおゆう

 ブンちゃん(えまおゆう)はのちに雪組でトップスターになるのだけれど、私はやっぱりブンちゃんは星組の印象が強いです。ノルさんとの並びが嬉しい。

 

●エル・アモール/『哀しみのコルドバ』:紫苑ゆう、南風舞、洲悠花

 「歌劇」「グラフ」どちらで読んだのか忘れたけれど、『哀しみのコルドバ』の初演の時、峰ちゃんはこの三重唱がきれいにハモって大劇場の空間いっぱいに広がるのを聞くと陶酔感を覚えるっておっしゃっていましたっけ。

 まいまい(南風)さんは時々感極まって涙ぐんでおられるように見えました。相手役さんですもんね。

 じゅんべちゃん(洲悠花)は、バックコーラスでも大活躍。何度もお衣装を変え、その都度髪飾りも変えていて、娘役さんの鑑だと思いました。現役時代も大好きだった じゅんべさんです。

 

●コルドバの光と影/『哀しみのコルドバ』:紫苑ゆう

 シメさんは本当に現役時代と何も変わっておられなくて、時間の経過がシメさんの周辺だけないのではないかと。

 スタイルのキープといい、自分にどれだけ厳しくしておられることか。

 「美学」を感じます。

 

●花吹雪〜恋幻/『紫子』:日向薫

 この歌も難しそう。

 ネッシーもうまいのだけど、ヒュルル、ヒュルルは峰ちゃんの声、歌い方に合わせて作られた感じがします。

 

●別離の肖像/『別離の肖像』

 

●愛の旅立ち/『ザ・レビューIII』:峰さを理、出演者全員

 スクリーンに峰ちゃんの舞台姿を映し出し、出演者と一緒に歌う趣向。

 

峰ちゃんは、ほぼ直立で歌うのみ。この場面は歌唱だけで勝負したすごいシーンです。

 

この公演の途中、現役トップスターである星組礼真琴さんからのビデオメッセージが映し出されました。

礼真琴さんは『アルジェの男』の再演時や、『アルテイ』の振り付けなどで峰ちゃんの指導を受けています。

ビデオメッセージで印象的だったのは

「教えていただいたのは、動かない男役の美学。どうしてもチョコチョコ動きたくなる私に『そこー!!!動くなー!!動かないッ!』と厳しく教えていただきました。動かないで表現する男役の色気というものを教えていただきました」

 

なるほど!!

私が感じた、鳳蘭→峰さを理→麻路さき のラインで引き継がれているのは「不動」だったんだわ。それが包容力に繋がるのだと思う。

もちろん、スターそれぞれに個性があるのだから「躍動」の男役も素敵なんですが、動きがなくても堂々と大きく舞台を支配する、それが峰ちゃんの持ち味だった気がします。

 

まさに、この写真が「動かない色気」を物語っている気がします。

これ、多分『哀しみのコルドバ』ですよね。

 

(『峰さを理 追悼チャリティコンサート 愛の旅立ち』パンフレットより)

 

 

『愛の旅立ち』の大合唱の後、ふと見たらぺいさんの頬に一筋の涙が。

私も泣いていました。

お隣の方もタオル抱えて泣いておられました。

 

峰ちゃん、早すぎるわ。

峰ちゃん、いーちゃん、ぺいさんの同期ディナーショーも見たかったですよ。

 

今更ながら、峰ちゃんの大きさを痛感して、ありし日の舞台を思い返しています。

天国で安らかに眠ってくださいね。

 

 

【お詫び】

どなたがどの順番で歌われたか、ほとんど覚えていないことに我ながらショック。

それぞれソロを歌われたのに。すみません!!

自分が情けない!

 

 

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