占い師の日記

護禊の理(ごけいのことわり)・２


透明「蒲田さんお久しぶりですね～」

蒲田「あははっ

　　　このところ色々あってかなりバタバタ

　　　していたのですが、今月からは

　　　仕事の流れも緩やかになりましたので

　　　久しぶりに、現状報告も兼ねて

　　　お訪ねさせてもらいましたよ」

透明「そうですかお元気そうで何よりです」



蒲田 義徳（かまた よしのり）さん


彼は、大手の通信機器会社の部長さんで、

私も面接官を頼まれたりと、長年仲良く

させていただいている御仁だ

若いときから優秀で、部下からは

仕事の鬼と言われるくらいの仕事人間

その分、畏れられていたり、慕われていたりと

周りからの評価が二分する側面もある・・・。


透明「蒲田さんの会社って、いつも

　　　お忙しそうですよね」

蒲田「いやいや　会社が新しい商品を

　　　手掛けた時だけですよその時は

　　　商品の対応に追われるんだけどね」

透明「なるほど～じゃあ、今は少し

　　　一段落したということですね」

蒲田「まあ、そうなるかな」

透明「」


何だろう急にテンションが落ちた気が・・・。


蒲田「まあそろそろ俺も、お役御免って

　　　ところで、仕事の振られ方が緩やかに

　　　なった・・・というだけかもしれんがね」

透明「いやいやいやいや

　　　蒲田さん、まだまだ現役で頑張れるでしょう」

蒲田「ま、まあそうなんだが

　　　・・・先日、会社から

　　　こんな案内が来てな・・・。」


そう言うと、蒲田さんが一枚の紙を私に差し出す


透明「えっ早期退職優遇制度

　　　こ、これって・・・」

蒲田「まあ、読んでもらったとおり、

　　　早期退職を促すものだよ」

透明「いやいや

　　　今のご時世、蒲田さんみたいな人が

　　　会社からいなくなったら、いくら

　　　大手と言えど厳しいでしょう

　　　なんで・・・・。」

蒲田「う～ん上も色々考えてのことでしょ

　　　年齢も年齢だから仕方がないんじゃないかなぁ」

透明「う～ん・・・」


次回、複雑な想いが交差します・・・。



　　　　　　　　　　続く・・・。

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