諸君、ご壮健かな。
大分遅れたが、ようやく観る機会に恵まれた。
太陽の子 GIFT OF FIRE
太平洋戦争末期、劣勢を挽回するべく海軍が京都大学に開発を急がせたのが、そう。
原子核爆弾。
歴史ではアメリカ合衆国が、広島と長崎に落とした残酷な兵器であるが、実は日本でも開発されていたのである。
戦時下で限られている中、科学者や学生は夢を見た。無限のエネルギーとなり得る原子核分裂の実験成功は、日本の将来を救うのだと。
この戦争も、日本の資源不足から勃発した。
だから殺戮兵器を作る悪鬼と思われようが、徴兵逃れの謗りを受けようが、彼らはその手を止めなかった。
若者たちはみんな夢を見ていた。お国のため、この身を捧げることが善と思っていた。
教育されていた。
私は問う。
日本の未来は誰のもの?
若者たちのもの。
なのに、その若者たちが命を散らして国を守る。なんというパラドックスなのであろうか。
彼らの散った魂の向こうに、我々は生きている。私もたくさんの夢を見て、たくさんの挫折をして、そして抱えきれない幸せをもらった。
なんと有り難きことであろう。
そして今、再び世界は危機に瀕している。それは。
新型コロナウイルス。
多くの命を奪いつづけるこのウイルス。多くの人が恐れ、苦しみ、悩んだ。
我慢して。
我慢して。
我慢して。
この先に何があるのか、誰もが見失った。
そんな時期に訪れたのが。
総理大臣選び。
今だ権力にしがみつく長老の意思で、次のリーダーは決まる。その事実から持論を曲げなければいけない、これは原子核の研究に通じるものがある。
次世代リーダーたちに言いたい。 この茶番が過ぎたあと、残った自身の
その胸に夢はあるのか。
民衆は酔わせてほしい。その熱き熱情に。語る夢に。希望なき世の中だからこそ、そこに一条の光を見いだしたいのだ。
夜明けはきっと来る。あの戦争のあと、日本は見事に立ち直った。我らに出来ないわけがあろうか。
私の望みは、我々の次の世代が伸びやかに生きる世界が出来ること。その起点が今。だから政治家たちに問いたい。
日本の未来は誰のものだ?
追伸
この映画が最期の作品となった三浦春馬さん、改めてご冥福をお祈りします