さくら進学クリニック 『進学コラム』

千葉県北西部の公立上位高校志望の受験生に受験情報に関するアドバイスをお送りするブログです

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 2025年千葉県公立高校入試は2月18・19日です

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657.公立高校の入試システム

こんにちは、さくらです。

公立上位校受験の手引きの4回目、「4.公立高校の入試システム」をお届けします。

千葉県の公立高校では、高校ごとに選抜・評価方法が公表されています。
その中で調査書・学力検査・学校設定検査の配点が明示されているので、透明度の高い入試だと言えます。
選抜・評価方法は例年10月下旬に発表されるので、現在、各高校ホームページに掲載されているのは前回入試のものです。
2023年には若干の変更点があるかもしれませんが、前年の選抜・評価方法をもとに公立高校の入試システムについて解説します。
(学校設定検査が「思考力を問う問題」に変更される東葛飾と千葉東は必ず配点が変わるでしょう)


4.公立高校の入試システム

2020年まで千葉県の公立入試は前期・後期の2回入試が行われていましたが、2021年から一般入試1回のみに変更されました。
入試は2日間(2023年は2月21・22日)で行われます。
1日目は国語・数学・英語の学力検査、2日目は理科・社会の学力検査と学校設定検査を行います。
(千葉県では入試における学力試験のことを学力検査と呼び、受験のことを受検と呼びます)
学校設定検査は面接・自己表現・作文・小論文・思考力を問う問題などから各高校が選択して実施します。

2日間の検査結果と調査書から以下の方法で総合得点を計算して、その順位から合否が決定されます。

学力検査500点 + 内申点135点×K + 調査書の加点 + 学校設定検査の得点 = 総合得点

学力検査は 各教科100点満点 × 5教科 = 500点
内申点5段階評価 × 9教科 × 3学年 = 135点 です。
千葉県では内申点は1年から3年まで全て入るのが特徴です。(だから1・2年生での学校の勉強も重要です)

基本の計算式は同じですが、高校ごとに、Kの値、調査書の加点、学校設定検査の得点が異なるので注意が必要です。
1・2番手校の普通科(小金は総合学科) の今年(2022年)の配点を箇条書きにすると以下のようになります。

県千葉 学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 思考力を問う問題100点 = 667.5点満点
船橋 学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 作文10点 = 577.5点満点
東葛飾 学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 作文48点 = 615.5点満点
千葉東 学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 作文10点 = 577.5点満点
佐倉  学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 面接30点 = 597.5点満点
薬園台 学力検査500点 + 内申135点×1 + 加点10点 + 面接10点 = 655点満点
市千葉 学力検査500点 + 内申135点×1 + 加点15点 + 小論文10点 = 660点満点
小金  学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 作文10点 = 577.5点満点

2023年入試における「Kの値」と「学校設定検査の内容」は、すでに発表されています。
※すみません、この段階では「Kの値」はまだ発表されていませんでした、訂正します。
東葛飾・千葉東では学校設定検査が「作文」から「思考力を問う問題」に変更されます。
思考力を問う問題は県が作成するもので、国語・数学・英語の3教科を合わせて100点満点、まとめて60分で実施されます。
今春導入した県千葉が100点満点の配点のまま計算したので、東葛飾と千葉東も100点の配点になる可能性が高いでしょう。
その場合、県千葉と同じ 学力検査500点 + 内申135点×0.5 + 思考力を問う問題100点 = 667.5点満点 という配点になります。

2023年入試の選抜・評価方法は10月下旬に掲載されると思います。
志望校のものは早めにチェックして、入試で重視されるポイントをつかんでおきましょう。
(ただしこれはお役所的な文書でわかりやすくありませんので、後で別のコラムで読み方を伝授します)

他に、理数科や国際関係の学科では数学・理科や英語を1.5倍(150点満点)にする傾斜配点を行う高校があります。
例えば県船橋の理数科では数学と理科の得点が1.5倍になり学力検査は600点満点になります。
(市千葉・理数科のように傾斜配点を行わない高校もあるので注意が必要です)

また、上記の計算式で定員の80%を選抜した後、調査書や学校設定検査の比率を変えて2段階目の選抜を行う高校もあります。
ただし、1~4学区の上位校で2段階の選抜を行う高校はありません。


内申点にかけるKの値は原則を1として0.5~2の範囲で各高校が学校の特色に応じて決めることになっています。
主な上位高校のKの値は以下のようになっています。

K=0.5  県千葉、県船橋東葛飾、千葉東、佐倉、小金
K=1  薬園台、市千葉
K=2  船橋 船橋東は2023年よりK=1に変更になります

0.5倍すると内申点は67.5点になり、学力検査500点のわずか7分の1程度になってしまいます。
これでは3年間オール5に近い内申点を持っていても、学力検査で容易に逆転されてしまう可能性があります。
内申0.5倍の高校はまさに試験勝負・実力勝負の選抜だといえます。

もっとも、県千葉~小金はいわば公立トップ6校です。
内申点を圧縮しようが、そのまま使おうが、そもそも中学校で優秀な生徒(学区内最上位層)しか受けに来ません。
「学校の成績は少し足りないけど、内申が半分になるから学力試験に勝負をかけるぜ」なんて生徒は多くないでしょう。
ふたを開ければ学力試験の成績はもちろん、内申も高得点の生徒ばかりだったりするはずです。
(高校の先生は毎年見ていてわかってることでしょうが)

内申0.5倍というのは、本当に実力のある生徒を取りたいというよりも、「うちは実力重視の上位進学校ですよ」という単なるアピールのように思えます。
さらに言えば「うちは大学受験も一般入試で目指しますよ」「推薦とか使いたいなら他へどうぞ」というアピールだともいえます。

実力重視なんて言うと格好はいいですが、現実はそんな甘いものではありません。
高校の授業はレベルが高く進度も速く、自分のやり方で押してくる年配の先生が多くて(上位校ほど先生の平均年齢は高いです)中学校とは次元が違います。
真面目に授業を受ける習慣のない生徒がついていくのは大変でしょう。
大学受験も基本は学校の授業です、内申が0.5倍になるからといって、学校の授業を甘く見るようになると後でひどい目にあいます。
(中学校で適当に授業を受けている生徒は、高校でも同じことをしてしまうものです)

もちろん、受験勉強より学校の勉強が大切だと言っているわけではありません、公立トップ6校の受験生(中3生)にとって残っている内申点はわずかに22.5点です。
学力試験は500点もあるわけですから、受験勉強が学校の勉強の20倍以上重要なのは確かです。
(県千葉・東葛飾・千葉東なら試験600点ですから内申の25倍以上です)
しかし、学校の勉強に対する姿勢は、高校進学後の実力形成に大きく影響してきます。
公立トップ6校を目指すのなら、学校の授業を真面目に受けて、受験勉強もしっかりしようということです。


調査書の評定以外の加点については、トップ6校が横並びで加点なし、薬園台が10点、市千葉が15点となっています。
上位校なら、生徒会長で、部活の部長で、英検準2級持っていて、なんて生徒もいるでしょう。
それだけ持っていても10点とか15点が上限ですから、こんなものを気にするくらいなら受験勉強を頑張りましょう。


学校設定検査の配点は、思考力を問う問題の県千葉・東葛飾・千葉東をのぞけば、佐倉30点以外はみな10点です。
正直言って、上位校のほとんどは学校設定検査は仕方なくやっているという気がします。
学力検査だけで判定できるのに、つまらない仕事を追加してくれてまったく・・・という感じでしょう。
配点はあっても、ほとんど横並びの評価になっていると考えられます。
学校ごとの細かいコメントは、さくら進学クリニックの「県内公立上位校の入試状況」を見てください。

上にも書きましたが、調査書の加点と学校設定検査の配点はまだ発表になっていません、10月下旬に出るはずの2023年入試の選抜・評価方法に掲載されるはずです。
必ず、新しい選抜・評価方法を確認するようにしてください。


公立上位校に関していえば、合否を決めるポイントは学力検査の500点です。
周りからの情報に惑わされることなく、ひたすら勉強に励みましょう。


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