源氏イラスト訳【若紫301】ことあり顔 | 【受験古文速読法】源氏物語イラスト訳

源氏イラスト訳【若紫301】ことあり顔

乳母は、うしろめたさに、いと近うさぶらふ。風すこし吹きやみたるに、夜深う出でたまふも、ことあり顔なりや。

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おねがい

【源氏物語イラスト訳】

 

乳母うしろめたさいと近うさぶらふ

訳)少納言の乳母気がかりためにとても近くにお控えする

 

 

すこし吹きやみたるに、

訳)風が少し吹き止んだので、

 

 

深う出でたまふ

訳)夜の深いうちに帰りなさるのも

 

 

ことあり顔なり

訳)いかにもわけありそうな様子であるよなぁ

 

 

【古文】

乳母うしろめたさいと近うさぶらふ。風すこし吹きやみたるに、夜深う出でたまふことあり顔なり

 

【訳】

少納言の乳母気がかりためにとても近くにお控えする。風が少し吹き止んだので、夜の深いうちに帰りなさるのもいかにもわけありそうな様子であるよなぁ

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

■【乳母(めのと)】…少納言の乳母。若紫の侍従

■【は】…取り立ての係助詞

■【うしろめたさ】…心配。気がかり

■【に】…原因の格助詞

■【いと】…とても

■【近う】…ク活用形容詞「近し」連用形ウ音便

■【さぶらふ】…「控ふ」の謙譲語(作者⇒若紫)

■【すこし】…少し副詞

■【吹きやみ】…マ行四段動詞「吹き止む」連用形

■【たる】…完了の助動詞「たり」連体形

■【に】…順接の接続助詞

■【深う】…ク活用形容詞「深し」連用形ウ音便

■【出で】…ダ行下二段動詞「出づ」連用形

※【出(い)づ】…出発する。ここでは「帰る」意

■【たまふ】…尊敬の補助動詞(作者⇒光源氏)

■【も】…強意の係助詞

■【ことあり顔】…いかにも何かがあったような雰囲気。ここでは、光源氏が若紫と情事を起こしたかのような雰囲気をさす。

■【なり】…断定の助動詞「なり」終止形

■【や】…詠嘆の間投助詞

 

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☆本日の『源氏物語』☆

 

「ことあり顔」というのは、

何か事が起こったかのような様子のこと――。

ガーンガーンガーン

 

ここでは、光源氏と若紫が、

いわゆる「男女の関係」を結んだのであろうか

…そのようなそぶりで、光源氏は帰って行ったというのです。

びっくりびっくりびっくり

 

…いや、逆に言えば、

この「ことあり顔」という表記があることで、

 

光源氏と若紫の間には、

何もなかった――

ということが強調されもしますよね。

笑い泣き笑い泣き笑い泣き

 


 

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