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攻撃すべきは「補給は寄越さず背後に敵軍を誘導する菅内閣」だ! [三橋TV第338回] 三橋貴明・高家望愛
日本の「死の病」とは、もちろん新型コロナウイルス感染症のことではありません。
改めて、財務省はたとえ国民が苦しみ、生命や財産、人生を失おうとも、
1.上限が不明確な予算は組まない
2.期限が不明確な予算は組まない
3.給付金等の範囲を可能な限り狭める
を徹底します。そして、菅内閣は完全に財務省の「主権下」に置かれている。
一部地域への緊急事態宣言発令を受け、飲食業の向こう側、バリューチェーンを構成する企業「群」への支援検討がようやく始まりましたが、予想通り、
1.一社一律40万円(個人事業主は20万円)
2.一回限り
3.今年の1月もしくは2月の売上が前年比で50%以上減った中堅、中小企業が対象
のようです。
『飲食店取引先に最大40万円支給 経産相が表明
梶山弘志経済産業相は12日の閣議後の記者会見で、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ緊急事態宣言で打撃を受ける飲食店の取引先を支援するため「最大40万円の一時金を支給する」と表明した。宣言が発令された1都3県の飲食店と取引があり、売り上げが半分以下に落ち込んだ食材や器材の納入業者などを対象とする。(後略)』
いや、あのね。民間企業にとっては、売上が10%減るだけで「大変な事態」なのですよ。何しろ、売上は所得ではないのです。企業にとっての所得とは、「=売上-売上原価」で計算される粗利益です。
売り上げの大小はもちろん、粗利益率(粗利益÷売上)によっても、企業のダメージは変わってくるのです。売上が1千万円の二社があったとして、売上原価が100万円、500万円だとすると、粗利益(企業の所得)は900万円、500万円と、全然違うのですよ!
だからこそ、「日本の未来を考える勉強会」や我々は「粗利補償! 粗利補償!」と繰り返しているのです。
しかも、売上が「50%減少」って・・・。49.9%減少の企業や個人事業主は、給付対象外というわけですね。
頭、おかしいんじゃないの!?
いや、おかしいんですが、「緊縮財政」という縛りがある限り、こうならざるを得ない。
さらに、日本政府の動きは、極めて遅い。
単に、第二次補正予算で積んだ予備費を財源に、持続化給付金を拡充すれば済む話であるにも関わらず、「持続化給付金」と「家賃支援給付金」は共に明日(15日)申請受付終了。
これから新たに「飲食店取引先」への支援制度を作るとなると、最低でも二か月はかかるでしょう(昨年の持続化給付金を思い出してください)。となると、支給が始まるのは4月。よくて3月。
潰れますね、普通に。まあ、それ以前に、金額が小さすぎ、話にならないんですが。
ちなみに、西村康稔経済再生担当大臣は、持続化給付金の打ち切りについて、
「飲食に焦点絞った」
と、意味不明な供述(もはや説明ではない)をしています。
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http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
『持続化給付金や家賃支援給付金の申請締め切り「飲食に焦点絞った」
西村康稔経済再生担当相は13日の衆院議院運営委員会で、政府がこれまで新型インフルエンザウイルスの感染拡大に伴い実施してきた支援策「持続化給付金」や「家賃支援給付金」の申請を今月15日に締め切ることに関し、今回の緊急事態宣言が全国を対象としていないことに加え、「飲食につながる人の流れを減らすことに(対策の)焦点を絞ったことを踏まえたため」と説明した。』
いや、おかしいでしょ。
そもそも、「一日一店舗6万円一律」という飲食店への支援がお話しにならないほど「小規模」であるのに加え、
1.緊急事態宣言対象外の地域の企業は、対象内の飲食業とバリューチェーンで繋がっていないとでもいうの?
2.政府の狂った政策により、飲食以外の産業がダメージを受けていないとでも思っているの?
3.ダメージを受けた産業で働く生産者が消費を減らしたとしても、別の生産者の所得は減らないとでもいうの?
例えば、今回の緊急事態宣言ではテレワークが推進され、交通や商業施設、オフィスワーカーのランチ需要の飲食店もダメージを受けています。別に、人間は飲食のためだけに外出するわけではないのです。
飲食業以外の事業者にしても、大打撃を受けているのですが、それは無視するんだ?
要するに、
「財務省様に「持続化給付金(等)はバラマキだ!」と怒られたので、国民の生活や生命、人生がどうなろうともやめます」
という話なんでしょ。
ちなみに、昨日、O様から聞いた話。O様のご友人は緊縮財政論者だそうですが、財務省からレクチャーを受ける立場です。(というか、レクチャーを受ける立場だから、緊縮論者なのでしょうが)
ある日、O様が入れ知恵し、三橋作成の、
【日本政府の長期債務残高とインフレ率・長期金利】
http://mtdata.jp/data_73.html#saimu
を手渡し、
「財務省はこれについて、どう説明するの?」
と、聞いてみたそうです。何しろ、財務省がいう「国の借金が増えると、金利が上がって破綻する」を全否定してしまっています。
(緊縮思想に洗脳されているとはいえ)ご友人はなかなか誠実な方で、実際に財務官僚に「どういうこと?」と直接、質問してくれたそうです。
答えは、
「説明できません」
とのことでした。
そりゃそうです。財政破綻論に基づくと、上の図は説明しようがないでしょう。財務官僚の破綻論など、チャート一発で全否定されます。
「その程度の官僚」たちが絶大な権力を持っているのが、我が国の「死の病」でございます。そして、少なくとも菅政権は「財務省様」に逆らう気はない。さらには、財務省は財政研究会(財務省の記者クラブ)経由で、メディアをコントロールしている。
無能というか、頭のおかしい働き者が権力を握ってしまっている。
我々にできることは、何でしょうか? O氏はなかなか巧みで、ご友人を説得しようとしたのではなく、「財務官僚に確認してみたら?」と促した。つまりは、
「お前、間違っているから!」
とやるのではなく、財務官僚に確認させることで、真実を自ら「考える」ことを促したのです。
というわけで、是非ともご地元の政治家に「情報」を届け、
「現実はこうなっているけど、本当なの? 財務官僚に確認してみたら」
と、相手を全否定するのではなく、
「もしかしたら間違っているかも知れないのだから、財政当局に確認してみればいいじゃん」
と、やってみて下さい。
とにもかくにも、「死の病」を克服しない限り、繁栄の未来はあり得ないのはもちろん、コロナ禍も絶対に収束しません。
緊縮財政の転換なしに、コロナ禍収束は無し! この事実を受け止めた上で、皆様、お一人お一人ができることをやって下さいませ。
「緊縮財政転換なしに、コロナ禍収束は無し!」に、ご賛同下さる方は、