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「令和3年度補正予算と防災安全保障の崩壊」(前半)三橋貴明 AJER2020.11.30
    

 

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積極財政への転換のためには、一か所にチップを全賭けしてはならない [三橋TV第477回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/hQ80g6WHPts

 

 

 中野剛志先生の新著「変異する資本主義」を拝読いたしました。

 厚みがあるので、一瞬、尻込みしてしまう方がいるかも知れませんが、意外とサクサク読めます(わたくしは、3時間くらいかな)。
 是非、ご一読を。


 中野先生は本書で、文字通り「資本主義」あるいは「経済学」の変異について解説しています。これまでの資本主義、経済学は「小さな政府」を是とし、特に積極財政について、
短期的なカンフル効果はあるが、長期的には経済成長率を抑制する」
 という、今にして思えば古臭いというか、間違っているレトリックを堂々と述べていました。


 昨日のエントリーで取り上げた木内登英も、記事中で、
「歳出拡大で作り出す需要は一時的な効果しかなく、成長戦略とは言えない」
 と、書いています。


 この種の「積極財政は一時的な効果しかない」の裏には、クラウディングアウト論があります。


 すなわち、政府が国債を発行し、おカネを借り入れると、金利が上昇し、民間が投資できなくなり、経済成長率が低下する。
 

 という、貨幣のプール論に基づく「間違ったロジック」により、「積極財政=一時的なカンフル剤」という認識が経済学者、政治家、官僚、財界人などに共有されてしまい、我が国は十分なデフレ対策ができず、大国から小国へと凋落しつつあります。

 

 皮肉なことに、クラウディングアウト論が間違っていることを証明したのも、また我が国なのですが。

 

【日本の国債発行残高(左軸、兆円)と長期金利(右軸、%)】

http://mtdata.jp/data_77.html#Kinri

 

 デフレから脱却できず、GDPが成長しないものの、社会保障の増加により結局は国債を発行せざるを得ない。もちろん、デフレギャップを埋めるには不十分な規模なので、やはりデフレ脱却できず、GDPが成長しない。

 

 なんてことを繰り返していたら、結局、デフレ脱却を果たせぬまま、国債発行残高は積み上がったものの、金利はゼロ

 

 クラウディングアウト論者の皆さん、↑上の図を説明して下さいよ。

 

【歴史に魅せられて、myが聞いてみた〜皇統論編〜(前篇)】

現在、三橋貴明とmyによる特別コンテンツ「歴史に魅せられて、myが聞いてみる 皇統論編 (前編)」がご視聴頂けます。

https://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/

 

『日本経済が成長しなくなった、あまりにも「残念」な理由 財政政策の「古い見解」vs「新しい見解」 中野剛志:評論家
◆アメリカで起きた経済政策論の「大転換」
 『変異する資本主義』の第一章でも論じたように、アメリカにおける主流派経済学の政策論は、2010年代中に、大きく変わった。
 オバマ政権下で大統領諮問委員会委員長を務めたジェイソン・ファーマンによれば、かつて主流派経済学者は、積極財政について「短期的な景気刺激策としては有効かもしれないが、長期的な経済成長には効果がない」と主張していた。
 積極財政は金利を上昇させて民間投資を抑制する(クラウディングアウト)だろうというのが、その理由の一つである。ほかならぬファーマン自身も、かつてはそう考えて、積極財政に否定的であった。
 日本でも、経済学者や評論家が「財政出動は、単なるカンフル剤に過ぎない。経済成長のためには、構造改革などによって生産性を向上させる成長戦略が必要だ」という主張をするのを、よく耳にしたことがあるだろう。
 ところが、2016年、ファーマンは、それはもはや「古い見解」だと断じたのである。(後略)』

 中野先生の寄稿や「変異する資本主義」を読めば分かりますが、すでにアメリカでは「積極財政は一時的なカンフル剤」論が少数派というか、むしろ「異端」化してきているようです。それはまあ、「現実」に思いっきり否定されていますので。


 日本の経済学者は、アメリカの影響を思いっきり受けますので、木内登英も来年の今頃は、
「積極財政を大規模、長期的、計画的に推進することが最強の成長戦略だ」
 と、言い出しているかもしれません。


 そういえば、伊藤元重先生が「産業政策が重要だ」と言い出したり、浜田宏一先生が「MMTは正しい」と主張し始めたり、アメリカの影響を受けやすい学者の皆さんから「正常化」しているように思えます。


 いずれにせよ、
「積極財政は短期的なカンフル効果はあるが、長期的には経済成長率を抑制する」
 といった考え方は、そもそも間違っていた(クラウディングアウト論が嘘だから)上に、アメリカでは捨てられていっているのです。
 日本も、さっさと捨てましょう。手遅れになる前に。
 

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