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「食団連発足とコストプッシュ型インフレの正体」(前半)三橋貴明 AJER2022.5.3
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6月17日公開!「君たちはまだ長いトンネルの中」経済監修・藤井聡登場![三橋TV第552回]藤井聡・三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/JMN9ro0jcbo
東日本大震災以降の様々な電力サービスの「改革」は、基本的には、
「電気代を引き下げる」
というお題目の上で推進されました。
実際には、原発停止以降の日本の電力サービスは、FIT導入、小売り自由化、発送電分離と、
「公の電力サービスを民間ビジネスのネタにする」
ことが進められていき、電気代はむしろ上昇していくことになりました。
【日本の電気・ガス代(2020年=100)の推移】
http://mtdata.jp/data_79.html#denki
そもそも、電力会社が発電から配電まで一貫して担当していたことには、「電気代抑制」の効果があった。
例えば、LNGが高い時期(今がそうですが)には、原発や水力の稼働率を高める。LNGのコストが下がれば、他の発電の稼働率を引き下げる。
と、環境・状況の変化に応じた「バッファー(余裕)」を以前の電力会社は持っていたのです。この「余裕」がビジネス化されたわけですね。
「電力の改革をすれば、市場競争により電気代が下がりますよ」
などと主張し、電力サービスを自らのビジネスのネタにした連中は、いったい、どんな言い訳をするつもりでしょう。間違いなく、何ら責任を取らず、次のビジネスのネタを探すだけです。
「電力の改革は電気代引き下げにつながる」という世迷言を信じていた政治家連中には、少しは、ほんの少しで良いから、反省してほしい。すでに、結果は出たのだから。
特に、安倍政権下で電力をビジネス化する改革に賛成した自民党議員。是非とも、この惨憺たる「結果」に対してコメントして欲しい。
電気代など、要するに「鉱物性燃料」の価格で決まるのです。その影響を極小化するための「改革」ならばまだしも、逆方向に突っ走ったわけですから、現在の電気代高騰は「必然」なのですよ
挙句の果てに、各電力会社は、もはや需要を満たす安定供給すらコミットできなくなってしまった。
様々な改革によって、我が国は電力サービスについて「発展途上国化」した。
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【経世史論】三橋貴明と「歴史に魅せられて my」がお送りする、経世史論。
http://keiseiron-kenkyujo.jp/keiseishiron/
第四十回「皇統論 平将門の乱-坂東燃ゆー」「歴史時事 ウクライナ国民共和国」がリリースになりました。
ぜひ、ご入会下さい。
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『「テレビ1つの部屋でまとまって見て」萩生田経産相 停電危機回避策を提案
経済産業省は、この夏と冬の停電危機を乗り切るため、休止中の発電所を再稼働させるなどの対策をまとめた。
この夏、東北・東京・中部電力のエリアが10年に1度の猛暑となった場合、電力供給の余裕を示す「予備率」は、安定供給可能とされる3%に迫る3.1%と、ここ5年で最も厳しい予測になっている。
経済産業省は休止中の火力発電所を再稼働させる他、電力不足の恐れをいち早く周知する「電力需給ひっ迫注意報」を新設するなど、対応策をまとめた。
萩生田経産相は「ご家族でですね、この夏場、部屋別れてエアコンを使うのではなくて、テレビなど、一つの部屋に集まって見ていただくような、そこがちょっとづつの試みをしていただくことで、乗り越えて頂けると思いますのでご協力をお願いしたいと思います」と話した。』
萩生田大臣、恥ずかしくないのだろうか・・・? 「電力不足の周知」「ご協力のお願い」が対策だというのならば、政府はいらんよね。各電力会社に任せておけばいい。
「政府」がやるべきは、まずはもちろん原発再稼働。その上で、電力サービスに対する政府の関与を強め、「国家の責任」で国民に電力を供給するべく法律等を整備していくことです。
当然ながら、様々な研究開発、投資に「政府の貨幣」を投じなければならない。
それが、
「ご家族でですね、この夏場、部屋別れてエアコンを使うのではなくて、テレビなど、一つの部屋に集まって見ていただく」
って、情けなくて、本気で涙が出てくる。
とりあえず、近年の電力サービスの「改革」「自由化」は全て間違っていた。全て間違っていた(大事なことなので二度言った)。まずは、この「事実」を認めることから始めなければなりません。
「電力サービスの改革は全て間違っていた」に、ご賛同下さる方は、