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改訂版「インボイス制度導入は消費税増税に向けた基盤整備である」(前半)三橋貴明 AJER2023.3.7

   

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たまには君たちを眠らせる話をしよう 経常収支と金融収支[三橋TV第682回]三橋貴明・高家望愛


https://youtu.be/nl1HaexJMsc

 今までで最も笑ってしまった「破綻論」は、藤巻健史らが主張していた、
このままでは富裕層がおカネを外国に持ち出し、国債を買うカネが無くなって破綻する!
 でございました。


 超絶的な、貨幣のプール論。

 
 富裕層が「カネを持ち出す先」は、大抵がシンガポール。(なぜ、シンガポールなのかは分かりませんが)


 日本円は、シンガポールでは使えないでしょうに(笑) 富裕層がカネを持ち出そうとしても、単にシンガポール・ドルに両替されるだけで、日本円は日本国内で「誰か」が保有し続けます

 

 両替したのがシンガポールの銀行ならば、日本国内における「資産(=日本の銀行もしくは日本銀行の負債)」として保有し続けることになります。そして、シンガポールの(対日)対外資産として統計されます。


 共通通貨加盟国でない限り、貨幣は国境を越えません。


 さらには、貨幣は返済がなされない限り消えません。
 

 日本国内の日本円(の金融資産)は、そのほとんどを日本国民が保有しています。が、外国も持っています(日本の対外負債として統計されます)。


 外国の経済主体が、日本円を「自国に持ち出す」などということはできません。というか、持ち出しても使えない。


 動画で説明していますが、貨幣の本質は「購買力の所有権」なのです。財やサービスの売買(等)が行われると、支払い手から受け取り手に貨幣という「購買力の所有権」が移る。
 

 もっとも、日本円という「購買力の所有権」は、あくまで日本国内限定で認められる「権利」です。つまりは、貨幣は「貸借関係」であると同時に、共同体に認められた購買力の「所有の権利」でもあるわけです。
 

 改めて、貨幣とは共同体的な産物であることが分かります。「権利」であるがゆえに、当然ながら、共同体の敷居(国境)を越えることはできない。
 

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https://keiseiron-kenkyujo.jp/apply/

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 日本の企業がアメリカに100万円の自動車を売ったとしましょう。日本からしてみれば「輸出」で、アメリカにとっては「輸入」です。


 面倒なので、1ドル=100円とします。


 日本企業がアメリカで受け取るのは1万ドル。日本の経常収支(内、貿易収支)の黒字が1万ドル増えます


 さて、日本企業は1万「ドル」をどうするのか。日本円に両替した場合、両替してくれた日本の銀行が「アメリカ内資産」として保有し続け、統計的には金融収支(内、その他投資)が1万ドル増えます。(工場建設などに使われたならば直接投資、株式購入などの場合は証券投資として統計されます)
 

 結局、アメリカ人が保有する1万ドル分の「購買力の所有権」が、日本企業に移るだけで、「1万ドルが日本に移動する」ことはないのです。


 というわけで、経常収支=金融収支になります。これは、GDP三面等価の原則同様に、誰も逃れられない原則です。

【日本の国際収支の推移(億円)】


http://mtdata.jp/data_84.html#kokusaisyuusi
※金融収支はマイナス表記

 例外処理(資産の譲渡等)である資本移転収支や誤差の穴埋めである誤差脱漏を除くと、経常収支と金融収支がイコールになっているのが分かるでしょ?


 経常収支=金融収支。


 貨幣が国境を越えられないことが、国際収支統計から分かるのですが、眠くならずに最後まで読めたかな?

 

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