極右のハビエル・ミレイが大統領に就任してから100日が経過した。アルゼンチンの政治、経済、社会の状況は耐えがたいまでに極度に悪化し、3月18日には、ブエノスアイレス州のペロニスタの知事、アレクセル・キシショフと衝突した。かれは労働者の賃金を引上げたのだが、大統領が「税金を払うな」と、税金の反乱を呼び掛けたことを批判した。それはもっとも裕福な企業に、もっとも力のある田舎の農牧業者に、大資産の不動産業に向けられたものであった。

 

ミレイとかれにもっとも近い同盟者の一人、ホセ・ルイス・エスペルトにたいする、最初の弾劾裁判の要求は、すでに提出されている。

 

社会運動体は、「飢餓は待ってくれない」をスローガンに、「全国ピケット」を招集、全国500カ所でデモ行進、動員、道路封鎖をおこなった。

 

数千人の人々が、政府のもっとも貧しい人たちにたいする措置に抗議した。そして民衆食堂への食料の提供を要求した。そこにはますます多くの失業者が、低賃金のため、月末まで食費が持たない人々が詰めかけている。

 

弾圧が時間をおくことはなかった。すでに行進が開始されたプイレドン橋、首都とブエノスアイレス州を分けている地点には、パトリシア・ブルリチ治安相によって派遣された警察部隊が、首都への進出を阻止すべく、待ち構えていた。首都へのもう一つの入り口である、サアベドラ橋においても、デモ隊は弾圧された。

 

平和的なデモだったにもかかわらず、すぐさま押し合いが始まり、警察部隊は胡椒ガスを使用し、ジャーナリストを含む多くのものが犠牲者となり、ゴム弾を頭部に直接的に狙うことによって、負傷者がうまれた。

 

いつものように治安相は、デモ参加者にたいしては、社会保障の権利が剥奪されると脅したが、これは脅迫、恫喝の類いであると思われる。

 

「労働者の軸」(PO)の指導者、エドゥアルド・ベリボイネは、政府の脅迫を否定し、動員に参加する権利を、いかなるものも妨げることはできないと強調した。「この政府も、いかなる政府であっても、民主主義の自由を侵すことはできない」と述べた。

 

議会が決定した法律、不動産、大土地所有者などの富裕層への税金に、ミレイが発表した決定は「税金の反乱」というもので、キシショフはこれを受け入れられない、違法なものと警告した。

 

ブエノスアイレス州選出のホセ・ルイス・エスペルト下院議員が、選択的「税金の反乱」を呼び掛けたことにたいして、ブエノスアイレス当局に損出を与えるものと、グスタボ・プルティ議員は、刑事告発と「弾劾裁判の開始」を提案した。これにはミレイもまた含まれる可能性がある。

 

別の問題では、ミレイは米軍のパラナ-パラグアイ水路への、進入を許可したのだが、これは国家の主権を侵害するものとして、キシシェフはこれを拒否した。キシショフはブエノスアイレス州の知らないところで、米軍工兵部隊と合意した内容について、港湾局(AGP)に情報を要求した。

 

AGPによると、これは情報交換と水路管理での協力プロセスであり、それには水路における米軍の存在は認められるもので、これにはアルゼンチンの輸出品のほとんどすべてが通過する。

(通算4041) (La JornadaのStella Calloniの"A 100 dias de Milei, se agudiza crisis en Argentina"による )

 

(foto:AFP)