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「あんたは元妻、離婚したんだから死亡保険金を受け取るなんて出来ないはず」

 

原則、死亡保険金の受取人は、配偶者および2親等以内の血族

祖父母、父母、兄弟姉妹、子、孫

 

私と離婚後、元夫は今妻を受取人に変更したが

 

私に介護を頼みたいが為に、保険外交員さんを病院まで呼び出し死亡保険金受取人を私に変更したんだから何の問題もない

 

電話の向こうで騒ぎまくる今妻

 

“あんたが受取人だなんて偽装したに決まってる”と罵詈雑言

 

なんと言われようが私を受取人に変更したのは元夫だもん

 

私がお願いした訳でもないし

 

元夫の保険料は夫の通帳から引き落としになってる

 

ただ、その通帳は今妻が握っていた

 

引き落とされる保険料

 

夫が亡くなったら自分が受け取れると疑わなかった今妻の攻撃は半端ない

 

糖尿病と合併症

 

最後は心臓発作であっけなく逝った元夫

 

最後くらい汚れた洗濯物を受け取って洗濯してあげたら良かったなー

 

あんなに酷い仕打ちされたって言うのに

 

味気ない病院食に「お前の手料理が恋しいよ」なんて言ってた元夫の言葉にホロリと涙

 

「詐欺女、生命保険で下りるお金を渡しなさいよ」

 

ギャーギャー騒ぐ今妻の声が響く

 

「元夫が亡くなったばかりだというのに残念な人ね」そう言って携帯を切った

 

元夫と結婚して10年

 

その10年間を姑の介護で費やした私

 

その間に今妻と不倫

 

離婚して直ぐに今妻と入籍

 

今妻と一緒に暮らしたのって数か月じゃん

 

元夫の実家を売っ払いやりたい放題の今妻

 

生命保険くらい私が貰ったって罰は当たらない

 

あの時の保険外交員さんに電話した

 

「元夫が亡くなりました」

 

「ご愁傷さまです、現奥様から連絡ありまして

生命保険証書が見つからず先急ぎ、死亡保険金の振り込みお願いしますと言われたので

死亡保険は元奥様が受取人となってますよとお伝えいたしました」

 

うわーっ

 

なんて女だろう

 

「すっかり生命保険の事は忘れてたのに、現奥さんから詐欺扱いされて怖いわ」

 

「泣こうが喚こうが、元ご主人様の希望で受取人変更したので今奥様は受け取れません」

 

死亡保険受取欄には、しかと私の名前が載ってる

 

姑の介護に明け暮れ夫婦らしい生活なんて皆無

 

もしかしたら姑が“いい加減にしなさい”って元夫を連れてったのかな？

 

命ってあっけないなー

 

元夫に私の幸せを見せつけてやりたかったなー

 

そう言えば、今妻は妊娠してるって言ってたっけな

 

その子はどうなるんだろ？

 

ぼんやり考えてたら、また着信

 

今度は登録してない携帯からだ

 

電話にでようか迷ったが出てみた

 

「はい、もしもし」

 

「〇〇さんの携帯で宜しかったでしょうか？」

 

「はいそうですが」

 

「今、お時間は大丈夫でしょうか？わたくし〇〇弁護士事務所の片岡と申します」

 

弁護士が何で私に？

 

あの女の差し金？

 

静かに暮らしたいのにな

 

溜息交じりに話を聞いた

 

すると弁護士は徐に

 

「実は元ご主人様の事でして」

 

なんか嫌な予感しかない

 

弁護士事務所に出向く事になった

 

もう嫌ーっ