姑からの遺言 | 美奈子の溜息

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「わざわざお呼びだてして申し訳ございません」

 

は・・はぁ・・・あの、どのような要件でしょ

 

「実は元旦那様のお母様、貴方の元お姑様からお預かりになってる物件についての説明です」

 

物件?

 

「はい、元お姑さんがご存命中に依頼されてまして」

 

いつの間に弁護士事務所なんかに来たんだろ?

 

しかし弁護士って言えば高給取りばっかりだと思ってたけど

 

ここの弁護士事務所ったら古びたビルの1階

 

おまけに抜けそうな床に黄ばんだカーテン

 

「コーヒーとお茶のどちらが良いですか?」

 

あっ あっ お茶で

 

つい珍しくて辺りを見回してたら

 

笑いながらコーヒーかお茶を勧める弁護士さん

 

初めて入った弁護士事務所がポロボロ事務所

 

机の上には大量に積みあがった書類の山

 

古い本棚には、読み込まれた六法全書がズラーッ

 

それらをキョロキョロ見ながら出されたお茶を飲んでると

 

「生前、元姑さんからの依頼で、息子さんが亡くなったら渡して欲しいとお預かりしてまして」

 

息子って元夫?

 

「あの、その  夫とは離婚して他人になったんですが」

 

はい存じております、離婚なさった御主人が亡くなったので話を進めます

 

なんて他人事のように(・・;)

 

元姑さんは、私に何を残したの?

 

マンションとか別荘とか?

 

離婚したのに相続権利なんてあるの?

 

元夫が亡くなった今、相続するとしたら今妻さんじゃ?

 

弁護士に聞いてみた

 

「あの、今妻さんが相続するのでは?」

 

「いえ、貴方に渡して欲しいと正式に書類が出来上がってます」

 

つらい日もありました

 

悲しいこともありました

 

泣き明かした日もありました

 

そんなこんな私を元姑さんは知ってた?

 

あっ、ちょっと待てよ

 

元姑って言うのは正確じゃない

 

姑さんが亡くなった時は、まだ元がついてない

 

つまり元夫とは離婚してなかった

 

今だから元姑って言ってるだけ

 

姑の介護を見事に終えた偉業の褒美でも用意してたって事?

 

その物件は元夫は知ってたのですか?

 

「この物件は元ご主人様は存じておりません」

 

遺産て、内緒にしておけるものなの?

 

遺産ではありませんよ

 

生前贈与してありますので

 

生前贈与?

 

遺言で、息子さんが存命中のうちは内緒にしておいて欲しいとのご希望なので

 

なんで?

 

ここに生前書かれた遺書が御座います

 

今ここでお読みになって下さい

 

恐る恐る遺言書の手紙を開いた

 

力を振り絞って書いたんだろうなー

 

嫁子さん、心身共に大変だったことでしょう・・・

 

読めたのはそこまで

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めったら達筆な遺言すぎて解読不能 

 

それでもなんとなく書かれてる意味が分かった

 

勝手に涙が溢れ

 

私は読み進む事ができなくなった